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山崎ズマールの衝撃!Leica Summar 50㎜ f2(ズマール 山崎磨き)|レビュー&作例

オールドレンズ
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Leica Summar(ズマール) 50㎜ f2 ってどんなレンズ?

今回ご紹介するのは、ライカのレンズの中でも「超・癖玉」として人気の「Summar(ズマール) 50㎜ f2 」です。このレンズは1933年から1940年まで製造された、なんと90年くらい前のレンズです。

時代的には1939年 – 1945年の第2次世界大戦の前から戦中に製造されたレンズということになりますね。Summar(ズマール)のF値であるF2は当時としては大口径のハイスピードレンズという位置づけで、その後にズミターLやズミクロンという銘レンズが登場することになります。

このレンズは前玉のガラスが柔らかい素材でできているようで、現在入手できる多くのSummar(ズマール)は、表面が拭き傷などで曇った状態のものである為に、その曇った写りを「やわらかで雰囲気のある描写」というように言われてたりします。また、OLDLensの美味しい!?特性である「収差」もド派手で「ぐるぐるボケ」「円環ゴースト」「虹ゴースト」も出し放題です。

ということで、曇ったズマールは比較的(リーズナブルに)入手しやすいですが、クリアな個体は貴重で高価な、特定の層に大人気のレンズです。

今回入手した個体も、最初は超曇り玉でしたが、これから説明する「山崎磨き」により、下記の写真のようにキッラキラのクリアーな「山崎ズマール」に生まれ変わりました。

Summar(ズマール)との出会い

実は、Summar(ズマール)については、今までに何度か”気になる”タイミングがありました。

1番目が、私をレンズ沼に導いてくれた「沼の住人X氏」から「山崎ズマール」の魅力をよく聞かされていたことです。その時はズマールってレンズの事も良く知りませんでしたし、オールドレンズ沼にもはまっていませんでしたので、それほど欲しい気持ちが強かった訳ではありませんでした。

2番目がオールドレンズ沼の有名人!?kujisanの記事でSummar(ズマール)との出会いについて書かれている記事を読んだ時です。この記事を読んだときも、まあ、そういう世界もあるんだなあ~、って感じでした。

でも、オールドレンズ沼にハマるほど、ズマール、しかも山崎ズマールへの興味が高まっていったのです。しかし、ズマール買って山崎磨きをお願いすると・・・そこそこ良いお値段になりますので、なかなか手が出せませんでした。

そんな中「山崎ズミクロン」との偶然の出会いで山崎磨きの魅力にヤラレました。そして、きっとその時から「山崎ズマール」へのカウントダウンが始まっていたのかもしれません。。

出会いは偶然に!「大バルナック祭り」へGO!

先日、バルナックライカのレビュー記事を2本と、小西六のヘキサーというレンズのレビューを書きました。これらのカメラやレンズは、もと中古カメラ屋の店主(コレクターでもあるらしい)が終活の一環として、東京・多摩市の「立川諏訪神社」境内で毎月行われる「多摩骨董市」の一角で開催する「大バルナック祭り」と称するコレクションの大放出(即売会)会で譲り受けたものです。

その「大バルナック祭り」で、バルナックライカと一緒に購入させていただいたのが、今回の Summar(ズマール)。曇り玉ということで、とてもお安く譲っていただくことが出来ました。感謝です。

1983年製 Summar(ズマール)をこの手に

今回我が家にやって来た Summar(ズマール)は何年物でしょうか?

いつものように、ライカファンの先人達が提供してくれている「シリアル番号リスト」を確認です。※Leica(ライカ)のレンズやカメラはシリアル番号から製造年が分かる一覧表がWeb上に何個も公開されているのです。

調べてみると、、、なんと1938年製と判明しました! 今が2024年ですので、なんと86年前のレンズですね。今までどんな方の手に渡り、どのような写真を撮ってきたレンズでしょう。ようこそ我が家に!って感じです。

ライカイムズ:ライカレンズのシリアル番号(製造番号)リストより引用

でも、まあ、86年前のレンズです。しかも曇り玉です。やはり山崎磨きで山崎ズマールに生まれ変わってもらいましょう。。

いざ、山崎磨きへ!

ズマールといえば、人気の “山崎磨き” !

今や「山崎ズマール」って名前が流通するほど有名な「山崎磨き」とは、新宿にある「山崎光学写真レンズ研究所」にいらっしゃるレンズ磨き名人の山崎さんに、曇ったりカビ生えたり、キズのあるレンズを磨いてもらって(レンズの研磨)、ピッカピカのレンズに再生してもらうことです。※ざっくり説明ですいません!

レンズを磨く(研磨する)ということに対しては賛否両論あるようですが、山崎さんのところでは、性能を損なわない誤差範囲の厚みを研磨し、コーティングもしてくれますので、曇ったりして本来の性能が発揮できないレンズならば、私は再生してもらうのはアリだと思う派です。

※否定派の人を否定するつもりはありませんのでご了承くださいね。

依頼方法について

「山崎光学写真レンズ研究所」に山崎磨きをお願いするには、

①電話して、レンズの名前と症状を伝えます。②山崎さんから、対応可能なレンズかどうか教えてもらえます(因みに、Rズミルックスは、レンズがバラせない為に不可でした)、⓷続いて、どのようなカメラで撮影するのかの質問があります(デジタル一眼かフィルムか)。④最後に、どのような作業を希望するのか質問があります(コーティングの有無も)。

私は「レンズ本体の素敵な写りをお願いします」とお伝えしました。あと、コーティングの有無について質問がありますので、他の方々と同様に「有り」でお願いしました。

そして、レンズをお預けや引き取りの方法ですが、①郵送、②直接訪問する の2種類の方法から選択できます。私はせっかくの機会ですので直接訪問してお願いすることにしました。

山崎光学写真レンズ研究所へ行ってみた

ということで、山崎さんにTELして「山崎光学写真レンズ研究所」にズマールを持って訪問です。

山崎さんに、今回のズマールを見て頂くと「これはとても良いレンズに生まれ変わりますよ」とのこと。ライカのレンズはレンズが良いので、古いレンズでも磨けばビックリするくらい良い写りになるそうです。※中には磨いても直ぐ曇ってしまうレンズもあるそうです。

※レンズを確認頂い時に、お値段についてもご提示があります。

せっかくですので、山崎さんと工房内の写真も撮らせていただきました(SNSやBlogで紹介させていただくことも快諾頂きました。ありがとうございます!)。

工房内には、レンズの種類分だけの「型」があるそうで、見せて頂くと素敵なレンズの名前が書かれたものがいっぱいありました。

「山崎ズマール」完成までは2~3か月で、完成したらお電話を頂けるとのことです。

山崎光学写真レンズ研究所

〒169-0074 東京都新宿区北新宿4丁目4−9
TEL:03-3362-1809 ※最初に防犯電話のアナウンスあり

衝撃の”山崎ズマール”

山崎ズマールを受け取りに行ってきた

お約束頂いた約3か月後のこと、山崎さんから「出来ました」と電話がかかってきたので、早速、受け取りに行ってきました。Googleマップの案内に従うと、この門にたどり着きます。※正式には逆サイドが正面で呼び鈴を押して到着を告げます。

この扉を開けると右側はご自宅、奥に「山崎光学写真レンズ研究所」があります。

山崎さんにご挨拶すると、磨きあがった「ズマール」を「ぜひ試してください」と渡されます。「山崎光学写真レンズ研究所」の庭で色々とテストショットをさせて頂きき、あまりの写りの良さと瑞々しさにビックリします。

めちゃめちゃ解像するし、透明感のある鮮やかな発色!!! しかもf2とは思えないほどのボケっぷりに、ズマールのレンズ特性が出てくる収差の数々!!!

ほんと、スゴイです。

では、Before&Afterで比較してみますね。

Before

入手時のズマールの様子を当時の写真で見てみると、レンズの表面は拭き傷や曇りがいっぱい。

ミラーレス一眼(α7Ⅳ)に装着してテスト撮りをしてみると、、超晴天の真昼間であるのにも関わらず、霧がかかったような写りとなっていしまいました。

After

山崎磨きによって復活というか、生まれ変わったズマール。これが86年前のレンズの写りなのか!??とビックリするくらいよく解像し、しかも瑞々しい写りとなった。しかも、ズマールの特徴である収差のオンパレード状態はキープしたままで、である。

写りを見てみよう(実写レビュー/作例)

山崎ズマールの写りを色々試してみたのでご紹介です。まずはミラーレス一眼に装着したときの写りを、私の愛機α7Ⅳで撮影した写真でご覧ください。

瑞々しく、激しい沓座を味わう

瑞々しい写りに蘇ったズマールでは、ズマールの特徴である収差を思いっきり堪能できます。

「山崎光学写真レンズ研究所」の近くのカフェにて。コーヒーがとてもおいしいお店でした。

夕方の水道橋駅周辺の景色。光の捉え方、線の描写がビシっと決まる。流石ライカのレンズだ。

天気の良い昼間に解放で。大口径のオールドレンズみたいな写りをする

山崎ズマールは夜も素敵だ

マウント変換アダプターについて

ミラーレス一眼(SONYのαシリーズ)で使う方法について記載していきます。

今回の Summar(ズマール)は、ライカL39マウント(スクリュー)と呼ばれる、カメラ本体にクルクルと回して装着するねじ込み式のマウントです。

電子マウントアダプターを利用すると、AFレンズとして利用することも出来ますので(瞳検出AFも使える!)、ぜひ試してみてください。

詳細は下記をご覧くださいませ。

バルナックやM型ライカにもつけてみよう

せっかくなので、バルナックライカや、M型ライカにも装着してみました。おー!カッコ良いですね!!!

バルナックライカはL39 マウントですので、レンズがそのまま装着できます。しかし、Leica M4 のように、ライカMマウントを搭載しているカメラでは「ライカL39マウント」から「ライカM」マウントのカメラに装着できるように、マウント変換アダプター経由でM型ライカに装着する必要があります。

バルナックライカ&M4での写りについては、後日!

※M4などのM型ライカは、焦点距離によってファインダー内に表示されるのフレームの大きさが自動的に変わるように設計されていえるので(M3は別)、 マウント変換アダプターを購入する際は焦点距離にも要注意ですよ。※安いのは35-135㎜とざっくりしたものが多いので、ファインダー内のフレームは手動で切り替えましょう。

欲しいアクセサリー等

保護フィルター(非純正)

ズマールは前玉のガラスが柔らかくキズが付きやすいらしいです。ですので、まずは保護フィルターが必須ですよね(アンチフィルター派の方はスルーしてください)。

レンズ保護フィルターはLeica純正が欲しいところですが1万円クラスの高価なものになっちゃいますので、私は国産で良いです。

国産のものですと、MARUMI(マルミ)さんののがあれば良いのですが、廃番商品のようですので流通在庫があればGETです。※今回GETしたズマールには購入時からMARUMIさんのUVフィルターが付いていました。とてもラッキーです。

MARUMIさんのフィルターには、単なる「保護フィルター」と「UVフィルター」がありますので、ノンコートのズマールの方は「保護フィルター」の方が良いでしょうか。

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レンズキャップ(非純正)

レンズキャップも揃えちゃいましょうか。純正はとても高価なので私・・・非純正で良いです。ELMAR用に買ったブラックのものが使えているので、これでいけるはずです。 なんちゃってライカキャップ気分です。

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レンズフード(非純正)

ズマールというレンズは、、、ちょっと油断すると、フレアー&ゴーストがバンバン出てきちゃうレンズです。ということで、ちょっと落ち着いて撮影!?したいときはレンズフードが欲しいところです。ということで、このあたりをゲットしようかと考えています。

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私は価格で選んで「Haoge」のシルバーをゲットしてしまいましたが、ブラックのフード付けてもカッコ良いですよね!きっと。

今回のレンズ情報

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メーカーLeica
名称/ブランド名Summar 5cm F2.0
フォーカスMF
焦点距離50㎜(35mm判換算)
センサーサイズフルサイズに対応
 レンズ4群6枚(FLD2枚、SLD2枚、非球面 レンズ3枚)
絞りf2~22
絞り羽10枚(6角絞り)
フィルター径φ36mm
重さ180g 
最短撮影距1m
マウントL39マウント(スクリュー)
製造国ドイツ
生産時期1933-1940年
相場40,000円~10,0000円(Used)※程度による
特技/特記癖玉で有名。
備考曇り玉が多く、霧の世界のような柔らかな描写が特徴ともいわれる。
山崎磨きを施された「山崎ズマール」も人気。

参考になるページ

ライカレンズのシリアルナンバーから製造年を調べる

ライカイムズ:ライカレンズのシリアル番号(製造番号)リスト

ライカを買おう:ライカレンズ シリアルナンバーリスト

ズマール/山崎ズマール

THE MAP TIMES:【オールドレンズの沼地】Leica 山崎ズマールの実力

mediajoy:第十三回「コーティングありとなしのズマール5cmF2」

amedia-online:ついに山崎ズマールになって完全覚醒をした話

アトリエライカ:Summar 50mm f2.0レビュー

カメラ修理屋の気まぐれBLOG:ズマールの絞り羽根

山崎磨き

アトリエライカ:ライカレンズは研磨で性能は変わる?山崎光学写真レンズ研究所へ行ってきた

会社員とカメラ:山崎光学写真レンズ研究所(前編)(後編)(こぼれ話)

CAMERA fan:銀塩手帖_レンズを蘇らせる技〜山崎光学写真レンズ研究所〜

無一居:レンズを研磨する山崎光学写真レンズ研究所

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