今回紹介するレンズはThypoch(タイポック)という、中国で新しく出来たレンズメーカーの「Thypoch Simera 75mm f/1.4 ASPH. 」。このレンズは2025年に池袋で開催されたクラッシックカメラ博でThypoch の販売代理店である「焦点工房」の社員の方からおすすめ頂き、その場で実際に覗いてみたら・・・あまりの素敵さに一目ぼれ。その場でお持ち帰りしたレンズです。
Thypoch(タイポック)とは
Thypoch(タイポック)は、2023年に中国深センのシネレンズ専門メーカーのニューブランドとして登場しました。往年のレンジファインダー期の精巧な機械設計と、現代の光学技術を融合したプロダクトを開発しており、ブランド名は古英語で、”thy” は「あなたの」 、”epoch” は「時代」を意味し、あなたの時代に寄り添うという願いを込めて “Thypoch” と名付けられました。現在、高性能なMマウントレンズを中心に据えた「Simera(シメラ) 」シリーズと、古き良き時代のレンズを復活させた「Eureka (エウレカ)」シリーズを展開しています。また、シネマレンズで知られる「DZOFILM」と密接な関係を持つグループブランドであり、そのノウハウを受け継いだ設計が大きな特徴です。
※Thypochの説明ページより引用
Simera Series(シメラ・シリーズ)とは
Simera(シメラ)は、ギリシャ語で「今日」を意味する“σήμερα(シーメラ)”に由来し、光学性能を追求するプロフェッショナル向けシリーズ。ラインアップはすべて開放F1.4の大口径単焦点。複数の特殊レンズとフローティング機構を組み合わせ、近接から無限遠まで高い解像力を保ちながら、シネマティックな描写を実現します。
※Thypoch/Simeraの説明ページより引用
Simeraって、35mmが登場した時に「レンズ構成がズミルックスと同じ」ということで「中身はズミルックス!」「貧者のズミルックス」なんて感じで少し話題になったのですが、現在の公式からの文章によると、シネレンズの技術の方にウェイトが置かれているようですね。35mmが登場した時期にお借りした際のレビュー記事を下記に貼っておきますので、興味の駆る方は、その時の雰囲気を感じて頂ければと思います。
「Thypoch Simera 75mm f/1.4 ASPH. 」について
シネマティックな写り&中判カメラでも使える設計
では、今回の「Thypoch Simera 75mm f/1.4 ASPH. 」について見ていきたいと思います。
まずは、公式の説明文を引用させていただきますね。
「クラシック美学と現代技術の融合」
Thypoch(タイポック)Simera 75mm f/1.4 ASPH. は、クラシックなデザイン美学と現代的な描写性能を融合した中望遠レンズです。コンパクトな設計ながら49mmのイメージサークルを備え、フルサイズを超えるセンサーにも対応可能で、中判カメラへの応用性も広がります。光学系には非球面レンズ1枚、高屈折レンズ2枚、EDレンズ2枚を採用し、開放F1.4から優れたシャープネスとコントラストを実現。16枚羽根の絞りは円形に近い滑らかなボケを生み出し、映画的で立体感のある描写によって被写体を際立たせます。そのライカ製f/1.4シリーズを思わせる描写は、高精度とシネマライクな表現を追求するフォトグラファーにとって理想的な中望遠レンズです。


「シネマ規格の光学性能、卓越した描写力」
Simera-C 75mm T1.5 シネマレンズと同じ光学設計を採用し、開放F1.4でも自然で滑らかなシネマティックなボケを実現。浅い被写界深度と繊細なボケ描写によって被写体を際立たせ、立体感のある魅力的な表現を生み出します。


※Thypoch/Simeraの説明ページより引用
今回の75㎜は、上記の公式からの説明にあるように”Simera-C 75mm T1.5 シネマレンズと同じ光学設計を採用”しているようですので、35mmの時のように「中身ズミルックス」って話は、ネットやSNSでも見られないようです。因みにSummilux 75mm f1.4 のレンズ構成図と比較して、レンズ構成が違うようですね。
参考:Summilux 75mm f1.4レビュー(アトリエライカさん)


レンズのビルドクオリティは良好で、ヘリコイドの動きも滑らかです。また75㎜ f1.4という大口径レンズながら約372gと軽量な仕上がりなので、取り回しも軽快なうえに、下記のようにミラーレス一眼で「電子マウントアダプター」を利用して「AF(オートフォーカス)」化にも対応できます。
Simeraシリーズは、レンズの外観は「Kern Macro Switar」という人気のオールドレンズを現代風にオマージュしたデザインを踏襲しており、絞り環のF値と連動した、被写界深度を可視化するVisifocus(被写界深度ビジュアルスケール)も装備しています。でも、このVisifocusは75㎜の筺体では、本体の大きさに対して”あまり目立たず中途半端な大きさ”になってしまっており、微妙な見た目でしょうか(あくまで個人的な感想ですよ)。
レンズフードは35mmなどに付属していた角型ではなく円形のもののみ付属しています。流石専用のフードだけあって、装着すると一体感があって良い感じですね!
開封の儀
新レンズといえば、お約束の開封の儀。いっときます。








写りを見てみましょう
”明るく澄んだ色味”が嬉しい
では、実写レビューということで、写りについて見ていきたいと思います。※写真の腕については精進中ということで、突っ込みはご遠慮いただけると助かります。。。
Simeraというレンズは、写りが良い上に「色味」がステキなのです。昨今Leicaオマージュレンズが幾つも出てきていますが、それらの中で、一番Leicaレンズの色味に近いのがSimeraではないかと、個人的には感じています。その理由は ”明るく澄んだ色味” です。
他のオマージュレンズも、写りの特徴はイイ感じで再現されていると感じるのですが(キレは本家以上の場合も)、上記の ”明るく澄んだ色味” が”落ち着いた澄んだ色味” として表現されるものが多いと感じていました。
そんな中、Simeraシリーズは、 この”明るく澄んだ色味” を魅せてくれたのです。ということで、ちょっと感動すら覚えました。まあ、これは個人的な感想とか、好みの類のことだとおもうのですが私的には嬉しいポイントでした。
前ボケがとにかく美しい



立体感のある描写力がステキ



夜も ”超” 楽しい
この澄んで美しい玉ボケ最高ですよね。周辺部はどんどんレモン型になっていくんですが、それも含めて美しく輝いてくれます。レンズの質&コーティングが良いからなんでしょうか。
光源に向けて撮影すると、フレアー&ゴーストが発生しますが、このレンズのものはちょっと特殊な輝き方をしています(下記の4枚目)。因みに絞りは解放での撮影です。








当然ながら、日中も素敵な写りです。




中判カメラでも使える!
このレンズを推奨頂いた焦点工房の社員さんのご厚意により、会場で中判のデジタルカメラであるGFXに、このレンズを装着して何枚か撮影させてもらうことが出来ました。
この写り激ヤバですよね。立体感半端ないです。
開場を出た後、カフェでGFXの中古価格を調べまくったのは内緒の話です(レンズ買った後なので、冷静になって、踏みとどまることが出来ました)。


ということで、下記に、①ライカMマウントレンズをGFXで利用できるように”マウント変換”が出来るマウント変換アダプターと、②中判ミラーレスデジカメを”手頃”な価格で実現できそうな「GFX」の本体(中古)をいくつかご紹介しておきますね!
※GFXセンサーは35mm判(フルサイズ)より小さいため、センサーサイズ(約43.8mm x 32.9mm)と35mm判(36mm x 24mm)の比率から、約0.79倍が換算係数となります。因みに75mmの本レンズは、35mm換算で59.25㎜相当となりますね!
① ライカM→Gマウントへの変換
② FUJIFILM GFX を手頃な価格で探す
レンズのスペックについて
| 対応マウント | ライカM |
|---|---|
| 型番 | 型番:TP-S75M-BLK(ブラック) TP-S75M-SR(シルバー) |
| 主な仕様 | ・対応撮像画面サイズ:35mmフルサイズ ・焦点距離:75mm ・レンズ構成:8群9枚(ASPH非球面レンズ1枚、EDレンズ2枚、高屈折レンズ2枚) ・フォーカス:MF(マニュアルフォーカス) ・絞り:F1.4-F16絞り羽根:16枚 ・最短撮影距離:0.6m ・フィルター径:58mm ・サイズ:約Φ62×64mm ・質量:約372g ・付属品:前後キャップ、レンズフード |
| 保証期間 | 自然故障に限り1年間保証。 ※焦点工房でご自身が購入したレンズに限定 |
| その他 |
併せて欲しいもの
レンズ保護にMCプロテクターを
日中でも「絞り解放」で楽しみたい方の必須品!?
ミラーレス一眼でAF(オートフォーカス)化して楽しむ
SONYのαシリーズで、AF化して楽しみたい方は「LM-EA9」がおススメです。
NikonのZシリーズでAF化して楽しみたい方は「TZM-02」がおススメです。
※因みに、両商品ともに、ご自身の利用カメラが上記TECHARTの電子マウントアダプターの適用機種であるかを確認してからご利用してくださいね。あと、ファームのアップデート等で不具合などが出ることもありますのでご承知おきください。気になる点などは、販売代理店である「焦点工房」さんにご相談をお勧めします。
参考情報

それにしても、、レビュー記事の少ないレンズです。
写りに対するコスパや作り(ビルドクオリティ)からみて、もっと話題になっても良いレンズかと思うのですが、、、。
隷好堂巡礼:Thypoch Simera 75mm f/1.4 導入記:ライカM-Pで味わう、10万円の中望遠という選択
snopansnopan:Something Special 2-13 (final)
↓ 75㎜のベースとなったシネレンズの方のレビューもありましたのでLink貼っておきますね。
PRONEWS:Thypoch「Simera-C T1.5」シリーズレビュー。オールドレンズに代わるタイムレスなシネマレンズセット




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