フィルム写真の世界に足を踏み入れたい…どうせなら、プロ仕様のフラッグシップと呼ばれる「名機」で始めてみたい。 そんな風に考えたことがあるあなたに、今回ご紹介したい一台があります。
それが、Nikonが1988年に世に送り出したプロフェッショナル向けAFフィルム一眼レフカメラ「Nikon F4」です!📸✨
今回は、私が実際にNikon F4を購入して感じた感想を、新宿で撮影した作例と共にお届けします!
Nikon F4の主な特徴
まずは、この伝説的なカメラの簡単なプロフィールから見ていきましょう。
- カメラ名: Nikon F4 (1988年発売)
- 特徴:
- Nikonのプロ向けフラッグシップ機「F一桁」シリーズ初の本格的AF搭載モデル。
- 世界で初めて多分割測光(マルチパターン測光)を搭載し、露出の精度が飛躍的に向上。
- イタリアの工業デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロによる特徴的なデザイン。
- 圧倒的な堅牢性と信頼性を誇るプロ仕様のボディ。
スペックだけ見てもワクワクしてきませんか?まさに「戦うカメラ」という風格が漂っていますよね。
外観デザインと操作性
見てください、この存在感。 手に取った瞬間に伝わる、ひんやりとした金属の感触とずっしりとした重み。これがプロの道具か…と、思わず背筋が伸びるような感覚です。※実際はあまりの重さに背が縮みそうなんですが ^^;)


グリップは深く、大きな手でもしっかりとホールディングできます。 ボディ上部に配置されたアナログなダイヤル類は、一つ一つのクリック感が心地よく、「自分でカメラを操っている」という実感を与えてくれます。
決してコンパクトとは言えませんが、この無骨で機能美あふれるデザインは、所有しているだけで満足感を満たしてくれる魅力に溢れています👍
画質と写りの特徴【作例多数】
フィルムカメラなので、写りは使うフィルムとレンズに大きく左右されます。普段のフィルム撮影はAE機能が付いていない、露出計が内臓されていないMFのカメラばかり使っていたので、絞り優先&AFのカメラでフィルム撮影をすると、サクサクとテンポよく撮影出来て、気が付けば”あっというま”にフィルム1本の撮影が終わってしまいます。楽しくも恐ろしい!?体験です。
今回はテストを兼ねて、新宿でスナップ撮影をしてきました。まずは晴れた日の新宿三丁目。フィルムはフジカラー100です。




次はKODAK GOLD 200 での撮影です。この日は少し曇りがちな日でしたが、いい感じで写っていますね。絞りはF3.5(開票)で絞り優先AEです。





Nikon F4を実際に使って感じた3+αのメリット
さて、ここからは僕がNikon F4を実際に使って「これは最高だ!」と感じたポイントを熱く語らせてください!
1. オートもマニュアルも楽しめる!懐の深い操作性
これがF4最大の魅力かもしれません。 フィルムカメラ初心者にとっては、ピント合わせ(AF)と露出(AE)をカメラに任せて、構図だけに集中できるフルオート撮影が可能なのは非常に心強いです。
一方で、慣れてくればシャッタースピードも絞りも自分で決めるフルマニュアル撮影で、じっくりと一枚を創り上げる楽しみも味わえます。
フィルムカメラの醍醐味である「自分で撮る楽しさ」と、現代のカメラのような「失敗の少ない安心感」。その両方を一台で体験できるのが、Nikon F4のすごいところなんです!
2. プロが認めた「本物」の作り込みを味わえる
何度も言いますが、F4は当時のプロフォトグラファーのために作られたフラッグシップ機。その作り込みは、まさに圧巻の一言。
シャッターを切った時の「ガジュイーン!」という重厚なミラーショックとシャッター&モータードライブの音。連射してみると「ガジュイーン!ガジュイーン!ガジュイーン!ガジュイーン!」という音が響き渡りテンションアゲアゲになります。これは、今のデジタルカメラでは決して味わえない、機械を操作する喜びに満ちています。 ファインダーは驚くほど明るく見やすく、ピントの山も掴みやすい。
「ああ、自分は今、すごく良いカメラを使っているんだな」
撮影のたびに、そんな高揚感を与えてくれる。F4は単なる撮影機材ではなく、最高の相棒になってくれるカメラです。
3. 圧倒的なコストパフォーマンス!
そして、驚くべきがその中古価格です。 Nikonのフラッグシップ「F一桁」シリーズの中で、このF4は驚くほど安価に手に入れることができるんです!
人気のF3や後継機のF5やF6は今でも高値で取引されていますが、F4なら数万円で状態の良い個体を見つけることも難しくありません。 かつてプロが何十万円も出して手に入れたカメラを、この価格で体験できる。これはテンションあがりますよね!✨
+α: ファインダー交換で広がる撮影スタイル
もう一つ、マニアックだけど最高に楽しいポイントがこれ! F4は、Nikon Fシリーズの伝統であるファインダー交換に対応しているんです。
標準のアイレベルファインダー(DP-20)を取り外せば、なんと上から覗きこんで撮影できる「ウエストレベルファインダースタイル」に早変わり!これがちょっと嬉しいんです。 地面スレスレのローアングル撮影も、無理な姿勢をとらずに楽々こなせます。上から覗きこむ場合もAF対応なんでピント合わせも楽ちんですよ。

もちろん、F4専用のウエストレベルファインダー(DW-20)や、6倍のマグニファイングファインダー(DW-21)といったオプションも存在します。気分や用途に合わせて撮影スタイルを「換装」できるのは、ガジェット好きにはたまらない魅力ですよね!
あと、今回購入した個体はF4sで、バッテリーパックが装着されているタイプです。なんと単3電池6本仕様でさらに巨大に重くなるわけです。とはいえ単3電池だと電池切れの際にすぐに調達できて即撮影できるのは魅力です。


少し気になった点・デメリット
もちろん、良いことばかりではありません。正直に気になった点もお伝えしますね。
🤔 とにかく、でかくて重い! これは覚悟が必要です(笑)。標準的なレンズをつけただけで2kg近くになることも。一日中首から下げて歩くのは、なかなかの体力勝負です。この重さが「信頼感」でもあるのですが、軽快にスナップを楽しみたい人にはデメリットに感じるでしょう。
🤔 AFは「のんびり屋さん」 AF搭載とはいえ、それはあくまで黎明期のAFです。現代のデジタル一眼レフの爆速AFに慣れていると、「ジーッ…コーッ…」というモーター音と共にゆっくりとピントが合う様子に、最初は少し戸惑うかもしれません。 飛んでいる鳥や走っている子供を撮るのは、かなり難しいです。動体撮影には全く向いていないと割り切りましょう。
Nikon F4はこんな人におすすめ!
これまでの内容をまとめると、Nikon F4はこんな方にぜひ使ってみてほしいカメラです。
- おすすめな人
- 本格的なフィルム写真を始めてみたい方
- Nikonの歴史を築いた伝説的なフラッグシップ機を所有したい方
- じっくりと被写体と向き合う撮影スタイルが好きな方
- コストパフォーマンスを重視する方
- メカをカスタマイズするのが好きな方
- 逆におすすめしない人
- 軽くてコンパクトなカメラを求めている方
- スポーツや動物など、動きの速い被写体を撮影したい方
- 手軽にサクサクとスナップ撮影を楽しみたい方
【要チェック】Nikon F4を中古で探す際の注意点
F4は非常に魅力的なカメラですが、発売から30年以上が経過した電子カメラです。中古で購入する際には、いくつかチェックしておきたいポイントがあります。
- 最重要!液晶漏れのチェック F4の持病とも言えるのが、ファインダー内やボディ上面パネルの**液晶表示の滲みや黒ずみ(液晶漏れ)**です。表示が完全に見えないと操作に支障をきたすため、必ず確認しましょう。文字がはっきり、くっきり表示されている個体が理想です。
- プレビュー鳴きは大丈夫? レンズの絞り込みを確認するプレビューボタンを押した際に、「キーッ」という甲高い異音(通称:プレビュー鳴き)が発生することがあります。機構の油切れが原因ですが、これもよくある症状なのでチェックしておくと安心です。
- 電気系統と動作の確認 当然ですが、電池を入れて電源が入るか、シャッターが各速度で切れるか、AFが動作するかは基本中の基本。お店の人に許可をもらって、一通り動作確認させてもらいましょう。
- 外観とモルトの状態 ボディの大きなキズやアタリは避けたいところ。また、フィルム室のフタの縁にある黒いスポンジ(モルトプレーン)がボロボロになっていないかも確認しましょう。劣化していると光線漏れの原因になります。
可能であれば、ネットオークションよりも実際に手に取って状態を確認できる中古カメラ専門店での購入をおすすめします!
まとめ
Nikon F4は、重さやAFの遅さといった欠点はあるものの、それを補って余りある**「撮影する喜び」と「所有する満足感」**を与えてくれる、本当に素晴らしいカメラです。
オートの安心感とマニュアルの奥深さを両立し、プロの現場で鍛え上げられた堅牢なボディは、30年以上経った今でも絶対的な信頼感があります。
なにより、フィルムを通して被写体と向き合う時間は、何物にも代えがたい豊かな体験です。 Nikon F4は、あなたの撮影体験をきっと、もっと深く、楽しいものにしてくれる一台です。
気になった方は、ぜひ一度、その重厚なボディを手に取ってみてください。きっと、その魅力の虜になるはずですよ!
主な仕様(スペック表)
項目 | スペック |
型式 | モーター内蔵35mm一眼レフレックスAF・AEカメラ |
レンズマウント | ニコンFマウント |
シャッター | 電子制御式縦走り金属幕フォーカルプレーンシャッター |
シャッター速度 | 30秒~1/8000秒、バルブ |
測光方式 | マルチパターン測光、中央部重点測光、スポット測光 |
露出モード | P(プログラムオート)、S(シャッター優先オート)、A(絞り優先オート)、M(マニュアル) |
ファインダー視野率 | 約100% |
ファインダー倍率 | 約0.75倍(50mmレンズ使用時) |
使用電源 | 単3形電池×4本 (バッテリーパックMB-20使用時) |
大きさ (W×H×D) | 約169×139×77mm (MB-21装着のF4Sの場合) |
質量(重さ) | 約1,280g (MB-21装着のF4S、ボディのみ) |
発売時期 | 1988年9月 |
中古実勢価格 | 30,000円~60,000円程度 (※2025年8月現在。F4Sボディ、良品~美品の場合の目安) |
※上記は代表的な仕様です。バッテリーパックの種類(MB-20, MB-21, MB-22, MB-23)によって連写速度、電源、大きさが異なります。
あわせて読みたい|Nikon F4 参考記事5選
僕以外にも、Nikon F4を愛用している方の素晴らしいレビュー記事があります。より多角的にF4の魅力を知るために、ぜひこちらの記事も読んでみてください!
- 「ちゅかめ!」さん のレビュー記事「人気が無く格安、だが最高のフィルム一眼レフ」というタイトルが、まさにF4の本質を突いていて素晴らしいです。F4のメカメカしい魅力や、非Aiレンズを装着した際の写真など、愛情あふれる視点で詳細にレビューされています。プレビュー鳴きの修理に挑戦されているのも参考になりますよ。
Nikon F4レビュー 人気が無く格安、だが最高のフィルム一眼レフ – ちゅかめ! - 「BORN SURE blog」さん のレビュー記事F4のデザイン性の高さにフォーカスしつつ、写真機としての絶対的な信頼感を語られている記事です。「動きもの以外にはAFも十分使え、露出も正確。」という一文は、まさにその通りだと頷いてしまいました。美しい製品写真と共に、F4との付き合い方がわかる素敵なレビューです。
フィルムカメラレビュー。「Nikon F4」 – BORN SURE blog - 「かえるカメラ」さん のレビュー記事こちらはF4の基本的な性能を、実際の作例を交えながら非常に分かりやすく解説してくれています。「AF性能は正直期待していなかったけど、実際に使ってみると速い!」というポジティブな驚きは、これからF4を手に取る人の背中を押してくれるはず。F4入門として最適な記事の一つです。
ニコンのフィルムカメラ「Nikon F4」購入!フラッグシップモデルの実力は?実機、作例付きレビュー – かえるカメラ - 「近江寫眞機店」さん のレビュー記事F3やF5といった他のF一桁機との比較を交えながら、F4の立ち位置と魅力を語られています。「ややキレのないシャッターフィールがダルな90年代を感じれて良い」という表現がユニークで最高です!装備換装で進化できるF4の”男の子ごころをくすぐる”側面にも触れられていて、読み応えがあります。
Nikon F4 Review – 近江寫眞機店 - 「35mmc」さん のレビュー記事(英語)少し趣向を変えて、海外の著名なカメラレビューサイトの記事です。「A Design Revolution(デザイン革命)」と題し、F4がいかに画期的なカメラであったかを熱く語っています。F4が持つレンズ互換性の高さなど、グローバルな視点での評価が新鮮です。翻訳機能を使いながらでも読む価値のある、非常に詳細なレビューです。
Nikon F4 Review – A Design Revolution – 35mmc
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