※この記事で利用しているレンズは、販売代理店である「2ndfocus」さんから、レンズを貸出していただいたものを使用しています。「2ndfocus」さんから記事への注文は一切なく「楽しんで使ってください」とだけ言っていただいています。ちょっと嬉しいですね。ということで、私が楽しんで使わせていただいた感想を記載させていただきますね!
「セレンディピティ(偶然の出会い)」は突然に
今回ご紹介するのは、AstrHori 50mm F1.4 Tilt っていう中国製のチルトレンズです。
実は、このレンズは全くのノーマークでした。チルトレンズについて今までちゃんと意識したことが無かったのです。
このレンズは、タイポッシュのレビューで書かせていただいたように、このレンズメーカーの販売代理店である「2ndfocus」さんが、タイポッシュを貸し出してくれる際に、「このレンズもレビューしますか?」と、一緒に貸し出してくれたレンズなのです。
で、レンズが到着して使ってみると、めちゃくちゃ面白い!!
このレンズ、オールドレンズファンの人、しかも、癖強いのが好きな人は結構楽しめるんじゃないかと思いました。この出会いって、Amazonとかのレコメンド(お勧め商品)で、自分が普段興味の無いものがたまに出てくるのに似ているかもしれません。
普段、自分が興味をもっていない(アンテナ貼ってない)レンズにも、楽しいものがいっぱいあるんだなあ、、、と改めて感じた出会いでした。
2ndfocus って、何処の誰?
「Thypoch(タイポッシュ)Simera 35mm f1.4 ASPH」の日本の販売代理店である「2ndfocus」って、どんな会社なんでしょうか。
実は、私も良く知らなかったので少し調べてみました。
会社概要を見てみると、母体は「E&Iクリエイション株式会社」という名古屋を拠点とした会社で、その販売ブランドが「2ndfocus」のようです。
取り扱いブランドは、最近勢いのある「AstrHori(アストロリ)」、今回お借りした「Thypoch(タイポッシュ)」、銘玉の合わせ技で、ちょっと気になるレンズの発売が控えている「POLAR(ポーラ)」、いきなり超大口径を激安で投入してきた「MR.DING(ミスターディング)」と個性派ぞろい。めっちゃ気になるラインナップですね。
因みに「2ndfocus」さんは、輸入レンズやマウントアダプターでお馴染みの「焦点工房」さんのグループ会社とのことです。あ、両社とも「陸 孜豪 (リク シゴウ)」さんが社長をされていますね。
チルトレンズについて(スタディ)
レンズの角度を変えて撮影できる
世の中には ”レンズの角度を変えて撮影する” ことが出来る「チルトレンズ」というモノがあります。似たようなレンズに「シフトレンズ」というモノがあります。で、両方の機能がある「チルトシフトレンズ」というものもあります。実は私、、このあたりのレンズのことあまり知らないんです。
ということで、調べてみました。
ティルトシフトレンズとは(tilt-shift lens)
ティルトシフトレンズとは、カメラのレンズの一種で、レンズを水平方向・垂直方向に移動させることで、いわゆるアオリ撮影を可能にするレンズのことである。
通常、高い建物などを近くから撮影する場合は、遠近法が影響してしまうため、全景を歪みなく撮影することは難しい。 このとき、シフト機構と呼ばれるレンズの上下移動が可能なレンズを用いると、レンズの光軸と撮像面(フィルムや撮像素子の感光面)を意図的にずらして逆の歪みを発生させ、結果として像の歪みを補正することができる。 また、ティルト機構ではレンズを斜めにすることで光軸を傾け、それによって、ピントの合う範囲をコントロールすることが可能となる。 ティルトシフトレンズは元々、高度なアオリ写真を撮影することができる特殊レンズとして人気を得ているが、最近では、アオリ撮影を逆に利用してピントやパースを意図的にずらし、被写体をミニチュア風の遠景として写す手法が注目を集めている。 ティルトシフトレンズの代表的な製品としては、キヤノンのTS-Eを挙げることができる。
なるほどね!シフトはレンズの光軸をずらして歪みを発生させる(煽り撮影等での歪みを補正)、チルトレンズはレンズを斜めに向けることにより光軸を傾けてアオリ撮影が出来る。両方出来るようになってるのがチルトシフトレンズって感じなんでしょうね。。。
ミニチュア風の写真が撮れる
チルトレンズの作例では、ミニチュアのジオラマ風写真を良く目にするかと思います。ということで、お約束のように撮影してみました。今やスマホのフィルター機能でもおなじみのミニチュア・ジオラマ風の写真になりますね!
AstrHori (アストロリ)って、何処の誰?
AstrHori (アストロリ)は、2018 年に深センに設立された、交換レンズの研究開発、製造、販売まで、光学を基軸とした総合医療、光エレクトロニクス、産業などの光学分野に関わる製品を開発するメーカーらしいです。※プレスリリースより抜粋・引用
X(旧Twitter)のプロフィール欄には「多くの興味深い実用的な用途を備えた新しい創造的なレンズを」「普通の写真家に特別な写真を作成できる適切な価格」と記載されています。
カメラ用レンズのラインナップを見てみても、ほんとに豊富で魚眼、マクロから、超広角まで幅広いラインナップを揃えているようです。
このレンズについて(スタディ)
このレンズはチルトレンズなので、アオリ撮影やミニチュア風撮影を、ボケの角度&幅を操作しながら撮影することが出来るようです。
レンズがグルグル(くにゃくにゃ動かしながら撮影しよう)
レンズのマウント部に一番近い回転部分を緩めると、固定されているレンズが”くにゃくにゃ・ぐるぐる”と全方向に動くようになります(当然、前方方向のみで、真横とか後ろには向きませんよ)。動く方向は上下左右に斜め15度(最大)でぐるっと前方方向1周分で任意に曲げることが出来ます。
撮影時は、ちょっと動くくらいの締め具合にしておき、レンズの角度を探りながら絞りとヘリコイドで好みのボケ具合&ボケ幅(絞り&ヘリコイド)、そしてボケの方向(レンズの角度)を決めていく感じが良さそうです。
絞り(無段階)とヘリコイドで、ボケの幅(ボケないエリア)を調整する
このレンズの撮影は、①レンズを斜め上に向けて、②あとは絞り、ヘリコイドを回し、カメラを左右に振りながら、③イイ感じでボケが出るポイントを探っていく感じで楽しめそうです。※これ超我流なので、、多分・・・普通の撮影方法で無いかもしれませんのでご了承ください。
イメージ的には、普通の写真撮る際の露出合わせとは全く別な感じで、良い絵が現れるまで「絞り」「ヘリコイド」「レンズの角度」をグリグリと探っていく感じです。
因みに、絞りがクリック無しで無段階でグリグリ動くので、操作がしやすいですね。
写りを見てみよう(実写レビュー)
私の好きな建物でレンズのレビューで良く撮影にいっちゃう東京国際フォーラムで試してきました。
下の写真(1枚目)は、空中の「連絡通路」にピント面が来るようにレンズの角度を合わせて、その「連絡通路」がちゃんとピントが合って見えるように絞りを調整しました。
お約束、ミニチュア風写真を
ちょっと、上でも紹介しちゃいましたが、チルトレンズお約束のミニチュアジオラマ風写真も簡単にとれちゃいました。この写真は縦位置中央部分で横一にピント面を持ってきて、あとは絞りを調整して”程よいミニチュアジオラマ感”の場所でシャッターを切りました。
楽しく、過激に使っていきましょう。
ここのブロックの写真は、このレンズでどんな写真が撮れるのか、いろいろチャレンジしてみました。楽しいですね。まだ完成度がちょっと低くてアレですが。。。もっと使い込めば独特の表現が出来る予感がしてきました。
独特な形状のフレアーも出てきます
レンズのレビューでは、、、、お約束のフレアーの出方も試してみました。バームクーヘンの年輪のような面白いのが出ましたよ。
今回のレンズ情報(AstrHori 50mm F1.4 Tilt)
メーカー | AstrHori (アストロリ) |
名称/ブランド名 | AstrHori 50mm F1.4 Tilt |
フォーカス | MF(マニュアルフォーカス) |
焦点距離 | 50mm |
対応撮像画面サイズ | 35mmフルサイズ |
レンズ 構成 | 6群7枚 |
絞り | F1.4-F16 |
絞り羽 | 12枚 |
フィルター径 | φ46mm |
重さ | 約339g(マウントにより異なります) |
最短撮影距 | 0.4m |
マウント | ソニーEマウント 他に、キヤノンRF、フジフィルムX、ニコンZ、M43、L(バヨネット) |
製造国 | 中国 |
生産時期 | 20年 |
相場 | メーカー希望価格48,400円 ※2ndfocusサイト(20240210時点) |
特技/特記 | チルト機構搭載 |
備考 |
参考情報
とるなら 写真道楽道中記:岩石星 AstrHori 50mm F1.4 レンズレビュー 完全版
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