周さんの「 周ノクチ 」が登場!
昨年、クラウドファンディングで「 周ノクチ 」のプロジェクトが始まったという話題を耳にしました。
これは、ライカの歴史的な銘玉といわれている「1966年の NOCTILUX M 50mm F1.2 ASPH.」を現在の技術で復刻するというプロジェクトの第4弾です。
でも、そのことを知った時にはもう募集が終わっていたし、英語のサイトで手が出せないし。。ということで、このクラファンのプロジェクトは手の届かない世界の話でした。
周さんといえば「銘玉」且つ「入手が困難」なレンズを中心に復刻プロジェクトを次々と立ち上げている中国の投資家で、その母体となるメーカーが中国にある「LIGHT LENS LAB」みたいです。
今までに、エルカン(50㎜ f2)、ズミクロン8枚玉(35mm f2)※周八枚、スピードパンクロⅡ(50㎜ f2)※周クック とう銘玉を復刻版として世に送り出しています。
実は、私も「周八枚」と「周クック」を愛用させてもらっています。周さんの熱い思いに、なんだかグッとくるブランドです。
「LIGHT LENS LAB」や周さんのレンズについては、下記の記事を参照ください。
周ノクチ を学ぶ:概論
「周ノクチ」とは、Leicaの「1966年の NOCTILUX M 50mm F1.2 ASPH.」を復刻した「LIGHT LENS LAB M NOCTILUCENT 50mm f/1.2 ASPH.」というレンズのことです。このレンズについて日本の正規代理店である焦点工房さんの製品紹介ページでは下記のように説明されています。
LIGHT LENS LAB M NOCTILUCENT 50mm f/1.2 ASPH.は、世界で初めて非球面レンズを採用した1966年製「ライカ ノクティルックスM f1.2/50mm」を忠実に再現したレンズです。研磨方法にもこだわり、古典的な高温研削・研磨加工を採用、72時間以上の手作業という工程を経て仕上げられています。光学的にはオリジナルの特性を維持しつつ、わずかに性能を向上させています。
おおお、なるほど、レンズの「見た目」も「写り」もそっくりです!
あと、先行して試作品をレビューしている海外のフォトグラファーさんのレビュー(下記に紹介)では、中央部の解像度がオリジナルより改善されているとの記事と素晴らしい作例がありました。
因みに、LIGHT LENS LABがこのレンズに付けた名が「NOCTILUCENT」のようです。このノクティルーセントという単語の意味は「shining or glowing by night.」で日本語に訳すと「輝くか、夜間輝くさま」という形容詞らしく、「the noctilucent eyes of a cat(猫の夜光る目)」とか、雲という単語とひっついて「noctilucent clouds(夜光雲)」になるみたいです。「夜光」と記載されているサイトもありますが、それだとノクティルクスと同じなので、ニュアンス的には「夜の輝き」とか「夜輝」ですかね。なんだかカッコ良くてワクワクしますね。
※とはいえ、ちょっと前にLeica本家でも「NOCTILUX M 50mm F1.2 ASPH.」の復刻版が発売されてるので、、、なんともスゴイ話です。
周ノクチ、覗いてみた(試してみた)
今なら、試せますよ~!!!(終了)
なんと!!この「周ノクチ」こと 「NOCTILUCENT 50mm f/1.2 ASPH. 」の現物が、東京の上野で開催されている「第3回上野クラシックカメラ博」の焦点工房さんのブースに展示されています!!そして、、今なら実際に試すことが出来るのです(2023年11月15日から11月21日まで開催)。
ということで、「第3回上野クラシックカメラ博」の焦点工房さんのブースに行ってきました。
今回は、実はマウントアダプターの修理と交換にお邪魔したのでが、いつもお世話になっている焦点工房の社員さんから「まあ、まずはコレをどうぞ」と案内されたのが「周ノクチ」だったのです。
ということで、焦点工房さんの社員さんから色々と裏話!?も教えてもらいながら、この周ノクチを覗いてみました。
ラインナップ
「覗くとキケンですよ~」「これはヤバいです」と言われて、手に取ってみました。第一印象は「あれ、軽い」でした。話を聞いてみると、周ノクチには鏡筒が「アルミ製(ブラックアルマイト)」「真鍮製(ブラック/シルバクロームー)」「チタン (チタン)」の3種・4種のラインナップがあり、展示してあるのは重量460gの「アルミ製(ブラックアルマイト)」とのことでした。
ブラックアルマイト (アルミ) | 349,200円(納期 2023年末〜2024年春) |
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ブラックペイント (真鍮) | 369,000円(納期 2023年末〜2024年春) |
シルバークローム (真鍮) | 369,000円(納期 2023年末〜2024年春) |
チタン (チタン鏡筒) | 405,000円(納期 2024年春以降) |
覗くな、キケン!?
覗いてみました。「ヤバいです」。
大口径で前玉大きいレンズ大好きな私は、F0.95(TTArtisan)やF1.2(ZUIKO、CANON)のレンズを何本か取り揃えているのですが、同じF1.2はもちろん、F0.95のレンズよりも強烈なインパクトです。
ボケっぷりが違うというか、強いのです。(抽象的な表現ですいません)。
すごく個性を、しかも強烈な個性を主張してくるレンズです。
ホント、覗くとヤバいです。。。。
実は、、、、
下記に書いてあるように「ポチ」ってしまいました。届きましたら、他の大口径レンズと撮り比べてみましょうかね。。。
《初日の試し撮り》
覗いているときの興奮とは裏腹に。。。現地でパシャパシャしてきた写真は・・その感動の1割、、いや1%も表現できていませんね。。。修業が足りません。。もう一度行ってこようかなぁ。。
《2回目の試し撮り》リベンジ!試し撮り
前回、試させていただいた際のテスト写真は、ちょっとダメダメでしたので、再度「第3回上野クラシックカメラ博」の焦点工房さんのブースにお邪魔して「周ノクチ」を、もう一度試し撮りさせていただきました!
《Leicaでの試し撮り》
焦点工房さんのブースで、我が愛機α7Ⅳに「周ノクチ」(試作品と記載されている筺体)を装着してテストショットを撮っていると、焦点工房の社員さんから「Leicaでは撮影しないんですか?」という質問をいただきました。
私は「流石にライカ本体までは(お金)が無理です。。」てなことを言っていると「覗いていきますか?」との話を頂きましたので、喜んでM型ライカ「Leica M-P (Typ 240)」をお借りして「周ノクチ」試してみました。
あー、なるほど。。確かにα7Ⅳとは少々写りが違いますね。デフォルトで設定されているカラー設定の違いかもしれませんが流石ライカですね!!
露出はα7と同様にAuto設定なんですが出てくる色が全然違いますね!(α7で同様の設定が出来ないか調べてみよう。。※α7はSTモード(スタンダードモード)で撮影。
※実は初M型ライカ・・・なもので、コツが掴めてなくてすいません。
周ノクチの理解を深める:これはスーパーノクチだ!!
この周ノクチ、実はちょっと秘密があるそうです。本家の1966年製「ライカ ノクティルックスM f1.2/50mm」よりも、中心部の解像度を上げる改良がなされているとのことです。このあたりの話は、「EdSchwartzreich」さんのテスト機のレビュー(LLL 50mm f/1.2 review: The march of the Nocticlones)に素敵な実写サンプルと共に詳しく記載されているので一読をお勧めします(英語のサイトですが、Google翻訳でいい感じで読めました)。
この改良により、解放からピントの山が掴めるレンズになったそうです。
なるほど。昔の大口径レンズって解放の性能がホントに弱くて、、1~2段絞ったあたりからが実用範囲だったんですよね。オリジナルノクチを現代に復刻するということは、こういうこと(改良)も出来るんですね。※因みに、本家ライカによる復刻版のレビュー記事はこちら。⇒ KASHAPA for LEICA:LEICA NOCTILUX M 50mm F1.2 ASPH.
《周ノクチのレビュー:下記のサイト(写真クリック)などに素敵な作例がいっぱいありましたよ!》
下記は、いち早く周ノクチがデリバリーされた「@ma2woker」さんの作例。このボケ具合が良いですね~。ボケ方が濃厚ですね~。
プロカメラマンの方などから次々とデリバリー報告が出始めましたね。これから素敵な作例がいっぱい出てくるのが楽しみです。因みに、私はいまだに到着メールも何も届きませんね。。。。。
《参考》TTArtisan 50mm f0.95 との比較
実は私、、、明るい大口径レンズは何本か所有しているのですが、今回は「比較用」に、TTArtisan 50mm f0.95 のレンズを持ち出してみました。※このレンズは「ノクティルックス」のf0.95 である最新モデルを参考に作られているとの噂ですよ。
このレンズは、楽しくって撮りまくったレンズなので、個人的にはとっても扱いやすいです。
購入方法(ポチる)
現在は「LIGHT LENS LAB」の正規代理店である焦点工房さんの通販サイト「焦点工房オンライン」で予約販売中です。下記のURLからぜひどうぞ!(Amazon 払い も利用できますよ)。
予約するには、①予約金の5万円を払い込みます。②すると自分の順番のレンズが到着すると連絡が入るので、③その後入金するとレンズが送られてくるというシステムです。
[購入(予約)ページ:LIGHT LENS LAB M NOCTILUCENT 50mm f/1.2 ASPH. 【予約販売】]
デリバリー予定について
デリバリーはアルミと真鍮モデルが年末から来春くらいとなっていますが、焦点工房の方にお伺いしたところ、年内は厳しそうとのことでした。
なにせ72時間かけて磨くというレンズの歩留まりが悪く製造が読めないとのことです。急かして品質が悪くなるのを避けるために、届くのをじっと待っているとのこと。
※各モデル30本の発注をかけて了承してもらっているけど、実際にいつ何本入ってくるかは未定らしいです。
ポチる、ポチれば、ポチれよ。。。とささやく声。
「覗くな、キケン」です。
はい。ポチってしまいました。これから、金策の為に何本かレンズを売却しようと思います。。。。。
レンズが届くまでは周辺情報を、届いてからは実際のレビューを追加していきますね。。
[購入(予約)ページ:LIGHT LENS LAB M NOCTILUCENT 50mm f/1.2 ASPH. 【予約販売】]
マウント変換アダプター
この「周ノクチ」に興味を持つ方は、M型ライカユーザーの方が多いと思います。もちろんM型ライカをお持ちの方はそのまま直付けで利用できます(距離計も連動)。
しかし、私のようにM型沼を遠目に見つつ我慢している&SONY αでオールドレンズを利用している方は「周ノクチ」を利用するには、マウント変換アダプターが利用できます。
嬉しいことに「周ノクチ」のアルミ鏡胴モデルは重量が460gとのことですので、Techart製などの「電子マウントアダプター」が利用できます!!MF(マニュアルフォーカス)レンズである「周ノクチ」をAF(オートフォーカス)化して利用することができます。そうなんです。この周ノクチをAFで利用できちゃうのです!
※電子マウントアダプターのTechartでは、AFか出来るレンズの推奨重量が500gとなっています。これよりも重いレンズでも動くのですが、寿命が短くなる可能性が大です。
マウント変換アダプターやAF化については、下記の「マウント変換アダプター」「電子マウントアダプター」の段落をご覧ください!
因みに、、この「周ノクチ」のように ” 特にピントの山が薄いレンズ ” に関しては、Fotodiox :LM-SNE-PRN II がお勧めです。理由は電子マントアダプターのAFを利用しながら、最後の微調整を手動で行うための切り替えスイッチが利用できるからです。
電子マウントアダプターは、 ” 特にピントの山が薄いレンズ ” では、ピントが合ったと表示されていても少し甘めになることが多いので、最後の微調整にボタン一つで切り替えられるFotodiox :LM-SNE-PRN II が使いやすいのです。
周さんのレンズ(レビュー記事)
私が持ってる周さんのレンズレビューも是非ご覧ください。
今回のレンズ情報
メーカー | LIGHT LENS LAB(ライトレンズラボ) |
名称/ブランド名 | M NOCTILUCENT 50mm f/1.2 ASPH. |
フォーカス | MF(マニュアルフォーカス) |
焦点距離 | 50㎜(35mm判換算) |
センサーサイズ | フルサイズに対応 |
レンズ | 4群6枚(ダブルガウスタイプ) |
絞り | F1.2-F16 |
絞り羽 | 15枚 |
フィルター径 | 49mm |
重さ | 460g(アルミモデル) |
最短撮影距 | 1m |
マウント | ライカMマウント |
製造国 | 中国 |
生産時期 | 2023年 |
相場 | (予約)50,000円が予約金 |
特技/特記 | 付属品:フード、UVフィルター、減光フィルター(ND4)、レンズポーチ、フロント/リアキャップ |
備考 | 焦点工房オンラインからの予約注文 |
参考になるページ
焦点工房オンライン:LIGHT LENS LAB M NOCTILUCENT 50mm f/1.2 ASPH. 【予約販売】
Light Lens Lab:Light Lens Lab 50mm f/1.2 “1966” Reviews / Product Update
macfilos:LLL 50mm f/1.2 review: The march of the Nocticlones
KASHAPA for LEICA:LEICA NOCTILUX M 50mm F1.2 ASPH.
PHOTO YODOBASHI:LEICA Noctilux-M f1.2/50mm ASPH.
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