今回は、Viltrox(ビルトロックス)から新たに発売された「PRO]という名が付いた高性能レンズ「AF 50mm F1.4 PRO FE」のレビューをしていきたいと思います。
「Viltroxってどうなの?」「SONY純正やSIGMAと比べて本当に使えるの?」🤔
そんな疑問をお持ちのあなたのために、実際にこのレンズをしばらく使って感じたメリット・デメリットを、作例と共に見ていきますね。この記事を最後まで読んでいただければ、このレンズがあなたの次の撮影パートナーとしてふさわしいかどうか、きっと明確な答えが見つかるはずです!
※このレビューは「VILTROX」の日本総代理店である「映像嵐株式会社」さんから、レビュー用に貸し出していただいたレンズを使わせて頂き書いています。いつもありがとうございます!! 貸出しに当たっては、レビューに内容に関する指示などは一切ありませんので、いつものように、このレンズをガッツリ楽しみながらレビューを書かせていただきました。
Viltrox AF 50mm F1.4 PROの主な特徴
まずは、ViltroxのPROシリーズとして登場した「AF 50mm F1.4 PRO FE」がどんなレンズなのかを簡単にご紹介しますね。

メーカー:Viltrox(ビルトロックス)
製品名:AF 50mm F1.4 PRO FE(ソニーEマウント用)
- 開放F1.4の大口径による、低照度での高い性能と美しいボケ味。
- EDレンズ3枚、高屈折率レンズ8枚など、豪華な光学設計(11群15枚)によるクリアな写りと高い解像力。
- Viltrox独自の「Hyper VCMモーター」搭載で、高速かつ静音、高精度なオートフォーカス(AF)を実現。
- 防塵・防滴構造とフルメタルボディを採用した、高いビルドクオリティと耐久性。
- クリックとクリックレスを切り替えられる「絞りリング」と、カスタマイズ可能な「Fnボタン」を搭載し、高い操作性を確保。
プロ仕様を意味する「PRO」の名を冠するにふさわしい、高性能と多機能を詰め込んだ逸品といえますね!👍
《公式の説明》※VILTROX販売サイトから引用
Viltrox AF 50mm F1.4 Pro Eは、フルサイズカメラ対応の大口径標準レンズです。開放F1.4の大きな絞り値により、低照度下でも被写体を鮮明に捉え、滑らかで美しいボケ表現を実現します。
11群15枚(HRレンズ8枚、EDレンズ3枚、UA非球面レンズ1枚)という贅沢な光学構成を採用し、色収差や歪曲、コマ収差を徹底的に抑制。最新の高画素機でも画面全域で高い解像度を発揮します。
また、Viltrox独自開発のHyper VCMモーターを搭載し、高速・高精度かつ静粛なAF動作を実現。静止画・動画問わずスムーズなフォーカスを可能にします。
防塵・防滴構造とフルメタルボディを採用し、前玉には撥水・防汚コーティングを施すことで、屋外や過酷な環境でも信頼性の高い撮影をサポートします。
クリック/デクリック切替対応の絞りリング、AF/MFスイッチ、Fnボタンを搭載し、直感的で効率的な操作性を実現。プロフェッショナルな撮影体験を提供する1本です。

⇒ お、MFTズを見ると、なかなか優秀ですよね!

Viltroxというブランドについて
ここで、まだViltroxというブランドに馴染みがない読者の方のために、少しブランドの紹介をさせてください。
Viltroxは、中国・深圳(しんせん)に拠点を置く「Shenzhen Jueying Technology Co.,Ltd.」が展開するブランドです。主にカメラ用レンズやアダプター、モニターなどを開発しており、近年、圧倒的なコストパフォーマンスと先進的なAF技術で急速に人気を高めています。
特に、単焦点レンズの分野では、純正レンズに迫る描写力を、手頃な価格帯で実現していることで、世界中のユーザーから注目されているそうですよ。

Viltroxのレンズラインナップ(2025年時点)
ViltroxのAFレンズは、ターゲットト(ユーザー)と性能に応じて、主に以下の4つのラインで展開しているようです。それぞれの特徴とターゲット層は下記のような感じでしょうか。
※これらの表記のないレンズもありますが、新しいレンズはいずれかに分類されているようです(筆者の検索結果より)。
| ライン名 | 特徴 | ターゲットユーザー |
| LAB | 最先端技術を贅沢なほどに投入したフラッグシップライン。巨大で重いが、それでも納得する性能を提供していると感じます。 | プロフェッショナル最先端の、最先端の映像クリエイター |
| PRO | 最高峰の描写性能とビルドクオリティを追求。フルメタルボディ、防塵防滴など、プロの使用に耐える設計。 | プロフェッショナル、ハイアマチュア |
| EVO | 高性能レンズ。PROほどの堅牢さはないが、高い光学性能を持ちつつ取り回しがしやすいバランスの良いレンズ。 | カメラ愛好家、中級者 |
| AIR | 軽量・コンパクトな設計を重視した、携帯性に優れたレンズ。 | スナップ、旅レンズ |
今回ご紹介する「AF 50mm F1.4 PRO」は、まさにViltroxが技術の粋を集めたPROラインの主力製品であり、その本気度がうかがえます。
外観デザインと操作性
このレンズを手に取って最初に感じるのは、その「高級感」と「堅牢さ」です。
特に”フルメタルボディのマットな質感”は、ソニーのGMレンズ(G Master)や他社の高性能レンズにも引けを取らないほどの仕上がりで、”モノとしての所有欲”を満たしてくれます。カッコ良いですよ。
操作系も「PRO」に恥じぬ充実ぶりです。
- クリックレス対応の絞りリング: 絞りリングはカチカチと段階的に動く「クリックあり」と、動画撮影に便利な「クリックレス」を、側面レバーで簡単に切り替えられます。これは動画クリエイターに嬉しい機能です!
- Fnボタン(フォーカスホールドボタン): カスタム設定が可能なFnボタンも搭載されており、瞬時のAFロックや、設定した機能の呼び出しに便利で、撮影のリズムを崩しません。
- AF/MFスイッチ: オートフォーカスとマニュアルフォーカスの切り替えも素早く行えます。
ただ、一つ正直にお伝えすると、高性能・高画質を追求した結果でしょうか、50mm F1.4としては少し大きめ・重めの設計になっています。重量は約800g。これ、地味にダメージくる重さですよね。
小型軽量なボディに装着すると、ややレンズが主張しますが、その重厚感が逆に「頼れる相棒」のように感じさせてくれますよ!きっと!



画質と写りの特徴【作例多数】
さて、最も気になるのが「写り」ですよね!このレンズの描写性能は、本当に素敵です。
一言で言えば「クリアーで濃密な写り」です。
💎 豪華な光学設計がもたらす「濃密な解像感」
このレンズは、EDレンズ(異常低分散レンズ)3枚、高屈折率レンズ8枚を含む11群15枚という非常に豪華なレンズ構成を持っています。この贅沢なレンズを何枚も使っている成果が、写りにそのまま表れているようです。
開放F1.4から、ピント面はクリアーで密度が濃く、被写体の質感やディテールを深く、豊かに再現してくれます。

では、作例を交えながら、撮影しながら感じたことを書いてきますね。
早朝の新宿の街(曇り空)
新宿から新宿三丁目付近と、新宿思い出横丁。レンズが到着した次の日は、あいにくの大雨模様。雨の日でも ”しっとり落ち着いた” & ”深みがある” をしっかりと楽しめました。






晴れた日の早朝散歩(新宿)
天気の良い日に撮影することが出来ました。SONY α7Ⅳの「クリエイティブ・ルック」での撮影なのですが、日が出ている時は「FL(フィルム調)」で。曇/雨/夜間の場合は「ST」モードで撮影することが多いです。



深夜撮影してみました。
夜間撮影は、ホントに良い写りをしてくれます。夜間は「クリエイティブ・ルック」の「ST」モードがフィットしました。但し、夜景の「写り」はとても良いのですがAFが迷いがちなのが気になりました。ファームウェアのアップデートに期待しましょう!



新国立美術館で「光を浴びる」
このレンズの写りを見ていると、やはり新国立美術館で”晴れた日に”撮影したくなってきました。ということで、久々に週末の天気が良くなったので行ってきました。
いやああ、美しい写りですねえ。。惚れ惚れします。SONY 50㎜ f1.2 GM でこの場所を撮影したときも写りの良さに惚れ惚れしたのですが、このレンズも素晴らしいですね!





🎨 GMレンズとの描写の比較
私が感じたこのレンズの描写は、ソニー純正のG Master(GM)レンズと比較すると違いが明確です。※私が所有している 50mm f1.2 GM との比較です。
- SONY GM: どちらかというと、光を綺麗に取り込み、華やかで抜けの良い、明るい印象の写り。あと、ボケがとても美しく、凄く解像するとても素晴らしいレンズと感じています。
- Viltrox PRO: 描写に深みがあり、光と影のコントラストが強く出る濃密な写り。特にハイライトからシャドウにかけての階調表現に優れ、立体感のある写真を生み出してくれます。GMよりも濃厚で重厚な写りのレンズと感じます。VILTOROXのLABシリーズも同様の傾向に感じます。
開放F1.4では、ピント面が柔らかくも、その奥の背景はトロリと滑らかに溶けていく、非常に美しいボケが得られます。ボケの輪郭も滑らかです。
《参考記事》
実際に使って感じた3つのメリット
このレンズを長期的に使用して、私が特に「これは素晴らしい!」と感じたメリットを3つに絞ってお伝えしますね。
メリット1: 🔥 圧倒的なコストパフォーマンスと描写力の両立
なんといっても、このレンズの最大の魅力はここです!純正や他社の大口径50mm F1.4レンズと比較しても、遜色のない描写性能を持ちながら、価格が非常に抑えられています。この価格でこの写りが手に入るなんて、本当にすごい時代になりました!VILTROXのレンズのコスパの良さにはいつも驚かされますね。
メリット2: 🛡️ 天候を気にせず使える「防塵・防滴」構造
金属製のしっかりとした作りで、マウント部にはゴム製のガスケットも確認できます。急な小雨や、ホコリの舞う環境でも安心して撮影できる防塵・防滴設計は、撮影機会を増やしてくれる、地味ですが非常に大きなメリットです。
メリット3: ✨ 濃密な写りによる「写真の深み」
前述の通り、このレンズはクリアーでありながら濃密な描写が魅力です。ただシャープなだけでなく、被写体の存在感をグッと引き出し、立体感のある仕上がりになるため、作品作りにおいても頼れる一本になってくれます。



少し気になった点・デメリット
隠さずに正直に、このレンズの「少し気になった点」もお伝えします。
😥 AF性能は純正GMシリーズには一歩及ばない
Viltrox独自のHyper VCMモーターは非常に優秀で、一般的な撮影では問題ありませんが、SONY純正のGMレンズと比べると、速度・認識精度ともに、わずかに物足りなさを感じるシーンがあります。特に動体撮影や、暗所での素早い瞳認識などは、純正の強力なアルゴリズムにはまだ及びません。
- 対策: しかし、Viltroxは積極的にファームウェアアップデートを行っています。今後のアップデートで、さらにAF性能が向上することに期待しましょう!USB Type-Cポートが搭載されているため、自宅で手軽にアップデートできるのは親切設計ですね。
😢 50mm F1.4としては重く、大きい
高性能を引き出すための光学設計の結果、重量が約800gと、同クラスのレンズの中でも重い部類に入ります。
- 対策: α7IVやα9、α1といったグリップのしっかりしたボディとの相性が良いでしょう。長時間の手持ち撮影や、とにかく携帯性を重視する方にはデメリットに感じるかもしれません。とはいえ、この値段でこの写りを手に入れられるのが最大のメリットでしょうか。
競合レンズとの比較
Viltrox AF 50mm F1.4 PROは、ソニーEマウントにおいて、強力な競合レンズが存在します。代表的な3本との比較を見てみましょう。
| 製品名 | 価格帯 | 重量 | 特徴的な描写 |
| Viltrox 50mm F1.4 PRO | 💰💰 ¥90,400 AMAZON実勢価格(2025/10/31時点) | 約800g | 濃密でクリア、高いコストパフォーマンス。動画機能も充実。 |
| SONY FE 50mm F1.4 GM | 💰💰💰💰 ¥181,549 AMAZON実勢価格(2025/10/31時点) | 約516g | 軽量・コンパクト。圧倒的なAF性能と、華やかでクリアな描写。 |
| SIGMA 50mm F1.4 DG DN Art | 💰💰💰 ¥123,914 AMAZON実勢価格(2025/10/31時点) | 約670g | 非常に高い解像度。シャープネスを極めるならこれ。 |
Viltrox PROは、GMほどのAF速度や軽さはないものの、SIGMA Artよりもさらに低価格でありながら、GMにも匹敵するビルドクオリティと、動画性能への配慮を両立している点で、独自の強いアドバンテージを持っています。
《参考記事》
Viltrox AF 50mm F1.4 PROはこんな人におすすめ!
これまでのメリット・デメリットを踏まえて、この「AF 50mm F1.4 PRO FE」がどんな方に最適なのかをまとめます。

✅ おすすめな人
- 高画質とコストパフォーマンスを両立させたい人
- ポートレートや暗所撮影で濃密な描写と美しいボケを重視する人
- 動画撮影(Vlog、シネマティック)も頻繁に行い、クリックレス絞りやブリージング抑制を求める人
- しっかりとした作り(フルメタルボディ)と操作性を求める人
❌ 逆におすすめしない人
- 純正GMレンズと同等の最高速AFと最軽量を求める人
- とにかく軽さ・携帯性を最優先するスナップシューター
まとめ
Viltrox AF 50mm F1.4 PRO FEは、サードパーティー製レンズの進化を象徴する、まさに「PRO」の名に恥じない高性能標準単焦点レンズです。
やや重いという点はありますが、それを補って余りあるほどの高いビルドクオリティを誇り、そして何より素晴らしい描写力を持っています。特に、純正のGMとは一線を画す「濃密で濃厚な写り」と、圧倒的なコストパフォーマンスは、あなたの撮影体験をきっと豊かにしてくれる一台です。迷っているなら、ぜひこの機会に手に取ってみてはいかがでしょうか!✨
Viltrox AF 50mm F1.4 PROの主な仕様(スペック表)
| 項目 | スペック |
| 型式 | Viltrox AF 50mm F1.4 PRO FE |
| レンズマウント | ソニーEマウント(フルサイズ対応) |
| 焦点距離 | 50mm |
| 開放絞り | F1.4 |
| 最小絞り | F16 |
| レンズ構成 | 11群15枚(EDレンズ3枚、高屈折率レンズ8枚、UA非球面レンズ1枚) |
| 絞り羽根枚数 | 11枚(円形絞り) |
| 最短撮影距離 | 0.45m |
| フィルター径 | 77mm |
| 質量 | 約800g |
| AFモーター | Hyper VCM(ボイスコイルモーター) |
| 発売時期 | 2023年9月頃 |
| 実勢価格 | ¥90,400 AMAZON実勢価格(2025/10/31時点) |
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保護フィルターやPLフィルターは必須品。明るい大口径レンズなので、晴れた日に絞り解放で”ボケ”を活かした撮影を使用と思うなら「可変NDフィルター」もお勧めです。


このレンズのフィルター径は77㎜なんですが、77㎜径のレンズって、実は少数派ではないかと思います。ということで、ステップアップリングを常備しておけば、82㎜のレンズ用フィルター類(PLや可変ND等)と共用利用が可能となります。因みに今回はUVフィルター派手持ちの77㎜ドルたーがあったので、そちらを利用し、PLや可変NDは手持ちの82㎜径のものに「77㎜→82㎜」に変換するステップアップリングを間に入れて利用しています。
ステップアップリングは下記のもののように、各サイズがセットになったものを常備しておくのがおススメです。



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まだ発売されたばかりなので、Viltrox AF 50mm F1.4 PROを利用したレビューはほとんどないようです。いつも先行してレンズの紹介をされている「とるなら」さんから何本か海外のレビュー記事の紹介がありましたので下記に記載しておきますね!こちらもぜひご覧ください!
- サイズや重量を許容できるなら魅力的な選択肢|VILTROX AF 50mm F1.4 Pro – とるなら
- おすすめポイント:Phillipreeveのレビューを紹介。大きく重く、近距離では球面収差の影響が強くなると指摘。ただし、ボケが滑らかで、解像性能も良好。サムヤンのII型よりも画質は良好と言及。
- 価格以上の完成度|VILTROX AF 50mm F1.4 Pro-とるなら
- おすすめポイント:Digital Camera Worldのレビューを紹介。85mm F1.4 Proと同程度のサイズや重量と言及しつつ、コストパフォーマンスの高い光学性能を評価しています。
このレビュー記事が、あなたのレンズ選びの助けになれば嬉しいです!






























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