今回ご紹介するのは、Viltroxという中国のレンズメーカーが発売している”フルフレーム&AF対応のパンケーキレンズ”です。実はAF&フルフレーム対応のパンケーキレンズは選択肢が少ないカテゴリです。そこに颯爽と登場した「Viltrox AF 28mm F4.5 AIR」というパンケーキレンズの魅力は、その圧倒的なコンパクト性と味のある写りです。ということで、今回はこの極薄AFパンケーキレンズ(しかもフルサイズ!)の魅力をガッツリ見ていきたいと思います。実は、先日Nikon-Zマウント用が追加投入されて再び話題となっています。
※このレビューは「VILTROX」の日本総代理店である「映像嵐株式会社」さんから、レビュー用に貸し出していただいたレンズを使わせて頂き書いています。いつもありがとうございます!! 貸出しに当たっては、レビューに内容に関する指示などは一切ありませんので、いつものように、このレンズをガッツリ楽しみながらレビューを書かせていただきました。
最初に・・パンケーキレンズって何だろう?
パンケーキレンズとは?
最初に、今回紹介するレンズの属する「パンケーキレンズ」についてのスタディです。パンケーキレンズは、薄くて軽量なレンズの総称で、その薄い形状がパンケーキに似ていることからこの名前で呼ばれているそうです。従来のレンズと比べて薄く設計されており、カメラ本体に装着した際にレンズが出っ張らず、しかも軽いので携帯性がグンと良くなります。

主に単焦点レンズで採用され、広角域である24mm〜28mmから40㎜くらいのものが多いようです。薄くするために光学的に無理もあるようで、画質面では通常のレンズの方が良いものが多い模様です。とはいえ、小さい、軽いという最大の特徴を活かして、普段はボディキャップ代わりにパンケーキレンズを付けておいたり、常に鞄に入れて持ち歩く等、手軽に持ち歩き撮影できるレンズとして人気が高かったりします。あ、あと似てるものに「ピンホールレンズ」ってものもあります。
パンフォーカスについて
パンケーキレンズとセットで出てくる言葉に「パンフォーカス」があります。ということでサクッと「パンフォーカス」について簡単にご説明です。
パンフォーカス(パンフォーカス撮影)は、風景写真まどでよく使われる手法で、写真の前景から背景まで全てを鮮明に描写したい場合に用いられる撮影方法。(手前から奥まで全体にピントが合うよう写したい場合)「パン」は「全て」を意味し、画面全体が鮮明に写ることを目指します。
具体的には、絞りを小さく(F値を大きく)設定して被写界深度を深くして撮影します。一般的にF8からF16程度の絞り値が目安で、広角レンズで撮影するのがおススメです(パンケーキレンズ専用の言葉ではないのでご注意を!)。
※ザクっと超乱暴に説明しましたが、奥が深いので、気になる方は是非下記サイトをご覧ください!
カメラのキタムラ:風景写真撮影テクニック ~パンフォーカス編~|齋藤朱門
Viltroxというメーカーについて
今回ご紹介するのは、最近勢いがあるViltrox(ビルトロックス)という中国のレンズメーカーの、AF&フルフレーム(フルサイズ)対応のパンケーキレンズです。
このViltroxは近年急速に注目を集めている中国発の光学機器メーカーで、2014年の設立以来、マウントアダプターから始まり、現在ではレンズ、フラッシュ、モニターまで幅広い製品を手がけており、歴史はまだまだ浅いものの、その技術力には目を見張るものがあり、特に高いコストパフォーマンスと、攻めのオートフォーカス性能で大注目です!とにかくホットで勢いのあるメーカーさんです。

Viltrox AF28mm F4.5 AIRについて
Viltrox AF28mm F4.5 AIRは、下記のLinkのように、現在「SONY Eマウント」「Nikon Zマウント」「Fujifilm Xマウント(APS-C)」の3種類がラインナップされており、今回は「SONY Eマウント」版を用いたレビューとなります。






開封の儀
最初は、お約束の開封の儀からいってみます。コンパクトな箱を開けて、レンズとご対面です。いやああ~、ほんとに、小さくて軽いですね~!!!!しかもフルフレームのAF対応ですよ!!




早速、我が愛機「α7ⅳ」に装着です。グリップの出っ張りよりも薄い!ビックリのサイズです。なんだかα7がとっても小さく軽く感じます。重量も驚きの60g!ですので、このレンズがあれば普段持ち用の「サブカメラ不要かもしれない!」と感じちゃうくらいの衝撃です!!


貴重なAF&フルサイズ対応のパンケーキレンズ!
このレンズの特徴は、下①「フルフレーム(フルサイズ)」対応で、②「AF対応」の、③パンケーキレンズ です。開閉式のレンズカバー内蔵で、なんとこんな薄いのに「6群6枚/非球面レンズ2枚&EDレンズ2枚使用」というゴージャスなレンズ構成です。凄いですね。
<豆知識>
「EDレンズ」とは、色収差(色にじみ)を低減するために用いられる特殊なレンズのことです。EDレンズは、通常の光学ガラスに比べて分散率(屈折率の変化)が小さく、色収差を抑制する効果があります。
「非球面レンズ」とは、虫めがねのような球面レンズ状のレンズでも、平らなレンズでもなく、特殊な曲面を持つレンズのことです。この非球面レンズを使うことで、収差が少なくなるのが特長です。※CANON公式サイトから引用
パンケーキレンズは多くのメーカーから出ているんですが、実はこの①②③の条件を満たすものって少ないのです。多くはAPS-Cだったり、MF(マニュアルフォーカス)だったりして、この条件に合致するものは貴重なのです。
レンズの全長は15.3mm、カメラ本体に装着すると出っ張り部分は1cmくらいでしょうか。めっちゃ薄いです。重さは60gですので、全く重さを感じません。このレンズは実際に使ってみると、薄い!軽い!楽しい!っていう3拍子揃った優れものでした。こういうレンズに出会えると、なんだか嬉しい気分になれますよね。

因みに、このレンズはソニーα用のEマウント対応品が2024年10月に発売され、その後Xマウント用、そして最近Nikon-Zマウント用が発売されました。順調に勢力拡大中ですね!詳細は下記にメーカーさんのサイトの説明分を引用させていただいたので、そちらをご確認ください。さらなる情報はLinkクリックしてViltroxさんのサイトにてご確認ください。
《l公式サイトによる説明》
AF 28mm F4.5 AIR は、Viltroxの中で最も軽量かつ薄型のレンズ。ソニーのフルサイズカメラと組み合わせても軽快で、携帯性に優れています。コンパクトな鏡筒設計ながら、優れた描写性能を実現。オートフォーカスも高効率で正確です。滑らかなレンズデザインは、クラシックとモダンが融合した美しい仕上がりです。28mmはスナップ撮影に適した焦点距離で、写真家に多彩な創作の可能性を提供します。VLOGCAMとの組み合わせで、さらに軽快なVlog制作体験を提供します。


写りを見てみよう
このレンズ、実は良い味の写りなんです!! パンケーキレンズなのでフレアー出まくり、レンズに光が回りまくり、なんて、現代の高級レンズと真逆の写りが楽しめます。個人的には大好物です。
朝の新宿がカッコ気持ち良い



うまく使えば、きれいなボケっぷりも
このパンケーキレンズは、F4.5と暗くて、ボケにくいレンズなのですが、うまく撮ればボケもがっつりと楽しめましたよ!! あと、このレンズをレビューされている諸先輩方も語られているのですが「フィルムで撮ったような」写りを堪能できます。
特にα7ⅳですと「クリエイティブルックのFL」モードがまるでフィルムのような写りでお気に入りです。



バスの中でも良い感じに。



夜の新宿駅近辺
夜の街撮りも最高かよ!って感じです。ゴースト&フレアーもバンバン出まくりますので、うまく入れ込んでストリートスナップ感の要素にしちゃえ~って感じですね!!





競合製品と比較しておこう。。
Viltrox AF28mm F4.5 AIR(当レンズ)
今回紹介しているViltrox製のAFレンズ。35mmフルサイズ、60g!!


7Artisans 35mm F5.6
7Artisans(七工匠)、35mmフルサイズ、155g、MFのレンズ。


7artisans 18mm F5.6
7Artisans(七工匠)の焦点距離18㎜の超広角レンズ、35mmフルサイズ、146g、MFのレンズ。


SG-image 24mm F6.3
最近できた新しいメーカーであるSG-Imageのパンケーキ。APS-Cが出て、直ぐにフルサイズ対応のモノが出てきた!焦点距離24mm、35mmフルサイズ、F6.3固定、約74g!、MFレンズ。


SONY FE 24mm F2.8 G
最後にSONY純正のGレンズです。SONY純正はパンケーキレンズ出てないみたいですね。一番コンパクトなフルサイズの広角レンズがこちら。Gレンズですのでお値段もぐっと上がります。


今回のレンズ情報
メーカー | VILTROX(ビルトロックス) |
名称/ブランド名 | AF28mm F4.5 AIR |
フォーカス | AF(オートフォーカス) |
焦点距離 | 28㎜(35mm判換算) |
センサーサイズ | 35mmフルサイズ |
レンズ | 6群6枚 |
絞り | F4.5固定絞り |
絞り羽 | 枚 |
フィルター径 | – mm |
重さ | 60g(Eマウント) |
最短撮影距 | 0.32m |
マウント | ソニー Eマウント/ FUJI-Xマウント/Nikon-Zマウント |
メーカーの所在地 | 中国 |
発売時期 | 2024年10月(Eマウント) 2025年4月(Xマウント) 2025年5月(Zマウント) |
相場 | ¥17,100円(税込) ※2025年6月時点 ※Eマウント/Viltroxオンラインストア |
特技/特記 | |
備考 |


参考情報
このレンズのレビューは、Blog形式よりもYouTube動画の方が多い感じですね。独特の写りを「フルサイズGR3Ⅲになる・・」「フィルムライクな映像」「フィルムカメラみたいなレトロな写り」とタイトルで紹介されていますね。
borichan | 旅するカメラ:VILTROX AF 28mm F4.5 Chip
とるなら:VILTROX AF 28mm F4.5 レンズレビュー 完全版
大きな家にひとりぐらし:【レビュー】最軽量・超コンパクトで魅力的なポテトチップレンズ「VILTROX AF 28mm F4.5 FE」
sakana vlog(YouTube):α7ciiがまるでフルサイズGRIIIになるViltrox 28mm F4.5 FEレビュー!
Gami films | サカガミ カズキ(YouTube):1万円台の極薄レンズでフィルムライクな映像が撮れるって知ってた?【レビュー】Viltrox AF 28mm F4.5 FE
Hiron:Viltrox AF 28mm F4.5 FE フィルムカメラみたいなレトロな写り。60gのオートフォーカス・パンケーキレンズ
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