FL 50mm f1.8 は超絶不人気
今回のレンズ「CANON FL 50mm f1.8 Ⅰ型」は、キヤノンのf1.8レンズでありながら、ジャンクコーナーの常連です。
その理由は、マウント形状にあります。この FL 50mm f1.8 は「キャノンFLマウント」という、その後のキヤノンの標準マウントとなる「キヤノンFDマウント」の前のタイプのマウントで基本的にはFDマウントに互換性があり利用することが出来るのですが、一部のレンズは形状が異なり装着できないことがあるようです。
そして、今回の FL 50mm f1.8 Ⅰ型が、、、、その形状が違うレンズなのです。
実はそのまま装着できた。が。。
実は、マウント変換アダプターに少し手を加えると、この FL 50mm f1.8 Ⅰ型 が「キヤノンFDマウント」に装着できるとの情報を参考に、既に持っていたK&F社の「キヤノンFDマウント」から「ライカMマウント」への変換アダプターで試してみました。
すると、なんていうことでしょう。まったく問題なく装着できてしまいました!!!! 超ラッキーですね!
※但し、、、無限遠が出ません(マウントアダプターを2段重ねで利用している為か、、誤差が2倍になり距離が不安定になったみたいです。※そのあたりは後述)。
知る人ぞ知る、和製ビオター!
このレンズ(FL 50mm f1.8 )はカールツアイス社の銘レンズである「Biotar(ビオター)」とレンズ構成が同じだそうで、「和製ビオター」って呼ばれているようです。因みに、Old-Lensの大人気レンズ「Helios 44-2 58mm F2」は、ビオターのコピーレンズとしても有名です。
このレンズは「ぐるぐるボケ」や、とろけるような背景によるアーティスティックな写りまで、個性的且つ情感的な写真が好きな方には嬉しいレンズではないでしょうか。
しかも、流通価格も激安なうえ、キヤノン製ということで写りもちゃんといしているの嬉しいところです。
FL 50mm f1.8 の写りを見てみよう
まずは、朝日をいっぱいに浴びた写真からいってみましょう。光の写りからから放射線状のシャー、キラキラ輝きながら溶ろけるようなボケっぷり。最高です。
次は、散歩道でパシャパシャした写真たち。普通に良い感じで写ります。
が!!、ロープの写真に注目です。ちょっと油断すると、こんな写真でも、、、もう背景がぐるぐると回りだしていますね~。
次は曇り空での渋谷の街角写真です。しっとりトロトロ。楽しいです。
渋谷駅から渋谷ストリームへ向かうあたりです。普通に良い感じで撮れますね。
マウント変換アダプター
このレンズ( FL 50mm f1.8 )は「キャノンFLマウント」です。CANONのMFレンズは「キヤノン FD」マウントが主流なのですが、MDマウントが出る前のFLシリーズのレンズは「キャノンFLマウント」というマウントになっています。「キャノンFLマウント」は「キヤノン FDマウント」と大きさなどが同じで互換性があるようですが、一分のレンズは形状が異なり装着できないことがあるようです。
今回は、その・・装着できないといわれているレンズですが、前述のとおりFDマウントで装着できましたので、「キヤノン FDマウント」から「ソニーE マウント」への変換して、電子マウントアダプターを利用してAF化して利用する方法について記載しますね。
まず、「キヤノン FDマウント」を「ライカMマウント」に変換する、マウント変換アダプターを準備します。
そうすれば、電子マウントアダプターは「ライカMマウント」ですので、「ライカM→ソニーEマウント」に変換できる「電子マウントアダプター」と合わせて利用すれば、α7等の「ソニーE マウント」のカメラで利用することができます。
電子マウントアダプターを利用しない場合は、「キヤノンFDマウント→ソニーEマウント」のマウント変換アダプターを利用すれば、α7等の「ソニーE マウント」のカメラで利用することができます。
電子マウントアダプター
ちなみに、電子マウントアダプターは下記のどちらかを選択することになると思います。
共に第2世代で性能アップしています。
- TECHART テックアート:LM-EA9 [電子マウントアダプター レンズ側:ライカM ボディ側:ソニーE AF駆動モーター内蔵]
- Fotodiox :LM-SNE-PRN II [電子マウントアダプター レンズ側:ライカM ボディ側:ソニーE AF駆動モーター搭載]
「LM-EA9」は下部の出っ張りがなくなりデザインが良くなりました。また、モーターが強力になってAFがキビキビ動き、前モデルより音が静かになりました。但し、私の愛機との相性の問題なのか動作が少々不安定です。あと、前モデルだと使えていたスポット測光が使えない等いつくかの機能が先祖帰りしています。今後のファームウェアのUPに期待です。
「LM-SNE-PRN II」は、下部の出っ張りは残っているものの小さく目立たなくなりました。こちらもモーターが強力になってAFがキビキビ動き、前モデルよりも音が静かになりました。大きな変更点としては「LM-SNE-PRN II」の横のボタンを押すと「AF」⇒「MF」⇒「マクロ(ヘリコイドを伸ばす)」が切り替えられるようになりました。コレ、何気に超便利です。動作も安定しており安定感あります。
但し、これらの電子マウントアダプターは万能ではなく、最新のAFレンズのような動きを求めてはいけません。ざくっとサポートしてくれるAFという感覚が良いです。
また、ガチピンで撮りたい際はMFに切り替えて拡大表示してピント合わせることをお勧めします(ボタンのひとつを「拡大表示」に割り当てておくと便利ですよ)。
詳細は、下記をご覧ください。
FL 50mm f1.8 のレンズ情報
メーカー:CANON
名称/ブランド名:FL 50mm f1.8 Ⅰ型
フォーカス:MF(マニュアルフォーカス)
焦点距離:50㎜(35mm判換算)
センサーサイズ:フルサイズ
レンズ:4群6枚(ガウス型の標準レンズ)
絞り:f1.8~16
絞り羽:6枚
フィルター径:48㎜
重さ:228g
最短撮影距:0.6m
マウント:キヤノンFLマウント
製造国:日本
生産時期:1964年
相場:1,000~5,000円程度
特技/特記:FLマウントでマウント部に段差あり(一部装着できないFDマウントアダプターあり)
備考:レンズ側開放規制式自動絞り機構を搭載。※ミラーレズ機で利用の際は、プリセット絞り的に利用か?
参考サイト
キヤノンカメラミュージアム:FL50mm F1.8 I
一写入魂:★発掘 銘玉は、まさに「和製 Biotar!!!(ビオター)」 その名は 『CANON FL 50mm f1.8(I)』
カメヌマ:Canon FL50mm F1.8(前期型)、すごいぐるぐるボケが出るぞ〜: ジャンク箱の住人は人気オールドレンズの夢を見るか
伊藤浩一のモバイル+モビリティライフ応援団:【レンズ沼301本目】Canon FL50mm F1.8 I型はBiotar型アトムレンズでぐるぐる一写入魂ボケ
one-scene:Carl Zeiss Jena Biotar 58mm F2
コメント
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