我らが「銘匠光学 TTArtisan」から、またまた癖強なレンズが登場しました。その名も「TTArtisan 75mm f/1.5 M42マウント」。実はこのレンズ、見た目も写りも・・強烈なグルグルボケで有名な、Carl Zeiss Jena (カールツァイス・イエナ)社の、Biotar 75㎜ f1.5(後期型) というレンズのコピー(オマージュ?)のような感じです。
本日レンズが到着して、楽しく試写した後にこのレビューを記載しています。もう少し使い込んだら、内容を更新していくかと思いますので、ファーストインプレッションという感じでご覧いただければと思います。
Biotar(ビオター)というレンズについて
まず最初に。このレンズのベースとなっていると思われる、「Carl Zeiss Jena (カールツァイス・イエナ)」社の「Biotar 75㎜ f1.5」というレンズについて簡単に見ていきます。
このレンズは豪快な「グルグルボケ」が楽しめる人気のレンズ(ダブルガウス型)で、①初期型(1936年発売)、②前期型(1945年~1950年)、③後期型(1951年~1965年)と3つのバリエーションがあり、今回の「TTArtisan 75mm f/1.5 M42マウント」は、③の後期型とソックリのデザインです。
《バリエーションについて》※「出品者のひとりごと・・」から引用
Biotar(ビオター)のコピー/オマージュレンズが続々
このBiotarというレンズから、①helios 85mm f1.5というコピーレンズがソ連で生産され、②最近ではMeyer Optik Gorlitz社 により Biotar 75mm F1.5 II として復刻されました。
そして、③今回登場した「TTArtisan 75mm f/1.5 M42マウント」は、3代目のコピー(オマージュ)レンズという感じでしょうか。因みにM42マウントで出してくるところがニクイですよね!
このレンズ「TTArtisan 75mm f/1.5 M42マウント」について
最新のレンズで Biotar 気分を!
さて、ようやく今回のこのレンズ「TTArtisan 75mm f/1.5 M42マウント」にたどり着きました。上記に記載したように、このレンズのデザインは「Biotar 75㎜ f1.5」の後期型とソックリです。また、レンズ構成も超ソックリで、豪快なグルグルボケも再現しているので、ガッツリとしたコピー/オマージュレンズと言ってよいかと思います。
オールドレンズの名玉であるBiotarシリーズの75mmレンズは、中国では「大B」と呼ばれています。「B」はBiotarのBを指し、Biotarシリーズには75mmと58mmのレンズがあり、75mmレンズが「大」 👀 📝 pic.twitter.com/ww2ktWcTHt
— 焦点工房 〜カメラと写真の愉しみ・喜びをもっと身近に〜 (@ShotenKobo) September 25, 2024
また、2024年発売の最新のレンズですので、オールドレンズのように状態を気にすることなくピカピカの新品を利用することができます。
フィルター径58㎜という大きな前玉を持つレンズはキラキラと澄んで美しく、絞り羽は13枚と贅沢な作りで、キレイな円形を保ったまま絞っていけます。※絞り解放では少し緩めのピントですが、豪快なボケを楽しめます。
M42マウントは、元祖「Biotar 75㎜ f1.5(後期型)」でも採用されていたマウントです。このM42マウントはオールドレンズで大人気の「タクマー」シリーズ等多くのオールドレンズで採用されているマウントですので、オールドレンズ愛好家(沼の人)は、このレンズを買えば、ご自身が良く利用されている「マウント変換アダプター」やカメラで直ぐに利用可能かと思います。
《レンズの向きをセンターに合わせる方法》
このレンズは、利用するカメラやマウントアダプターによっては、装着後に目盛り関連が「センター」に合わず、横や裏側に位置したりしてしまいます。※因みに私の場合は、下側になってしまいました。
でも、ご安心ください。
このレンズは、装着後にご自身の利用するカメラに合わせて、メモリの位置を調整して「センター合わせ」にすることが可能なのです!※この機能は嬉しい。
TTArtisanのWebサイトに、調整方法について記載されていましたので、下記に引用しておきますね!※Googleによる日本語翻訳版です。下記の画像をクリックで元ページ(TTArtisanのページ)に遷移します。
写りを見てみよう(実写/作例)
マウント変換アダプターについて(ミラーレスカメラで利用する)
このレンズは「M42マウント」ですので、私が利用しているSONYの「α7シリーズ」で利用するには、「M42マウント」を「Eマウント(NEXマウント)」に、「マウント変換アダプター」というモノを利用して変換しなければいけません。
①直接変換する
下記のマウント変換アダプターを利用すれば、「M42マウント」から、直接「ソニーEマウント(NEXマウント)」に変換できます。
②ライカMマウントを経由して「ダブルヘリコイド」で利用する!
多くのオールドレンズを利用する方には「ライカMマウント」をユニバーサルマウントとして利用している方が多くいらっしゃいます。今回ですと①「M42⇒ライカM」に変換する「マウント変換アダプター」に、②「ライカM→ソニーE(NEX)」に変換する「マウント変換アダプター」を2段重ねで利用する訳です。
この方法の利点は、近接撮影を可能にする「ヘリコイド付き」の「マウント変換アダプター」を利用したり、MFのオールドレンズをAF化することが出来る「電子マウントアダプター」を利用することが出来ることです。
「マウント変換アダプター」の詳細については、下記の「マウント変換アダプターについて」ページに記載してありますので、興味のある方はご覧いただければと思います。
今回のレンズは、重量が500gをオーバーしているので「電子マウントアダプター」の利用が出来ませんので、ここでは「ダブルヘリコイド」化してしまう方法について記載してみます。
上記に記載している「マウント変換アダプター」には、「マウント変換アダプター」自身の長さを伸ばすことが出来る「可変ヘリコイド」機能がついているものがあります。この機能を利用すれば、レンズの性能よりもさらに近接撮影が可能になります。
この「可変ヘリコイド」付の「マウント変換アダプター」で一般的に入手がしやすいのが、「ライカM→ソニーE(NEX)」と「M42⇒ライカM」のものになります。
ということで、この「ライカM→ソニーE(NEX)※可変ヘリコイド」と「M42⇒ライカM※可変ヘリコイド」を2段重ねにして利用すると、ぐぐぐぐぐっと被写体に近寄って撮影することが可能になります。
今回のレンズ情報
メーカー | 銘匠光学 TTArtisan |
名称/ブランド名 | 銘匠光学 TTArtisan 75mm f/1.5 M42 |
フォーカス | MF(マニュアルフォーカス) |
焦点距離 | 75㎜(35mm判換算) |
センサーサイズ | フルサイズに対応 |
レンズ | 4群6枚 |
絞り | f1.5~16 |
絞り羽 | 13枚 |
フィルター径 | φ58mm |
重さ | 562~669g ※なぜ100gの幅があるのかは不明 |
最短撮影距 | 0.75m |
マウント | M42マウント |
製造国 | 中国 |
生産時期 | 2024年 |
相場 | ¥49,860 (税込) ※メーカーサイト |
特技/特記 | ぐるぐるボケ |
備考 | |
参考情報
焦点工房:銘匠光学 TTArtisan 75mm f/1.5 M42マウント ぐるぐるボケ
出品者のひとりごと・・:◎ Carl Zeiss Jena (カールツァイス・イエナ) Biotar 75mm/f1.5《後期型》(exakta)
中野オールドレンズ写真館:Carl Zeiss Jena Biotar 1.5/75 グルグルボケの本家!
コメント