「ノクティルックス」みたいな、、
f0.95のドリームレンズ
ライカの「ノクティルックス」、略して「ノクチ」というレンズをご存じでしょうか?
ライカが世に送り出したf0.95 の、ドリームレンズとも言われている超大口径、ハイスピードレンズです。
f1.0が人間の目で見える明るさって言われており、このレンズのf0.95 って人間の目より明るく見えるレンズって事なんですよね。。。
つまり、私たち「人間」が見えない世界が見えるレンズってことですよね!!!
因みに、このノクチはお値段も超ドリーム価格で100万オーバーが当たり前ってレンズです。さらにレンズ自体も大きく重量も700gの超ヘビー級レンズだったりもします。
10分の1以下の価格でノクチ気分
2020年に、その「ノクティルックス f0.95」に、見た目も写りもそっくりで、価格が10分の1よりも安いレンズ TTArtisan 50mm f0.95 が中国のレンズメーカーから登場したのです。
ノクチが100~150万/本くらいの価格なのに対して、こちらのレンズは定価でも10万ちょい。中古だと5~8万程度で入手できてしまいます。なんともヤバいレンズですね。。。
作ったのは、中国の深センにある銘匠光学(めいしょうこうがく)という、ライカMマウントのレンズを中心にラインナップする最近できた新しいメーカーで、TTArtisan(ティーティーアーティザン)というレンズのブランド名で展開しています。日本では焦点工房さんが販売代理店として展開しています。
レンズに話を戻すと、肝心の写りは「安かろう悪かろう」ではなく、とてもよく写ります。実際にプロのカメラマンが撮り比べてもノクチと遜色がない出来だといいます(Link先の記事の下のほうです。香港在住の・・・のくだり)。
見た目も写りも ”ノクチ気分” ですね!
重さ690gはMFで
このレンズは、とても贅沢なレンズ構成をしております。故にめちゃめちゃ重く690gもあります。私がいつも利用している、MFをAF化できる「電子マウントアダプタ」は、レンズの重量制限があり、マウント変換アダプタとの合計でMAX500gが推奨とされており使えません。
よって、このレンズを利用するにはMFでガシガシとピントを合わせていかないといけません。でも逆に、MFでピンを合わせることにより、このレンズの楽しさである「f0.95」の世界を ”没入感” 満点で堪能できるレンズと考えたら、これも一興ですね。
TTArtisan 50mm f0.95 運命の出会い
実は、ひょんなことから、2023年の「初買いレンズ」の1本が、この「 TTArtisan 50mm f0.95 ASPH 」となりました。お散歩がてらに中野のフジヤカメラさんを覗いた際に、嘘みたいな価格で鎮座していたのですよ。こちらのレンズが(中古です)。
お店には、同じものが3本並んでおりまして、、このレンズは「PriceDown」と値札に記載されていて、お値段は一番高いものの半額です。思わず2度見してしまいました。
店員さんに理由を聞いてみると、特に不具合などの理由があるわけではなく「展示期間」が少し長くなり、他の在庫が出来てきたため、商品の回転をよくするために値下げをしたばかりだとのこと。ちなみにレンズの状態は「AB-」ととても良い感じです。
ということで、全くの予定外だったのですが、即お持ち帰り決定となった次第です。
や、ヤバいぞ、こいつ。
最初に動作チェックがてらテスト撮りです。
おっ!写りが違うなあ。。これがf0.95の世界なのか。。。テスト撮影のために深夜散歩をしてみました。
その時の写真をご覧ください。正直びっくりしました。
凄いです。f0.95ってこんな世界を見せてくれるんだ。。。。溜息。
深夜徘徊が楽しくなるレンズ
深夜徘徊(散歩)と、早朝徘徊を何度か行い、このレンズにどんどん惚れ込んでおります。もう、ホント楽しいのです。今まで見たことのないような世界を覗けて切り取れるのが。
なんでも絵になる脅威のレンズ
当然、このレンズは日中でも楽しめます。このレンズ使ってると、何撮っても絵になる気がしてきます。ただし、、このレンズを入手してから晴れた日に撮影ができていない為、ガッツリ晴れた日のことについては、また別の機会に書いてみますね。
あ、絞り解放だと少々・・・周辺減光でとか滲みもでますね。。でもよい意味でいい雰囲気かも!
絞っても良いんです。
最初は喜んで、f0.95の解放ばかりで撮影していたのですが、このレンズの写りを見ていて「絞ってもすごいんでは!?」と感じで、ぐぐぐっと絞ってみました。
ビンゴ~!! 細くてシャープな線。透明感のある写り。このレンズの絵つくりってモロ私の好みです。
あああ、楽しいなああ。。。
可変NDフィルターがおススメ。
このレンズはF0.95という超大口径レンズであるため、夜の撮影や、雲り空での撮影、また屋内での撮影であれば良いのですが、晴天の日に屋外撮影をするなら、NDフィルターは必須の装備といえます。NDフィルター使わないと、絞りを開いていくと、直ぐに真っ白な写真になったり、緑や紫のフリンジが一気に暴れだします。
解決策として、私が選んだのは「可変NDフィルター」を利用してレンズに入る光を暗くする方法です。この方法ですと、晴天の日に絞り解放でも問題なく撮影が可能になります。
今回は、 Kenko-Tokinaさん本社のサービスショップに行った際に、社員さんと相談して、可変NDフィルター「バリアブルND Initial」を選びました(可変NDの中ではコスパ良い)。この可変NDフィルターは、これ1枚でND3〜ND450相当の濃度をカバーできるので、どんな天気でも逆光でもガンガン使えるのですよ。
可変NDフィルターを使って、晴天の昼下がりに撮影してみたら大成功です! 晴れた日でも良い感じで使っていけそうです。
また、他のレンズと可変NDフィルターを共用できるように、このレンズのフィルター径67㎜よりも1サイズアップして72㎜の可変NDフィルターを選びました。
マウント変換アダプター
レンズがライカMマウント仕様ですので、必要となるマウント変換アダプターは「ライカMマウント⇒ソニーEマウント」になります。
上記に記載しましたように、レンズの重量が690gと重く、AF化できる電子マウントアダプターの重量制限(500g)をオーバーしたので、利用推奨は致しません。
※でも、レンズを手で支えながら、AF化で動かしてみたら普通に動きました。。これは自己責任でお願いします。
今回のレンズ情報
メーカー:銘匠光学(めいしょうこうがく)
名称/ブランド名:TTArtisan(ティーティーアーティザン)50mm f0.95 ASPH
フォーカス:MF(マニュアルフォーカス)
焦点距離:50 ㎜(35mm判換算)
センサーサイズ:フルサイズ
レンズ:8群11枚(ED(特殊低分散)レンズ2枚、ASPH非球面レンズ1枚、高屈折低分散レンズ8枚)
絞り:f0.95~16
絞り羽:14枚
フィルター径:67mm
重さ:690g
最短撮影距:0.7m
マウント:ライカM
生産国:中国
生産時期:2020年
相場:(New)100,000円程度、(Used)40,000円~90,000円程度
特技/特記:マウント部に18金メッキ。
備考:AF化マウントアダプターは、重量オーバーの為利不可。
参考になるページ
澤村徹のカメラガジェット放浪記 第19回「待望のF0.95の実力やいかに」
PHOTO YODOBASHI:TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH
デジカメwatch:開放F0.95の超個性派レンズ
写真委こだわる:TTArtisan 50mmF0.95レンズを使ってみました
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