今回ご紹介するのは、和製の中判フィルムカメラ「ZENZA BRONICA S2(ゼンザブロニカ S2)」です! これまでも二眼レフや蛇腹カメラなどで中判の世界を覗いてきましたが、やはり「バケペン」ことPENTAX67や、Hasselblad(ハッセルブラッド)へのあこがれは強く、色々な出物(中古)を物色していたのですが、いかんせん価格が高いのです(実用品でも、、とても高い)。そんな中、私の物欲選択肢として急速に輝きだしたのが、今回ご紹介する「ZENZA BRONICA S2(ゼンザブロニカ S2)」でした。理由は、中判フィルムカメラの素敵な写りを、とてもお買い得な価格でGETできるから。そして、BRONICAを利用されている方々のSNS等で作例を見るたびに物欲が高まっていたたのでした。
これからZENZA BRONICA S2を買おうか迷っているあなたへ
中判フィルムカメラのHasselbladやPENTAX67に憧れつつも、価格でなかなか手が届かない…と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?私もまさにそうでした(無理せず理性を保てた自分、偉い!)。
でも、安心してください!このZENZA BRONICA S2は、その憧れのカメラの代替品と、素晴らしい描写を ”リーズナブルな価格” でGETできる素敵な選択肢かもしれません。
そこで、このレビューでは、私のS2との出会いのエピソードから、実際に使って感じた強烈な立体感とボケ味、そして購入前に知っておきたい注意点まで、作例を交えて解説していきますね!
この記事を読めば、きっとS2が欲しくなる!かもですよ✨
ZENZA BRONICA S2 の主な特徴
ZENZA BRONICA(ゼンザブロニカ)は、日本の「ゼンザブロニカ株式会社」(後にタムロンに事業譲渡)が製造・販売していた中判一眼レフカメラのブランドです。その中でも「S2」は、高い完成度と信頼性から特に人気が高いモデルです(S2は、BRONICAの中でも”現在でも修理が可能”な機種でもあるそうです)。ちなみに、この会社は、世界中のカメラを収集するほどにカメラが好きだった実業家・吉野善三郎氏が「世界一のカメラを自分で作りたい」とのおもいで設立したそうです。ちなみに、ゼンザブロニカの名前の由来は社長の名前から・・とのことですよ。なんか一気に親近感UPですね。
- フォーマット: 6×6判(ブローニーフィルム使用)
- レンズマウント: ブロニカマウント(バヨネット式ブロニカマウント)
- 特徴的な機構: レンズにヘリコイドを持たず、ボディ側のヘリコイドユニットでピント合わせを行う。
- ミラー機構: 一般的な上に跳ね上がる方式ではなく、下に滑り込むように降下する「クイックリターンミラー」を採用。
- ファインダー: ウエストレベルファインダーが標準。プリズムファインダーへの交換も可能。
ZENZA BRONICA の各モデルについて
ZENZA BRONICAは、そのデザインと性能の良さから「和製ハッセルブラッド」の異名を持つ人気のカメラでした。一覧のモデルを下記に記載しておきました(というかAIが調べてくれたんですけどね・・。間違ったのでてたら修正していきますね。最近AIにリサーチしてもらうと間違いが多くて。。)。
| モデル名 | 発売時期 | 画面サイズ | 特徴 |
| ZENZA BRONICA D | 1961年(昭36) | 6×6 | 最初のモデル。 |
| ZENZA BRONICA S | 1964年(昭39) | 6×6 | D型から改良。S2と比べるとピント調節方法が異なる。 |
| ZENZA BRONICA S2 | 1965年(昭40) | 6×6 | 完成度が高く人気の名機。ヘリコイドユニットを搭載。 |
| ZENZA BRONICA EC | 1972年(昭47) | 6×6 | 初の電子制御シャッター搭載。 |
| ZENZA BRONICA ETRシリーズ | 1977年〜 | 6×4.5 | 645判のベストセラー機。 |
| ZENZA BRONICA SQシリーズ | 1980年〜 | 6×6 | 6×6判の定番となったモジュールシステム機。 |
出会いは例の銀座の催事
さて、この「BRONICA S2」くんとの出会いについて、少し書いておきましょう。
毎年恒例、銀座の松屋にて毎年9月くらいに開催される、I.C.S.輸入カメラ協会が主催する中古カメラ販売イベント「世界の中古カメラ市」。毎年、熱心なカメラファンはもとより、海外からの(主に中国っぽい)からの大量のバイヤーが買い付けにやってくる。中古カメラ市関連の中でも最大級の催事です。
ちゅごくから買い付けにくるバイヤー達は、大きな「スーツケース」をガラガラさせながら、早朝から並び、開場とともに売り場に突入し、目ぼしいカメラを買い占めていきます。特設レジで数百万の支払いを次々としていくのです。
中には、ショーウインドウ1個まるまるお買い上げしていく強者もいるようです。こりゃ、、素人はかなわんですね。
そんなイベントなのですが、今年は私は仕事が超激務のために最後の週末に残り物を見学に参戦してみました。そこで、ムクムクと興味から欲望へと変化していた「BRONICA S2」くんとの出会ってしまいました。お店は「ペンギンカメラ」さん。この催事用にお得な価格設定をしたカメラだそうです。
粘りに粘って値引き&クロスを付けて頂いてお買い上げです。本当に素敵な価格にしていただき感謝です。ペン人カメラの店員さんから、丁寧に利用方法を教えてもらえたのはとてもラッキーでした。というのも、シャッターチャージ時の注意点(聞いてなかったら壊してしもうた!!と慌てること請け合い ※後述)や、レンズ/ヘリコイドの構造や取り合え方、フィルムの装填方法 等々、聞いておかないとなかなか分りにくいことが多かったからです。
※調べまくって試していけば理解できるかもしれませんが、実演しながら教えてもらえたのは本当に良かった。

ということで、ペンギンカメラさん、本当にありがとうございました。
《ペンギンカメラ(本店)について》
実は、実店舗にはいったことが無いのですが、感謝の意味を込めてご紹介。
※といっても、GoogleMAPの地図と掲載されていた写真を転載させていただきますね!
一度訪ねてみたいなああ、。。と思いつつも距離的になかなか行けなさそうです。。
〒221-0061 神奈川県横浜市神奈川区七島町127
TEL:0454215220
https://www.penguincamera.co.jp/

外観デザインと操作性
重厚感あふれる機械の塊!
S2を初めて手に取った時の感想は、「デカい!重い!そしてカッコいい!」です。金属の塊のような重厚感があり、持つだけで写真への熱意が高まります。デザインもちょっとレトロな流線形っぽいカッコよさがあります。


ファインダーは上から覗き込む「ウエストレベルファインダー」。ウエストレベルファインダーのOpenレバー(→が記載しているレバー)を横にスライドさせると、”カシュポンっ!”って姿も癖になりそう。

また独特な機構が、巻上げクランクで「ぐるぐるぐる~」って巻いていくと、突然「バキッ」という豪快な音が鳴り響きます。この音と共に巻上げ&シャッターチャージが完了します。この音は、慣れないと心臓に悪いかもですね(というか、これ知らないと、壊れたのかと思って、めちゃくちゃ焦りますよね)。
そしてシャッターを切るときの「ガシャコン!」って音と軽い振動も豪快です。静かな場所でシャッターを切る時は、ちょっと周りの人たちに気をを使うレベルの音量です(笑)。

驚くほど薄い標準レンズ「Nikkor P 75mm F2.8」
このゴツいボディに付いている標準レンズ「Nikkor P 75mm F2.8」がまた素晴らしいのです。カメラ本体から飛び出す部分が超薄いので、見た目のバランスが非常に美しい!さらに最短撮影距離が「0.6m」と被写体にある程度寄ることが出来るのもポイント高いです。。
ボディ前方の大きなピントノブ(ヘリコイドユニット)を回してピントを合わせる操作は、カメラを構える際のスタイルにもよりますが、ちょっと慣れが必要がありそうです。

画質と写りの特徴【作例多数】
さて、ここからはS2最大の魅力である「写り」について、私の作例を交えてご紹介します!
結論から言うと、このカメラとレンズとても良いんです!!!
病みつきになる「強烈な立体感」と「独特なボケ」
SNSでS2の写真に惚れ込んだ気持ちが、実際にファインダーを覗いて確信に変わりました。
特にビューファインダーを覗きながらピント合わせのノブを動かすと、ファインダー内に強烈な立体感のある景色が広がります。被写体が目の前に浮かび上がるような感覚で、もう病みつきです。

「BRONICA S2」×最新フィルム「PHONEXⅡ」のレビュー
最初のフィルムには、松屋銀座の「かわうそ商店」さんから入手した個性派フィルム「PHONEXⅡ」をチョイスしました。※下記の写真の下(青い箱の方)





どうでしょうか?中判フィルムならではの滑らかなトーンと、被写体の存在感が段違いです。Nikkorレンズのシャープネスと、6×6という大きなフォーマットが生み出す奥行きに、ただただ感動です。
《注意》今、Amazonはとっても高いお値段の「PHONEXⅡ」しか在庫のあるSHOPさんは、ちょっとお値段が高すぎるので、他のSHOPさんが入ってくれるまで待つのが良いかもです(通常で2500円前後/1本のフィルムです)

モノクロのトーンも最高!街スナップにも連れ出したい
その後は自家現像したモノクロフィルムでも撮影を楽しみました。「FOMAPAN200」や「ARISTA Edu400」といったフィルムを使ってみましたが、S2の写りとモノクロの相性も良いですね!




重くてデカいカメラですが、この写りを見てしまうと「ここぞ!」という時に持ち出したくなります。
比較的、取得しやすいフィルム「KODAK GOLD200」
中盤のカラーフィルムで、コスパ良く使えるのが「KODAK GOLD200」でしょうか。ということで、こちらのフィルムでも撮影してみました。これまた良い感じでしょうか。KODAKっぽい良い色味で写ります。



おそらく、5本セット買うならAmazonが一番安い感じしてます。

寄れる!マクロと錯覚する標準レンズ
標準レンズのNikkor P 75mm F2.8は、最短撮影距離が60cmです。昔のレンズはあまり寄れないものが多い中60cmまで寄れるのは重宝します。そして実際に使ってみると「もっと寄って撮ってる!」と錯覚してしまうほど寄れちゃう感じがするのも嬉しい驚きです。


少し気になった点・デメリット
愛すべきS2ですが、もちろん全てが完璧というわけではありません。正直に、少し気になった点もお伝えしておきます。
デメリット1: デカい!重い!そしてシャッター音がデカい!
ボディとレンズを合わせると、ずっしりと重いです。長時間首から下げていると、首や肩が痛くなります。気軽に持ち運べるカメラではありません。
また、前述の通りシャッター音がかなり豪快です。静かな場所や、周りの人に威圧感を与えたくないスナップ撮影では、少し躊躇してしまうかもしれません。
- 対策: 重さには、太めのストラップを使い、リュックなどで持ち運ぶのが基本です。シャッター音は、「中判カメラを使っている証!」と開き直って楽しむのが一番です!
デメリット2: 修理費用は8-10万円!!
上記で少しご紹介した、三葉堂寫眞機店(みつばどうしゃしんきてん)さんによると、オーバーホールや修理費は約8~10万円も必要となるらしいです。とはいえ、諸先輩方からは『このくらいの価格でちゃんと治るんだから良いよね~!』とのお言葉。これは、先日お会いしたカメラマンの上野さんも同じようなことをおっしゃられてましたので「修理が出来るカメラ」で良かった・・と思うことにしますね・・!
ZENZA BRONICA S2はこんな人におすすめ!
私の実体験を踏まえて、ZENZA BRONICA S2をおすすめしたいのはこんな方です。
おすすめな人の例
- HASSELBLADやPENTAX67の写りに憧れているが、、予算的に厳しい方
- NIKKORレンズの描写力で中判写真を楽しみたい方
- 「機械を操作している」という重厚な感触を愛する方
- 豪快なシャッター音や、独特の操作感すら楽しめる方
- このデザイン/フォルムに魅力を感じる方
逆におすすめしない人の例
- 軽快にスナップ撮影を楽しみたい方(重くて大きいので疲れます)
- シャッター音を抑えて撮影したい方(音はかなり大きいです)
- 中古カメラのメンテナンスや修理に抵抗がある方
【要チェック】中古で探す際の注意点
ZENZA BRONICA S2は古い機械式カメラですので、中古で探す際にはいくつかのチェックポイントがあります。
S2の「持病」と言われる特有の故障事例
S2には、経年による特有の不具合がいくつか知られています。購入時に必ずチェックしましょう。
- ミラーアップ(ミラー鳴き): 独特のミラー機構が原因で、ミラーの動きが悪くなったり、異音(鳴き)が発生したりする場合があります。
- ヘリコイドユニットの固着: ピントを合わせるヘリコイドユニットのグリスが固まり、ノブが重くなったり動かなくなったりする場合があります。
- フィルムバックの遮光不良: フィルムバックのモルト(遮光材)が劣化し、光漏れを起こす可能性があります。
- ファインダースクリーンのモルト不良:ファインダースクリーンのモルトが劣化していると、位置がずれてピントがズレてきます。モルトがボロボロになってゴミのように出てきていたら要注意です。
中古購入時のチェックポイント
- 外観・質感: 丁寧に扱われてきた個体か、大きなアタリやキズがないか確認。
- 動作: シャッターチャージ、ミラーアップ、シャッタースピードの変化(低速側も)、巻き上げの動作を確認。
- ヘリコイド: ピントノブが均等な抵抗でスムーズに回るかを確認。
- 光学系: レンズにカビやクモリがないか、フィルムバック内の遮光モルトが劣化していないかを確認。
できる限り、私のように実店舗で、丁寧に整備された個体を購入されることを強くおすすめします。
まとめ
ZENZA BRONICA S2は、重くて、音も大きくて、操作も少しクセがありますが、それを補ってあまりある圧倒的な写りの魅力を持ったカメラです。
ニコンの銘玉NIKKORと、ゼンザブロニカの技術が融合したS2は、まさに和製ハッセルブラッドの名に恥じない、極上の描写力を提供してくれます(他のレンズの組み合わせも使ってみたいです!)。
あの強烈な立体感とボケ味を中盤フィルムの写りで味わってしまうと、もう他のカメラでは満足できなくなるかもしれません。
ZENZA BRONICA S2の主な仕様(スペック表)
| 項目 | スペック |
| 型式 | 6×6判一眼レフカメラ |
| 画面サイズ | 6×6 cm (ブローニーフィルム) |
| 標準レンズ | NIKKOR-P 75mm F2.8(6群7枚)など |
| シャッター | フォーカルプレーンシャッター |
| シャッター速度 | B, 1〜1/1000秒 |
| レンズマウント | ブロニカマウント |
| ファインダー | ウエストレベルファインダー(交換可能) |
| ピント調整 | ヘリコイドユニットによる繰り出し式 |
| ミラー機構 | クイックリターン(降下式) |
| 発売時期 | 1965年7月 |
| 中古実勢価格 | 60,000円〜150,000円程度(※調査時点。状態・レンズ有無で大きく変動) |
商品リンク
BRONICA S2(本体/カートリッジ 等々)





NIKKOR-P 75mm F2.8用のフィルター(67mm)



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ZENZA BRONICA S2は長きにわたり愛されてきた名機です。私以外にも、S2を愛用している方の素晴らしいレビュー記事が沢山ありますので、ぜひ多角的に情報を集めてみてくださいね。
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