「世界の中古カメラ市」は危険!?がいっぱい。
先日公開したBlogで「世界の中古カメラ市」について少し書いてみました。毎年、東京の松屋銀座という百貨店の催事場で開催されるこの催事はホントにキケンなんですよ。ちょっと油断すると、何かが増えるイベントなのです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
憧れの「M型ライカ」の原点。
今年の収穫は、Leica M3!!
このLeicaM3は、M型Leicaの原点と言われるカメラらしいです。バルナック型から一気にM型に進化した記念すべき機種だとか。このM型Leicaが登場した為、Nikon S2 は発売を延期して機能が練り直されたとか、、どこかで読んだ気がします。それほどカメラ業界に衝撃を与えたエポックメイキングな1台だったようです。特にM3のファインダーは超優秀で明るく美しいとか。
実はこのファインダーはコストが掛かりすぎるので、後に登場したM2以降ではスペックを落としたん仕様になったらしい。そんなことを聞くとM3を覗きたくなるのが、、、、「沼に魂を・・・な人たち」の悪い癖ですよね。しらんけど。
あ、そうそう、因みに Leica M2 って、M3の後に出た機種だったんですね。M2って数字から、M3の前に出ていたのものと勘違いしていました。
「いつかはM型 Leica」
なんて思っていたのですが、そこまでリアルに考えていなかったので、購入前にちゃんと調べて(予習して)いなかったんですよね。なので、M3は35mmのレンズ使う時に外付けファインダーが必要で、M2以降は既存のファインダーで利用できるってことも、M3購入後に知りましたとさ。。
製造年月を調べてみよう。86万番台。福耳のダブルストローク。
とはいえ、
「いつかはM型 Leica」の「いつか」がいきなりやってたのです。
ということで、このM3について調べてみました。
M3はM型ライカの元祖でありベストセラー機です。なんと1954年から1966年までの13年で約22万代が製造されたそうです。13年も製造しているので、マイナーチェンジも頻繁に行われたようです、
今回GETしたM3は、製造番号は86万代後半の福耳、ダブルストロークと言われる機種です。製造番号から製造年を調べてみると、なんと1957年製と判定でました。
このLeica M3は細かなバリエーションがあるようで、私の購入した個体は、①レンズを交換するだけでワインダー内のフレームが自動変更されるファインダーセレクトレバー付き(製造番号785801番から)、②福耳と呼ばれるフィルム巻上げレバーの形状、③フィルム巻上げを2段式で行う「ダブルストローク」(製造番号919151からシングルストローク)、④シャッター速度の並びは等倍式です(この86万代はシャッタースピードのダイヤルが製造番号854001番から、等倍式に変更されたそうです)モデルであることが分かりました。その他にもいくつかあるようですが、割愛します!
詳細は「カメラのナニワ BLOGS:ライカM3のマイナーチェンジについて」についてを参考に!!
噂のファインダーって、どどうよ?
LeicaM3のファインダーは、本当に明るくて綺麗!超クリアーで晴れた日なんて、ファインダーの中で「世界が光り輝いて見えてしまう」くり美しいです。
ですので、、、LeicaM3を検討される際は、ファインダーのきれいなモノを探すことをお勧めいたします。
使い方を学習する
各機能のスタディ
まずは、各ボタン/レバー、機能についての説明です。他のレンジファインダーカメラを利用されている方はほぼ同じです。
《カメラを上から》
- ①巻き戻しノブ
- ②アクセサリーシュー
- ③シャッタースピードダイヤル
- ⓸巻上げレバー/シャッターボタン(レバーの根元の場所にある丸いボタン)※福耳
- ⑤フィルムカウンター
《カメラを前から》
- ①巻き戻しレバー(フィルム巻き戻し時のロックを外し、巻き戻しが可能になる)
- ②セルフタイマー
- ③レンズロックボタン
- ⓸視野枠理切り替えレバー(レンズを装着するとレンズに合わせた窓に自動で変わるけど)
- ⑤距離計窓
- ⑥採光窓
- ⑦ファインダー窓
《カメラを下から》※底蓋
- ①底蓋ロックカバー
- ②三脚取り付けネジ
《カメラを後ろから》
- ①接眼窓
- ②③ストロボ接点、フラッシュ接点
- ⓸フィルムインジケーター(ISO感度や、カラー/モノクロを忘れないように合わせておくプレート)
- ⑤裏蓋
(撮影前)フィルムを詰めてみよう
①底蓋&背面の蓋(裏蓋)を開ける
まず、底蓋を外します。方法は底蓋ロックカバーを上にあげて「open-auf」と共に書かれている”→”の方向に回すと底蓋を開けることが出来ます。
②フィルムを切る(ハサミでジョキ)※不要とのこと!
底蓋と裏蓋(背面)を開けます。そうすると、下記の写真の①のような説明図が出てきますので、その形状と同じ形にフィルムをカットします。専用のカッターも販売されているようですが、ハサミでジョキジョキ切れば良いです。※M3は切らなくても良いと、フォロワーさんから教えて頂きました!!
あ、あと③の「スプール」を引っ張って抜いておきましょう。
③スプールにフィルムを差し込む(グリグリ)
上記写真の③「スプール」に、底蓋を開けて出てきた説明図を基に、フィルムの先端を挟み込みます。そして、その図と同じ向きにしてカメラに入れていってください。
④スプール差し込んで、フィルム巻き上げ(パシャパシャ)
フィルムを挟み込んだスプールをカメラに押し込んだら、下記の写真で赤丸の箇所に注目です。フィルムの小さな四角い切れ目の部分が、下にあるギザギザの部分(スプロケット)にハマるようにしてください。
その後、フィルム巻上げレバーをジャーコジャコ(ダブルストローク)と回してシャッターを切ります。フィルムの上記の溝がちゃんとスプロケットに装着されていおり、フィルムが巻かれていればOKです。
次は底蓋を閉じて、上面の右橋にあるフィルムカウンターに注目です。このフィルムカウンターはフィルムを装填すると自動で「‐2」になるので、「0」になるまでパシャパシャしましょう。
⑤蓋を閉めて出来上がり!(背面扉要注意!)
(撮影後)フィルムを取り出す
フィルムを巻き戻す
左写真(正面)の①のレバーを「R」の方に倒すとフィルムの巻き戻しが可能になります。その後右写真(上から)の①のレバーを引っ張り、矢印の方向にクルクル回すとフィルムの巻き戻しが出来ます。
底蓋を開けて、フィルムを取り出す
フィルムの撮影が終わったら、フィルムを取り出して現像ですね!ということで、このブロックでは、フィルムを『巻き戻す』『取り出す』についてみていきます。
フィルムを『巻き戻す』
1枚目の写真のように、上面の左端にある「巻き戻しノブ」を上に引っ張り、矢印の方向にくるくる巻きます。くるくるくるくる回して、フィルムがスプールから外れた感触が来れば巻き戻しは完了です(スプールから外れると、巻き戻しが一気に軽く回ります)。
フィルムを『取り出す』
下記の2&3枚目の写真のように底蓋を開きます。次は4枚目の写真のようにフィルムを引っ張り出します。フィルムを取り出したあとは逆の順番で裏蓋&底蓋を閉ます。
写りを見てみよう
荒川の河川敷にて(朝の景色)
スタバにて(お昼の屋内の景色)
撮影機材/フィルム情報
レンズ1本目は「Thypoch simera 35mm f1.4 ASPH.」
フィルムは「FOMAPAN400」 by かわうそ商店(告知事項ありフィルム)
レンズ2本目は「周ノクチ」/FOMAPAN400(告知事項ありフィルム)
レンズ3本目は「沈胴ズミクロン」(山崎磨き)/FOMAPAN400(告知事項ありフィルム)
Comming Soon!(現在撮影中!)
別れは突然に、そして・・・
レンズが外れる!?。。。ゾ!!
こんな感じで、憧れのM型Leica生活が始まりました。その数日後、CPプラス2024(旧カメラショー)が、パシフィコ横浜で開催されたので、見に行ってきました。もちろんM3持って。
M3には、先日届いたばかりの「周ノクチ」を装着して、テスト撮りをしてくる予定でした。で、CPプラスを後にして、M3でパシャパシャと撮影して帰ろうとしていると、M3本体からレンズが外れそうになりました。『ええええええ~っ!!!ヤバい』と顔面蒼白です。危機一髪。キケンでした。
レンズを、きちんとM3に装着してロックも確認して、再度撮影です。
で、ピント合わせようとヘリコイドを回すと、、、レンズ自体もぐるっと動いて、周ノクチがM3から”ズレる”感覚がありました。背筋が凍るとはこのことです。
M3のマウントに装着してロックを確認したはずのレンズが、外れようとしているのです!!!!今回もピント合わせるためにレンズを握っていた手の平のおかげで落下を免れました。
詳しく確認してみると、、、M3のマウントに周ノクチを装着した際に、ロックが掛かった感触(軽め)があるのですが、逆方向に回すとロックが機能せずにM3本体からレンズが外れてしまうのです。ヤバすぎです。。。
家に帰って、他のレンズで検証してみました。
Leica M3 & 該当レンズをお持ちの オーナーのみなさん、一度確認してみることををお勧めします。
《検証結果》
①Leica純正レンズ(沈胴ズミクロン、ズミルックス4th)
⇒ がっちりロックが掛かり、逆方向には動きません。
②Light Lens Lab製(周ノクチ、周八枚、周クック)
⇒ 逆方向に動き、、、全てロックが外れました。
(ヘリコイド回すと・・・外れそうになりました。)
⓷TTArtisan 50mm f0.95 ASPH.
⇒ 逆方向に動き、、、全てロックが外れました。
④1,000円ちょっとの、LeicaL39からLeicaMへの変換マウントを付けたL39レンズ
⇒ がっちりロックが掛かり、逆方向には動きません。
うううむ、、、どうやら、Leight Lens Lab と TTArtisan のレンズに付属しているライカMマウントとの相性が悪そうです。
検証結果:喜久屋カメラさんにあったLeica M3×2台と、私が持ち込んだM3×1台の計3台のうち、周ノクチでロックがきちんと機能したのは1台だけでした。つまり「ロックが機能する確率1/3」ですね。。。
上野・喜久屋カメラさんに駆け込む
これは困った。。。
私の持っているライカMマウントの主力レンズの多くがキケンで使えないことになります。ということで、このM3を「世界の中古カメラ市」で購入した、上野御徒町にある「喜久屋カメラ」さんへ相談に行ってみることにしました。
喜久屋カメラさんは、都営浅草線の御徒町駅A7番出口を出てすぐの好立地です。アンティークな時計とカメラを取り扱ってる店舗さんのようです。「良いもの」を取り扱ってます感が漂うお店ですね。
お店で、上記の症状を伝えて相談させて頂くと、お店で陳列してあった2台のM3で、実際にレンズを付けて試してくれました。
その結果、上記の検証結果で記載したように、「ちゃんとロックが効く」M3は1台だけでした。
お店の方が、お店で整備をお願いしている会社の方にTELして聞いてみると、、、どうやら「M3本体、ヘリコイドのロックのパーツを少し削る」ことで、ロックが機能する可能性があるとのことでした。
そして、お店にあるいくつものLeicaレンズでは問題なくロック出来るので、レンズ側のマウント形状の問題かもしれないですね。。「本体削りますか?」「削るのなら保証期間なので無料で対応させてもらいますが。。」「あと、そのレンズ(周ノクチ)で検証しないといけないので、そちらもお預かりになりますが。。。」とのご提案を頂きました。
本家Leicaレンズでは問題なくロックが機能しているので、無償修理を申し出て頂ける良心的なお店です。でも、店員さんも「オリジナルLeicaの方を削るんですか?」と。。
これは悩みます。。。ね。。
追い銭で、相性の良いM3へ
上記で記載した「1台だけロックが機能するM3」は、お値段が少々高めの個体です。流石にそのまま交換という訳にはいきません。そうです。差額の「追い銭」が必要になるのです。
でもレンズが外れずに、ちゃんとロックされるのなら「仕方がない」ということで、追い銭で交換をしてもらうことにしました。
今度のM3は、84万台前半のシリアルナンバーなので(交換前は84.6万台のシリアルNo)、シャッタースピードの表記が交換前のものと少し違うものに変わりました。
《追記》そして、修理へ・・・・
追い銭で新しく我が家にやってきたM3くん。記念すべきフィルム1本目は「例のFOMAPAN400!(説明事項あり)」で、レンズは、Leight Lens Lab の周八枚と、沈胴ズミクロン(山崎磨き)をメインに撮影を始めてみました。
とはいえ、翌日は平日です。
私は普通のしがないサラリーマンですので普通に仕事があります。ですので、朝早めに起きて1時間くらい撮影する時間を確保して試してみました。
すると、、、、!?????
無限遠に合わせると、ファインダーの2重像がピッタリ重ならんぞ、、、そうなんです。無限遠位置にある被写体に(遠くの鉄塔やアンテナ、電線、高層ビル)ピントが合わないのです。遠くのビルの上のアンテナや電線が2本になっております。。。これはアカン。。
レンズの問題かもしれないと、私が持ってるライカMマウントの他レンズでも試してみました。
検証結果はこうなりました。
⇒ 沈胴ズミクロン(×)、ズミルックス50㎜/4th(×)、周八枚(×)、周ノクチ(×)
周さんのレンズだけでなく、本家ライカの古いレンズ、新しいレンズも共に無限遠が来ません。ということで限りなく「M3本体」の問題であろうと特定できそうです。
ということで、先日お邪魔した喜久屋カメラさん(上野・御徒町)に再び相談しに行きました。喜久屋さんでも、売ってるレンズの何本かで検証してくれました。結果、無償修理で調整頂くことになりました。初期不良ですかね。6か月保証付きのM3なので、こういう時心強いですよね。修理は1週間ほどかかりそうとのこと。戻ってくるのが待ち遠しいです。
あ、無限遠ずれてる状態で撮ったフィルムどうしよ? まあ、自家現像で現像費かからないので、一応現像してみましょうかね。。全部ピントズレてたら嫌だなあ。。。
《追記②》無限遠バッチリで帰還せり!
数日後の土曜日の朝、喜久屋カメラさんから「修理できました」TELが掛かってきました。1Weekほどかかるといわれていたので、わずか終日で修理を手配頂けたのに大感謝!
おそらく、週末に撮影すると思い間に合わせてくれたのでしょう。ホント嬉しいですね。
ところが、、、、実はこの週末は、関西に行かねばならず、電話を受けたのは京都へ向かう新幹線の中だったのです。ということで、土曜日のご対面&週末のテスト撮りはかなわぬ夢となりました。
というとこで、次の週末まで待ちきれない私は、月曜日の仕事帰りに喜久屋さんに修理されたM3くんを受け取りに行きました。
修理されたM3は「コリメータ」で無限遠に調整してるからバッチリです!ということで、まずは持参した「沈胴ズミクロン(山崎磨き)」でテストです。すると、無限遠が気持ち良いくらいに「ビタっ!」と会います!!ちょと感動ですね。
次に、もう1本持参した「周八枚」に付け替えてテストです。すると、、、無限遠あいません。。ううううむ。。
お店の人に、このことを話すと、、、「そちらに合わせて調整しても良いですが、、コリメーターで調整してるし、ライカ純正レンズはあってるし、フィルムでの写りではおそらく誤差的な感じで影響ないかもしれませんよ。どうします?」とのお話を頂きました。
うううむ、マウントの時と同じ状況です。
私のM3選び、なかなか一筋縄ではいきませんね。
最初のM3は、マウント問題以外は全く問題なく、ファインダー覗いても「美しい!」と感動的なクリアさだったんですが(上面のスレは多めでしたが)、今度のM3はマウント以外は、どうもうまくいきません。ファインダーも最初のM3と比べて、何かクリアーな感じが薄く違和感あるのです。。
とはいえ、、、グッタペルカ(張り革)の補修あと以外は問題なしで整備済み・美品のM3です。しかもコリメータで調整済み、あとLeicaレンズと周さんのレンズシリーズ、TTArtisanレンズのマウントでもロックが出来るM3である、、ということで、受け取りをさせていただきました。
周さんのレンズは、数本撮ってみて「無限遠のズレ」が酷ければレンズの方を調整かな・・・、周ノクチは調整したくないなあ・・なんて考えながら帰宅です。
《追記③》何かがおかしい!?
自宅に帰ってきて、修理から帰還した愛機M3くんを、いくつかのレンズを装着して愛でておりました。
すると、、、何かがおかしいのです。なんか違和感がスゴイ。
ということで、色々と見ていくと、、、ファインダーの奥のガラス(レンズ?)に大きなカビ跡があるではありませんか。店頭で確認していた際は気づけなかったのですが、自宅の照明ではバッチリと大きなカビ跡がファインダーの下から中央部にかけて走っているのが確認できちゃいます。。。。
なんてことだ。。。。
悶々としながら、ひとまず就寝です。。
《追記⓸》さよなら、愛しのM3達
翌朝、いつもより少し早起きして自宅の屋内&バルコニーで確認です。
無限遠:ライカのレンズでは問題ありません(沈胴ズミクロン、ズミルックス50mm/4th)。周さんのレンズは全滅です(周八枚、周ノクチで無限遠が来ません)。
そして、ファインダーのカビ跡・・・
ということで、論点は絞られてきました。
まず、[選択肢①]このまま使い続ける(この時代のライカとは、こういうモノだと自分に言い聞かせる)、[選択肢②]他のM3、もしくは他の機種に交換してもらう(多分、、のお店のM3はすべて試している筈)、③返金してもらう。
そう考えると、①か②が有力候補です。せっかく手にしたM型ライカです。やっぱりちゃんと使い倒したい。ライカのM型を味わいたいとの思いが強いです。次に①について考えました。「このカメラで撮ったフィルムを現像してみて問題無ければ、まあ良しとして使えばよいのではないか?」ということですね。
一度はこれで納得しようともいかけたのですが、、一生使っていくつもりのM型ライカです。やはり十分に納得したものを持ちたい!との思いが強くなり、再度、購入した喜久屋カメラさんを訪れて相談してみました。
今回で3回目の相談です。なんかクレーマーみたいに思われたら嫌だなああ。。。なんて思いながら訪問すると、今回の店員さんも、とても親切に、こちらの気持ちを尊重した対応をして頂き、ホント助かりました。お世話になりました!
結論は、少し追い銭支払わせていただき、M4(117番台)への交換となりました。
このM4については別途で記載しますね!
カメラ情報(スペック)
Comming Soon!
参考情報
喜久屋カメラ&ウォッチ:公式Webサイト
カメラのナニワ:初心者の為のライカM3の使い方【さわってみよう編】
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