記念に持ち帰ったレンズ
このレンズ FUJINON 55mm f1.8(初期型)が私の家にやってきたのは、まだ オールドレンズ沼 の初期症状の頃でした。
新宿のOIOI(丸井) ANEX という場所で開催された「オールドレンズフェスティバル」の会場で発見したのが初めての出会いでした。
「オールドレンズフェスティバル」併設のレンズ即売コーナーで、最初に紹介されたのはロッコールの58㎜ f1.4で、レンズを覗いてみてとても良かったのですが、お値段が少々高くて諦めました。しかし何かを買って帰りたい衝動に駆られ並んでいるレンズを物色していた際に、安価な金額で鎮座していたこのレンズを見つけたのです。※このロッコールは後に安い値段で某オクにてGETしました。
この FUJINON 55mm f1.8 は、結構なカビ玉だったのですが、販売員として入っていた方が軽くメンテナンスをしてくれて、大分綺麗になったので、お持ち帰りが決定しました。
でも、、、その後に、バブルボケでちょっと有名な FUJINON 55mm f2.2 をゲットしてしまい、こちらのf1.8の方は、長らくドライボックスの中でお休みになっていたのでした。そして現在、所有レンズのローテーションをしながらBlogのレビュー記事を書いてるため、その順番が回ってきたわけです。
今回、利用してみると、なんとも素直で柔らかな写りをしてくれます(普段、癖のあるレンズを使いすぎなのかもしれませんが・・・)。
このレンズについて
このレンズは1970年発売の富士フイルム初の一眼レフカメラ FUJICA ST701の標準レンズとして登場したようです。私の手元にある1970年に販売された初期型からスタートし、何代にもわたり進化していったレンズのようです。
モノコーティングモデルゆえの
このレンズのレビュー記事を探していくと「鮮やかな写り」と記載している記事をいくつか見かけますが、今回紹介する初期型はシングルコーティングのため、優しい描写となります。くっきり鮮やかな絵がお好みの場合は、マルチコーティングの「EBC (Electron Beam Coating)」と銘板に明記されている「前期型」以降(説明は後述)を探されると良いかもしれません。
オールドレンズ沼にどっぷり使い、癖玉を好んで使っていると、このレンズは少々パンチが足りなく感じるかもしれません。実際私もそう感じました。
でも、撮影データを見返してみると、なんとも ”心穏やかな” 写りなのです。
そうなのです。これは、癖玉オールドレンズの合間に使うことにより、いったん癖癖の世界をリセットしてくれるレンズなのかもしれませんね。まあ、今思いついたんですけど。。
因みに、こんなにバリエーションがあるらしいです。
《FUJINON 55mm f1.8のバリエーション》
初期型:1970年発売 (ST701用)
コーティング:モノコーティング
開放測光用の爪:無
レンズ銘板:金属製
↓
前期型:1972年発売 (ST801用)
コーティング:マルチコーティング「EBC」
※「EBC (Electron Beam Coating)」
開放測光用の爪:有
レンズ銘板:プラスティック製
↓
後期型−Ⅰ:1974年発売 (ST901用)
コーティング:マルチコーティング「EBC」
開放測光用の爪:有
レンズ銘板:プラスティック製
↓
後期型−Ⅱ:1974年発売 (ST901用)
コーティング:モノコーティング
開放測光用の爪:有
レンズ銘板:プラスティック製
※マルチコーティングとモノコーティングが併売されていたらしいです。
※詳細は、こちらの方のページをご覧ください(写真入りで詳しく説明されてますよ)。
写りを見てみよう(実写レビュー)
では、FUJINON 55mm f1.8(初期型)、シングルコーティングの優しい描写を何枚か貼っていきますね。撮影した日の天気があまりよくなかったので、ちょっと暗めのトーンの写真になっちゃいました。
優しく繊細な描写
レンズの見た目と同じく、変な主張はしないが、優しく繊細な描写で見せてくれるレンズかも。
吸い込まれていくようなボケっぷり
古めのレンズにありがちなドッカンボケではなく、ボケのグラデーションを楽しめます。優しい写りで目立たないですが、実は結構派手なボケっぷりを披露してくれます。
虹ゴーストはテクが必要かも
他の方のレビューでは、虹ゴーストがタクマー並みにバンバン出ているようなのですが、私の所有しているレンズで虹ゴーストを出すのはちょっと難易度高めでした(角度合わせがシビアで、ど派手なのは出なかった)。玉ボケも出やすいですが、周辺部は変形しがちです。
光を入れれば、ハッとするような色彩も
やさしい質感
マウント変換(M42マウント)
このレンズのマウントはM42マウント(スクリュー型)です。このM42マウントのレンズを、私の愛機であるα7Ⅳに付けて写真を撮るには、マウントをM42マウント→Eマウント(NEXと記載されているものも多い)に変換せねばなりません。このマウント変換の方法をはこちらのページに記載していますので、ぜひご覧いただければと思います。
今回のレンズ情報
メーカー | FUJI PHOTO FILM |
名称/ブランド名 | FUJINON 1:1.8/55 (初期型) |
フォーカス | MF(マニュアルフォーカス) |
焦点距離 | 55㎜(35mm判換算) |
センサーサイズ | フルサイズに対応 |
レンズ | 4群6枚(ダブルガウス) |
絞り | f1.8~16 |
絞り羽 | 6枚 |
フィルター径 | 49mm |
重さ | 300g |
最短撮影距 | 0.45m |
マウント | M42マウント |
製造国 | 日本 |
生産時期 | 1970年 |
相場 | (Used)5,000~10,000円程度 |
特技/特記 | モノコーティング |
備考 | 富士フイルム初の一眼レフカメラ FUJICA ST701の標準レンズ |
参考になるページ
出品者のひとりごと・・:◎ FUJI PHOTO FILM CO. (富士フイルム) FUJINON 55mm/f1.8《後期型》(M42)
古レンズの風に吹かれて:FUJINON 55mm F1.8
使ってみた:Fujinon 55mm F1.8
カメラと写真と猫と:モノコーティング時代のFUJINON 55mm/F1.8(M42マウント)で撮影したボスちゃんたち~
伊藤浩一のモバイル+モビリティライフ応援団:【オールドレンズ】FUJINON 55mm F1.8 M42マウントスナップ【α7II】
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