Nikon S2 への道
Sマウントからフィルム撮影へ
先日、ひょんなことから、ニコンSマウントの 50mm f1.4 のレンズをゲットしました。そして、マウント変換アダプターを色々と物色しているうちに、2023年10月に銀座で開催されていた「中古カメラバーゲン2023(J-カメラポップアップショップ)」に出展されていた「カメラのロッコー」さんでパーツ取り用にSマウントを搭載しているジャンクのKeiv(キエフ:ロシア製の35mmレンジファインダーカメラ)を購入しました。そして、その際に購入者用の抽選で「35mmネガフィルム(カリブというブランド)」が当たりました。※カメラのロッコーさんの店主の方、Xのアカウント(旧Twitter)の似顔絵そっくりでしたよ。
最近、フィルム撮影が再び流行っているので、私もちょっとやってみようかなあ・・なんて思っていたところにフィルムが舞い込んできたので、これも何かの縁です。「フィルムで撮影せよ」とのお告げと考えることにしました。
フィルムゲットから 撮影するカメラを検討へ
上記で記載した、ジャンクで購入したkievはシャッターが切れた(動作した)ので、このカメラに景品で当たったフィルムを入れて撮影しようかと思ったのですが、、このkievには、フィルムを巻き付けるスプール(軸)が付いていなかったでの、フィルムが装填できないことが分かりました。
仕方がないので、オールドカメラのパーツがなら何でも揃いそうな、四谷三丁目にある「我楽多屋」さんを訪ねてみました。お店の方に聞いてみたところ、、それは滅多に出てこないので、みんな工夫して使ってるよとのことを教えてもらいました。
どんな工夫かというと、利用済みのフィルムのスプール(軸)を再利用するらしいのです。「ネットを探せば実際に実行している方のBlogがいっぱい出てくるだろう」「自己責任の反中だから、お店としてはこれ以上は言えないんだよねええ。。」って感じで、貴重な情報を頂くことが出来ました。ありがとうございました!勉強になります。
でも、フィルムなんて30年くらい使ってないし、使用済みのフィルム持ってないのでスプール(軸)も持ってません。何より、上記のジャンクKievはシャッターは切れるものの、シャッタースピードがちゃんと出るかもわかりません。30年ぶりくらいのフィルム撮影にはちょっとハードルが高すぎる気がしてきました。
”使える”フィルムカメラをゲットしよう。。。
フィルムは景品で貰ったものの、撮影したあとの現像代も必要になるので、やっぱりちゃんと撮影できるフィルム用のカメラを使いたいと考えて、格安でちゃんと動きそうなカメラを物色していました。
そんなある日、東京の中野にあるフジヤカメラさんの定期巡回(お店の出物チェック)のついでに、中野のカメラのキタムラさんを覗いたら、OLYMPUSの OM-1 がジャンクで2台ありました。1台が低速シャッター故障、もう1台が露出計故障とのこと。でも、お値段は共に3800円!
実は私はOLYMPUSが好きなので、どちらかを買って、これでフィルム撮影を使用かなと考えたのですが、向かい側のショーウインドウに、キラキラと光る NIkon S2 を見つけてしまったのでした。
Nikon S2との出会い
ということで、ようやくNikon S2にたどり着きました。
この Nikon S2 は、カメラのキタムラ(中野店)で、「良品」「キートス整備済み※」「シャッター幕補修済み(ペイント)」「裏ブタ打刻痕ある」という状態で販売されていました。一般に売られている Nikon S2 の価格と比しても結構な安さです。
お店の人に「これってお得ですかね??」って聞くと、「キートスさん整備済みでこの金額は破格ですよね」とのことです。手に取ってみても、状態が良く、シャッターをはじめ各部がキビキビと心地よく動作します。しかも超キレイです。モノとしての所有欲をくすぐるあかんヤツです。
一度は思い留まって帰宅の途に就いたのですが、中野駅の駅前まで来て「この出会いは運命だろ~」「あとで後悔しそうだなああ。。」と思い、引き返してGETしたのでした。
※フォト工房キィートス:Nikon正規修理代理店で、カメラのキタムラさんはNikon製品の整備をキィートスさんによく依頼しているようです。
(余談)賞品は「カリブ」というフィルム
「中古カメラバーゲン2023(J-カメラポップアップショップ)」の購入者向けの抽選で「F賞」を引き当てて頂いたのが「カリブ」という名の35mm用フィルムでした。
これがどんなフィルムかよく知らずに、Nikon S2 & Nikkor HC 50mm f1.4(Sマウント)で撮影してみたのですが、現像してみて粒子が粗々なのにビックリしました。
この「カリブ」というフィルムは「麓フィルム (フモトフィルム)」という会社が販売しているブランドのひとつで、「粒子が粗くノスタルジックな雰囲気」の写りのフィルムだったようです。実際の写りを見て納得です。※実は結構良いお値段のフィルムだったんですね!!(作例は少し下から)
Nikon S2 について(スタディ)
話をNikon S2 に戻します。このカメラは1954年12月に発売された機種だそうです。なんと半世紀前を超えて69年も前のカメラなんですね。
Nikon S の後継機種として改良版で発売される予定でしたが、1954年4月にドイツで行われたフォトキナというカメラの展示会で、革新的な機構を多数備えた「ライカM3」が発表されたため、急遽改良を加えその年の12月に発売にこぎつけることが出来たそうです。※詳しくはこちらの方のBlog等を参考にどうぞ。
Nikon S から S2 への主な改良点は下記の箇所。
※ Sの改良型というよりほとんど新設計っぽいらしいです。
- ボディがダイキャスト製になった(Sは砂型鋳物を採用したボディ)
- 画面サイズがライカ判のフルサイズである36×24㍉になった
- シャッタースピードの最高速が1/1000秒に対応(Sは1/500秒)
- フィルムの巻き上げ機構がレバー式になった
- ファインダーが等倍になった(但しフレームは50ミリ標準レンズ用のみ)
- 裏蓋開閉のキーが1個になった(Sは2個) 等々
因みに、このS2には前期型と後期型があり、今回入手したのは前期型です。因みに前期型と後期型の違いは、シャッターダイヤル、フィルムカウンターなどが黒地に白文字となっていて、黒ダイヤルと呼ばれているそうです。※こちらのページに写真付きで説明がありますので参考にどうぞ。
写りを見てみよう(実写レビュー)
今回利用したフィルムは、上記に記載した「麓フィルム」の「カリブ」です。ISO感度400で24枚撮り、粒子粗めのノスタルジックな雰囲気&やや硬調でコントラストの強い仕上がりというのが特徴です。ですので「カリブ」な写りであるということを念頭にご覧いただければと思います。
30年ぶりの、レンジファインダー初体験のおっさんの記録です。生暖かく・・見守ってやってくださいませ。。
”っぽい” 写りかしら。。
ちょっとオーバー気味なのか、「カリブ」という特殊なフィルムの特性なのか。。。今の私には判断する知見がございません。。次は普通のフィルムで撮影して違いを感じてみようと思います。
そうなんです、確かに「カリブ」の説明通り粒子が粗めですよね。
露出はアプリに聞こう。
もう、長いこと生きてきましたが、、実は、フルマニュアルの露出なんて、やったことがございません。。ということで露出計を探そうと物色していたのですが、これ以上出費を重ねるのを避けよるために、iPhoneの露出計アプリを探してみたら「覚える露出計」という、なんとも今の私にぴったりの名前のアプリがありましたので、ダウンロードして使ってみました。こりゃ便利だ。
今回利用している、ニコンSマウントのレンズはこちら。
Sマウント用の 35mm f2.5 についてはこちら
Nikon S2(前期型)の主なスペック
下記のスペック表の多くは、こちらのBlogから引用させていただいています。
メーカー | Nikon(日本光学工業株式会社) |
ブランド名/名称 | Nikon S2(前期型) |
形式 | 35mm距離計連動式透視ファインダーカメラ |
ファインダー | アルバタ式二重像合致式、距離計連動式等倍ファンダー(50mmフレーム固定) |
シャッター | 横走り布幕フォーカルプレーンシャッター(ゴム引き絹羽二重シャッター幕)T、B、1s~1/1000s |
シャッター設定 | 回転式ダイヤル高低速同軸 |
シンクロ | FP~X |
レンズマウント | ニコンSマウント |
フイルム巻き戻し形式 | ARリング・クランク |
フイルムカウンター | 手動復帰式 |
大きさ | 136×78×43.5ミリ |
重量 | 640グラム(ボディーのみ) |
発売日 | 1954年12月10日 |
販売価格(USED) | 3.5万~12万程度 |
参考情報
秘宝堂:[Nikon S2]
CAPA CAMERA WEB :【ニコン歴代カメラ】ニコン S2 – すべてを一新したベストセラー機
kageの機材庫:日本光学 Nikon S2
Camera Graphic:距離計連動式ニコン
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