今回ご紹介するのは、ファントムレンズで一躍話題になった、中国・深圳(しんせん)の新しいレンズメーカー「SG-image(深光光学)」から登場した意欲作、APS-C対応の超広角MFレンズ「SG-image 12mm F2.8」です(35mm換算18mm相当)。このレンズの最大の魅力は「安いのによく写る!」「しかも超広角」もうこれに尽きます。なんと驚きのギリ1万円台という価格でありながら、その写りは価格破壊と呼べるほどのクリアさ。まさに「低価格×良い写り」に振り切った、超コスパの超広角MFレンズと言えるでしょう。
今回のレビューでは「SG-image 12mm F2.8」がどんなレンズなのか、実際に私が使って感じたメリット&デメリットを作例を交えて解説していきたいと思います!超広角レンズを使ってみたいけれど、予算を抑えたい…そんなあなたに、ぜひ最後まで読んでいただきたい記事です!
※このレンズは、「SG-image」の輸入代理店である「2ndfocus」さんからレビュー用に貸し出しいただいて書いています。貸与に当たっては、レビューに内容に関する指示などは一切ありません。ということで、いつものように、このレンズをガッツリ楽しみながらレビューを書かせていただきました。
G-image(深光光学)ってどんなメーカー?

まず、このレンズを送り出した『SG-image(深光光学)』について簡単にご紹介しますね。
SG-imageは2023年に中国深圳で設立されたばかりの、とても新しいレンズメーカーです。ですが、実はもともと某メーカーのODMメーカーとして10年以上の実績がある実力派!ODMとは企画・設計から担当する形態なので、光学技術に対する確かな技術は間違いありません。
「SG」は中国語の「深光」を意味し、「深圳の光学技術が世界をリードする」という願いが込められているそうです。日本国内での販売は、いつもレビュー用レンズを貸していただいている「2ndfocus」さんが輸入代理店として取り扱いをされています。
【SG-image 12mm F2.8】の主な特徴
こちらのレンズの特徴については、まずは販売代理店である「2ndfocus」さんの紹介ページから引用しておきますね!
【SG-image 12mm F2.8】の特徴(公式説明から)
「開放F2.8で、隅々までクリアな98°視界。」
「SG-image 12mm F2.8」は、APS-Cセンサー対応の超広角単焦点レンズ。98°という広い画角で都市のビル群や広大な自然景観を余すところなく収めることが可能です。高屈折率レンズ3枚・非球面レンズ1枚を含む8群10枚の光学設計により、開放から画面隅々までクリアでコントラストの高い描写を実現。明るい開放F2.8は夜景や星景撮影でも被写体を鮮明に捉え、豊かな階調表現を可能にします。また、最短撮影距離0.2mにより被写体に寄った広角撮影も楽しめるため、建築物の迫力ある構図や背景を大きく取り込んだ風景表現など、多彩な撮影シーンに対応します。金属鏡筒を採用しながら約300g前後の軽量設計を実現しており、日常から旅先まで幅広い撮影シーンに対応します。操作面では、クリック感のある絞りリングと適度な重さを持つフォーカスリングを採用し、直感的かつ確実なマニュアル操作をサポートします。




【SG-image 12mm F2.8】のスペック
「SG-image 12mm F2.8」の基本的なスペックを見ていきましょう。
製品名 | SG-image 12mm F2.8 |
メーカー | SG-image(深光光学) |
対応センサー | APS-Cサイズ |
焦点距離 | 12mm(35mm換算 約18mm相当) |
マウント | ソニーE、富士フイルムX、キヤノンRF、MFT、ニコンZ、ライカL |
絞り | F2.8 – F16(絞り羽根7枚) |
レンズ構成 | 8群10枚(高屈折率レンズ3枚、非球面レンズ1枚を含む) |
最短撮影距離 | 0.2m |
質量 | 約300g前後 |
フィルター径 | 装着不可 |
メーカー所在地 | 中国深圳 |
実勢価格 | ¥19,800 (2ndfocus ECサイト) \20,400(Amazon 2025/10/12) ポイント: 612pt付き(実質\19,788) |
その他 | 付属品:レンズキャップ、リアキャップ 2年間(自然故障が対象) |


ポイントはここ!
- F2.8の明るさを持つ超広角単焦点レンズ。
- 高屈折率レンズ3枚、非球面レンズ1枚を含む8群10枚のレンズ構成と、低価格なのに気合の入った光学設計!
- 超広角なのに最短撮影距離0.2mで、被写体にグッと寄れる!
- 金属鏡筒を採用しながらも約300gと軽量で持ち運びやすい。
- しかも、実質ギリギリ1万円台!という超コスパレンズ。
外観デザインと操作性
金属鏡筒で、質感は非常に高いです。価格を考えると頑張っていますよね!全体的にコンパクトで、質量も約300g前後と軽量なので、日常的に持ち出しやすいのが嬉しいポイントです。


デザインで特にいい感じなのは、シネレンズのようなカッコいいレンズキャップです。

SG-imageのレンズは、金属製のレンズキャップに焦点距離が刻印されているんですよ。これを装着して並べると、なんだかシネレンズのセットみたいで、ちょっと楽しそうですよね!
操作性について
フォーカスリングは、しっかりとしたトルクを感じる重さでスムーズに操作できます。また、MFレンズですが、超広角なので、少し絞ってパンフォーカス撮影にしてしまえば、ピントも気にせず、テンポよく撮影できます。
一方で、一つだけ「惜しい!」と感じたのは、絞りリングの操作性です。
このレンズは絞りリングがレンズの一番後ろ(カメラ本体側)に設置されており、かつ非常に細いんです。そのため、頻繁に絞りを調整したい人にとっては、「超操作しにくい」と感じるかもしれません。

しかし、多くの場合、超広角レンズは絞って使うことが多いため、運用上はあまり気になりませんでした。ですが、このレンズは最短撮影距離0.2mで寄れるからこそ、開放F2.8でボケを楽しむ機会も多いはず。モデルチェンジの際には、ぜひとも改善してほしいポイントですね!
画質と写りの特徴【作例多数】
さて、このレンズの最も注目すべき点、画質と写りについて見ていきましょう!一言で言えば、「この価格でこんなに写るんだ!」という嬉しい驚きに尽きます。


①クリアで高い描写




高屈折率レンズ3枚・非球面レンズ1枚を含む8群10枚という、気合の入った光学設計のおかげか、開放から画面の隅々までとってもクリアな写りを実現しています。
安いレンズにありがちな、画面が眠たい感じは無く高感度UPです。特に光を捉えた時の描写がとてもいい感じで、この価格帯のレンズとしては異例のクリアさだと感じました。
②超広角ならではのパースと上を向く楽しさ



このレンズは、とにかく上を向いて撮影する構図が超楽しかったです!
街中で見上げるそびえ立つビルや家並みは、普段自分の目で見ている景色とは違う、ダイナミックなパース(遠近感)が付いたカッコイイ見え方になります。超広角だからこそ再発見できる、新鮮な景色ですね!
③絞り込んでのパンフォーカスも最高


オフィスビルや公園など、ググっと絞って撮影すると、詳細までしっかり描写しつつ、良い感じで光を捉えたシャープな画が手に入ります。曇り空でも最近のデジタル一眼ならISO-AUTOにしておけば、問題なくバッチリ撮れちゃうのが嬉しいですね👍
④夜景でもクリアな写りは健在!


夜間撮影でも、そのクリアな写りは健在です。街の灯りやネオンを美しく捉え、普段とは違う夜の街を再発見させてくれます。マニュアルフォーカスですが、超広角なのでピント合わせもそこまでシビアにならず、気軽に夜景撮影を楽しめました。


【SG-image 12mm F2.8】を実際に使って感じた5つのメリット
私がこのレンズを使って、特に「これは素晴らしい!」と感じたメリットを5つご紹介します。
1. 圧倒的なコストパフォーマンスと画質の両立!
まず何と言っても、この画質で1万円台という価格が最大のメリットです!実際に使ってみて感じたのは「この価格でこんなに写るんだ!」という嬉しい驚きでした。低価格を実現しつつも、クリアな描写を諦めなかったメーカーの意欲作だと思います。
2. 高い光学性能によるクリアな描写!
高屈折率レンズ3枚・非球面レンズ1枚を含む光学設計の成果なのか、とってもクリアでコントラストの高い良い写りをしているのが嬉しいポイントです。特に光を捉えたときの描写は、このクラスのレンズとしては優秀で、風景や建築物がキリッと引き締まります。
3. 最短撮影距離0.2mで寄れる超広角!
超広角レンズは最短撮影距離が遠いものが多いのですが、このレンズはわずか0.2mまで被写体に寄れます!これにより、手前の被写体を強調し、背景を広く取り込むという、超広角ならではのダイナミックな構図を存分に楽しめます。
4. F2.8開放でボケも楽しめる!
最短撮影距離が0.2mなので、思いっきり被写体に寄ると、F2.8でもいい感じの「ボケ具合」を楽しむことができます!超広角でありながら、背景をぼかした立体感のある写真も撮れるのは、表現の幅が広がり非常に嬉しいポイントです。
5. 金属製のシネレンズ風キャップがカッコいい!
実用性とは少し離れますが、金属製で焦点距離が刻印されたレンズキャップが、地味にテンションを上げてくれます。レンズを並べた時に統一感が出て、所有する喜びを感じさせてくれますよ。📸
少し気になった点・デメリット
超広角単焦点として超優秀なこのレンズですが、正直に使って感じた「ここは少し気になるな」という点も包み隠さずお伝えしますね。
1. フォーカスブリージング現象が発生する
コスパを考えると割り切って考えても良いかと思いますが、このレンズは「フォーカスブリージング現象」*が発生します。これは、フォーカスリングを回してピントを調整した際に、画角(撮影している映像サイズ)がわずかに変化してしまう現象のことです。
動画撮影にも利用しようと考えている方は、ピント送りの際に映像サイズが変わってしまうため、念のために一度実物で確認することをおすすめします。静止画メインなら、そこまで大きな問題にはならないかと思います。
2. 電子接点がなくEXIF情報が記録されない
コストを抑えるため、電子接点がないのは当然のことなのですが、撮影データにEXIF情報(F値などの撮影情報)が記録されないのは少し残念な点です。後で写真を見返す時に「あの時のF値いくつだっけ?」となることがあります。でも、これは「安さは正義!」ということで帳消しですね!
3. 保護フィルターが装着できない
超広角レンズの宿命とも言えるのですが、前玉が球面の形になって迫り出しているため、前面に保護フィルターを装着することができません(超広角感があって、テンションUPするんですけどね・・)。レンズを傷つけないよう、取り扱いや持ち運びには十分注意しましょう。
【SG-image 12mm F2.8】はこんな人におすすめ!
これらのメリット・デメリットを踏まえて、このレンズがどんな人におすすめできるかをまとめます!
✅ SG-image 12mm F2.8がおすすめな人
- 超広角レンズのダイナミックな世界を体験したいカメラ初心者(失敗を恐れず気軽に試せる価格かと!)
- 風景や建築物、星景写真など、広い画角で撮影を楽しみたい人
- マニュアルフォーカス(MF)撮影に慣れている、または挑戦したい人
- 予算を抑えつつも、クリアな写りを重視したいコスパ重視派
- 最短撮影距離の短さを活かして、超広角でのボケ表現も楽しみたい人
❌ 逆におすすめしない人
- 絞りやフォーカス情報をEXIFデータに必ず残したい人
- フォーカスブリージングを許容できない、本格的な動画撮影をメインとする人
- AF(オートフォーカス)がないと撮影が難しいと感じる人
まとめ
「SG-image 12mm F2.8」は、「安いのによく写る!」という言葉がピッタリの、非常に魅力的なAPS-C対応の超広角単焦点レンズでした。
ギリギリ1万円台という驚異的な価格でありながら、クリアで抜けの良い描写性能と、最短撮影距離0.2mという寄れる楽しさを両立させた意欲作です。絞りリングの操作性やEXIF情報がないなど、価格を抑えるための割り切りポイントはありますが、それらを補って余りある「写りの良さ」がこのレンズのコスパの良さです。
超広角レンズの世界は、普段見慣れた景色を全く違うものとして捉えさせてくれます。このレンズは、あなたのレンズラインナップに超広角という選択肢を加えてくれる、ちょっと嬉しい一本になるのではないでしょうか。
ぜひ、このレンズでダイナミックな世界を切り取ってみてくださいね!📸✨
参考情報


2ndfocus:SG-image 12mm F2.8(製品紹介/販売ページ)
Fu->(Image & Creation):【最強コスパ超広角】驚異の「16mm相当」を約2万円で!SG-image 12mm F2.8 レビュー
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