今回ご紹介するのは、1952年に発売された「小西六 PearlⅡ」という、6×4.5㎝(いわゆる645)で中判フィルム(120フィルム)の蛇腹カメラです。蛇腹カメラは距離計が付いていないものが多いのですが、このPaerlⅡは「距離計」が内蔵されているのでピント合わせが楽チンです。また、75mm F3.5のヘキサーレンズを搭載しており、写りも素敵なカメラです。
出会いは銀座レモン社にて
その日は、朝から撮影散歩で銀座に来ていました。この銀座界隈は、有楽町のガード下や日比谷ミッドタウンをはじめ、銀座エルメス、ニッサンギャラリー、和光、そして東京国際フォーラムなど撮影スポット満載です。
そして、このエリアに来た際に、いつも定期巡回!?しているのが「銀座レモン社」さんです。
ということで、その日も開店と同時にお邪魔してみました。高まる物欲を抑えつつ「ジャンクコーナー」に目をやると、蛇腹カメラが1台目に飛び込んできした。そう、これこそが今回ご紹介する「小西六 PearlⅡ」です。
お値段1800円。。。
ということで、状態のチェックです。①シャッターは切れる、②シャッター速度は変化している、③ヘリコイドもスムーズに動く、④距離計も問題なく動いている(ラッキーなことに黄化していない!!)、⑤レンズの状態は「許容範囲内」っぽい、⑥フィルム室側から蛇腹の光漏れをチェックしたところ、蛇腹の破れはなさそう、⑦フィルムの巻上げも問題なさそう(金属製のスプールも付属)、⑧レンズ部分の開閉も出来る、しかし、、、⑨レンズ部分を閉じたときのロックが効かない。
ということで「掘り出し物」認定です。
店員の方にも、この「PearlⅡ」の状態について確認したら「レンズのくもり」「蓋が閉まらない」ので、このお値段とのことで、値札よりもさらに安く1500円にしてくれましたので即決で購入です。ありがとうございます!!
あと、良さそうなカメラバックもあったので、一緒に購入させていただきました。
実は、、、この「レンズのくもり」が、、、その場の確認では見逃していた症状があったのですが・・・
《銀座 レモン社》
店名:レモン社 銀座教会店
TEL:03-3567-3131
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座4-2-1 銀座教会堂ビル8F
《HP》※下記画像クリックで、レモン社銀座教会店のサイトへ遷移します。
お持ち帰り後の話
といことで、喜んで自宅に持ち帰り、まずは本体を綺麗にクリーニングです。いつもの無水エタノールでキレイに拭き拭きします。
次にレンズも拭いておこうと前玉ユニットを外してみると。。。。後ろ玉ユニットに巨大な曇りというか、、ガビガビが出現です。
店頭でのチェックで逆側から見ていた際には、ここまでひどくは見えなかったのですが、前玉外して直接見ると結構ひどい状態ですね。。
レモン社さんの店員の方が言っていたのは、、、このコトだったのですね。。。
ということで、後ろ玉ユニットを取り外しです。いつも使うカニ目レンチではうまくアプローチできなかった為(サイドが引っ掛かりアプローチできなかった)、少し手間な組み立て式のカニ目で分解です。
無水エタノールで何度か拭いてみたのですが、全く太刀打ちできません。。
ということで、最終兵器(液体!?)の登場です。
ここから以降の工程は、後日「修理編」として書いていきますね!!
《オールドカメラ/レンズのメンテン用具達》
今回は、下記の「カニ目レンチ」を利用しました。普段は、主に1個下に記載した「レンズ用コンパス」が使っているのですが(格段に使いやすい)、今回のPearlⅡの後ろ玉にアプローチしようとした際に、枝の部分の曲がっている部分が邪魔になり利用できませんですしたので、まっすぐ直線でアプローチできる下記の「カニ目レンチ」を利用しました。両方あると便利ですね。。
上記の「カニ目レンチ」やら「コンパス」でレンズやレンズユニットを緩めたら、レンズを外す作業になりますが、その際に下記の「レンズサッカー」があると、レンズを吸着して「さっ」とレンズを外せるので、超らくちんです。
ちょっと高い気もしますが、最初にサクッと下記のようなセットをそろえるのも、手間なくて良いですね!
小西六PearlⅡ(パール2)について
このカメラは、他の人気機種と比べて、圧倒的に情報が少ないようです。
ここのブロックについては、後日追記しますね!
※詳細について、下記の「参考情報」に詳細に説明されているものがありますので、そちらをご参照頂ければと思います。
写りを見てみよう(実写レビュー)
お待たせしました!実写レビュー1本目が出来ました。下記にてご覧ください。
《6×4.5cmサイズカメラで使える、120フィルム情報》
カラーフィルム
カラーネガフィルムの「自家現像」について(カラーネガも、実は簡単に自家現像できちゃいました)
モノクロフィルム
モノクロネガフィルムは、断然「自家現像」がおススメです!!ぜひ!!
《余談・・M型ライカのマウント問題!?について》
店員さんに、気になっていたM型ライカ(特にM4」のマウント部分の相性問題(ライトレンズラボやTTArtisanのM型レンズが、ロックが効かない/緩い問題)について尋ねたとことろ、お店のテスト用のボディーや、展示してるM4-2で実際に確認してくださいました。
結果は、レモン社さんで試したM3&M4-2では問題なく「カチっ」とロック出来ました。私が購入した喜久屋カメラさんでは、ほとんどのM3&M4で、ライトレンズラボやTTArtisanのM型レンズでロックが効かない or 緩かったので、おそらく整備する方の調整加減の問題かもしれませんね。。
とはいえ、ライカ純正レンズは全く問題なくロック出来るので、整備としては問題ない状態ですので、ライトレンズラボやTTArtisanのM型マウントの作り方が、本家ライカとは少し違うのかもしれませんね。レモン社さんの店員さんの話ではフォクトレンダーのM型レンズでも相性問題があったとのことでしたので、本家ライカ純正レンズ以外ではちょくちょくある問題なのかもしれませんね。
参考情報
CameraGraphic:連動距離計を備えたセミ判カメラ 小西六 パール
Tomoo Ichigami(YouTube):ポケットに入る中判フィルムカメラ『小西六パール2 ( Konishiroku/Konica Pearl II ) 』の紹介。作例あり。
休八写真館:小西六 Pearl II
bornsureblog:フィルムカメラレビュー。「小西六 Pearl IIb」
Kotaro Studio:【作例】小西六 Pearl の歴史をざっくり紹介 使い方まで徹底解説
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