今回は、最近話題の中国製レンズメーカー、VILTROX(ビルトロックス)から新しく登場した、軽くてよく写る、しかも安い!という、超広角単焦点レンズ「VILTROX AF 14mm F4.0」について、実写レビューを交えながら見ていきたいと思います。
「中華レンズってどうなの?」「安かろう悪かろうじゃない?」なんて思っている方もいるかもしれません。でも、最近のVILTROX製レンズは本当にクオリティが高いのです。デザインも写りもどんどん進化して、もう日本のメーカーと肩を並べるほどのクオリティに達しているのです。特にVILTROXの最上位ラインであるLabシリーズやPROシリーズは、SONY純正の「GMレンズ(G MAsterレンズ)」や「Gレンズ」にも引けを取らない写りとコスパの良さで注目のレンズだったりします。
この記事では、そんなVILTROXの最新レンズを実際使ってみて「コレいいかも!」って思えるポイントや、「うーん・・・」とちょっと気になった点まで、作例を交えながら見ていきたいと思います。超広角レンズに興味がある方、VILTROXのレンズが気になっている方は、ぜひ最後まで読んでみてください!きっと、このレンズが欲しくなるかも!?です。
※このレビューは「VILTROX」の日本総代理店である「映像嵐株式会社」さんから、レビュー用に貸し出していただいたレンズを使わせて頂き書いています。いつもありがとうございます!! 貸出しに当たっては、レビューに内容に関する指示などは一切ありませんので、いつものように、このレンズをガッツリ楽しみながらレビューを書かせていただきました。
Viltroxというメーカーについて
今回ご紹介するのは、最近勢いがあるViltrox(ビルトロックス)という中国のレンズメーカーの、AF&フルフレーム(フルサイズ)対応の超広角レンズ「VILTROX AF 14mm F4.0」です。
このViltroxは近年急速に注目を集めている中国発の光学機器メーカーで、2014年の設立以来、マウントアダプターから始まり、現在ではレンズ、フラッシュ、モニターまで幅広い製品を手がけており、歴史はまだまだ浅いものの、その技術力には目を見張るものがあり、特に高いコストパフォーマンスと、攻めのオートフォーカス性能で大注目です!とにかくホットで勢いのあるメーカーさんです。

VILTROX AF 14mm F4.0の主な特徴
(Amazonでの紹介ページより引用)
『Viltrox AF 14mm F4.0 Air は、雄大な風景や建築物、Vlog撮影に最適なフルサイズ対応の超広角レンズです。STMステッピングモーターを採用し、正確で静音性に優れたオートフォーカスを実現。顔・瞳検出にも対応し、写真から動画まで幅広く活躍します。光学系は9群12枚(EDレンズ4枚、高屈折率レンズ2枚、非球面レンズ2枚)という高度な設計を採用し、歪曲や色収差を効果的に抑制。画面全域にわたりクリアで高解像な描写を実現します。さらに先進コーティングにより、逆光下でもフレアやゴーストを抑制し、抜けの良い透明感ある映像を提供します。わずか約170gと軽量で、持ち運びやすいコンパクト設計。日常のスナップから本格的な撮影まで気軽に持ち出せる一本です。』
このレンズ、製品名には「Air」が入ってませんが、説明には「Air」と入ってたり入ってなかったり状態です。パッケージ(箱)にも「Air」とは記載されていませんね。とはいえ、この軽さとコンパクトさは、まさしく軽量コンパクト設計のAirラインにふさわしい1本のようですね!

このレンズの主要スペックは下記の通り。
- メーカー: VILTROX
- 製品名: VILTROX AF 14mm F4.0 Eマウント
- マウント: ソニーEマウント(フルサイズ対応)
- 重量: 約170g
- 最短撮影距離: 0.13m
- フィルター径: Φ58mm
スペックを見ても、このレンズの最大のポイントは、F4.0という少し抑えめの開放F値によって実現した、驚くほどの軽さとコンパクトさです。あと、最短撮影距離が0.13mってのもポイント高いです。めっちゃ寄れますね!このレンズは使い勝手良さそうですね。1本持っておくと、普段とはちょっと違う写真が撮れちゃいそうですね!


外観デザインと操作性
このレンズには、レンズ本体と前後キャップ、さらにレンズフードが同梱されています。とてもシンプルで無駄が無くすっきりしたデザインです。
また、超広角レンズなのですが、球面上になっている前玉が。フィルター取付位置より前に飛び出さない設計になっていて、レンズ前面に各種フィルターを装着することが出来るのもポイント高いですね。ちょっと58㎜のフィルターが手元に無かったので装着写真はまた今度。


質感もすっきりとしたデザインで良い感じです。ボディは手にしっくりと馴染みますし、フォーカスリングも程よい動きでストレスありません。

そうなんです。過剰なデザインは不要なんですよね。この割り切りの潔さが好感持てます。
※絞り環や割り当てが出来るボタンや距離や露出が表示される液晶やUSBの端子を否定している訳ではありませんが、このレンズはこの割り切りで良いと感じるのです。
画質と写りの特徴【作例多数】
「F4.0でしょ?」って侮るなかれ!このレンズの写りのシャープはちょっと癖になりますよ。とにかくキレが良くて、シャープなのです。特に画面の中心部分は、隅々までしっかりと解像していて、細かなディテールまで驚くほど鮮明に写し出してくれます。光の捉え方も、良い感じで”広角感”を演出してくれます。



超広角レンズの醍醐味である、パースを効かせた写りが本当に気持ちいい!被写体にぐっと近づいて撮ると、目の前のものがグンと強調されて、すごくダイナミックで迫力のある一枚になります。ストリートフォトとの相性は最高ですね

また、最短撮影距離が0.13mとすごく短いのです!これを利用して、被写体に思い切り近づき、背景を広く写し込む「超広角マクロ」のような面白い写真も撮れちゃうのもポイント高いですよね!!(しまった、写真を撮り忘れてますね!後日追加しようと思います)。
ISO100縛りで、流れる世界を
私、ストリートフォトの ”マイブーム” は『流れる世界(ブレで)』なのです。
ということで、このレンズでも『流れる世界』を楽しんできました。今回は曇り空だったのでISO100縛りの設定にしていたら(なんとなく、そうしてみました)、イイ感じで流れる写真になりました。




VILTROX AF 14mm F4.0を実際に使って感じた2つのメリット
メリット1:とにかく軽くて持ち運びやすい!AFも速い!
やっぱり一番のメリットは、この「軽さ」です。重いレンズだと、せっかくカメラを持って出かけても「今日は使うのやめとこうかな…」ってなっちゃうことがよくありますよね。でもこのレンズは、そんな心配が全くありません。いつも使っているカメラバッグの片隅に、スッと忍ばせておける手軽さがあります。このおかげで、シャッターチャンスもグンと増えること請け合いです。
そして、AF性能も申し分なしです。本当にキビキビと動いてくれます。VILTROXは、最近のレンズでAF性能が飛躍的に向上しているので、ストレスなくサクサクと撮影が進められますね。動きの速い被写体もしっかり捉えてくれるので、安心して任せられますよ。
メリット2:超広角の世界が身近になる!
超広角レンズって、ちょっと難しそう…って思われがちですよね。でも、このレンズは、その軽さとサクサクと合うAFのおかげで、超広角での撮影が本当に身近に感じられます。「こんな構図はどうかな?」と、普段とは違う画角でどんどん試してみたくなります。ワクワクしながら普段とは違う景色を版としてみませんか。という感じです。



私自身、普段は標準の50㎜とか35mmの単焦点レンズを多く使ってるのですが、このレンズのおかげで新しい写真表現の楽しさに目覚めております。このレンズは、あなたの撮影の幅を広げてくれる一本になるかもしれませんよ。
少し気になった点・デメリット
このレンズ、レンズのコンセプトを考えると、不満に感じる点はほとんど見当たりません。でも、強いて一つだけ挙げるなら、開放F値がF4.0という点でしょうか。
「背景を大きくボカして、被写体を浮き立たせたい!」という立体感のある写真を好む方や、「暗い室内や夜景を三脚なしで手持ち撮影したい!」という方には、F1.8やF1.4といった、もっと明るいレンズの方が向いているかもしれません。

ただ、このレンズは「軽さとコンパクトさ」を最大限に追求した結果のF4.0と考えられます。このコンセプトに共感できる方にとっては魅力的なレンズかと思います。それに、最近のデジタル一眼は高感度性能がすごく良いので、ISO感度を上げて対応することも十分可能です(便利な時代ですよね)。
あと、最短撮影距離が0.13mの超広角レンズという個性も大きな魅力ですね! ストリートフォトの合間のランチやカフェでのテーブルフォトにも重宝しそうですね!※ぐっと撮ると、当然バッチリボケてきますよ。
VILTROX AF 14mm F4.0はこんな人におすすめ!
これまでの内容をまとめると、このレンズは以下のような方に心からおすすめしたいです!
- 軽くて小さい超広角レンズを探している人
- 街歩きスナップやストリートフォトが好きな人
- ダイナミックな風景写真や建築写真を撮りたい人
- 最短撮影距離が0.13mの超広角レンズで写真を撮りたい人
- いつもと違う画角で写真表現の幅を広げたい人
- そして、手軽な価格で超広角レンズを探している人
逆に、「とにかく大きなボケが必要!」「暗い場所での手持ち撮影が多い!」という方は、別のレンズも検討してみるのが良いかもしれません。
※当レビュワーは、新しいレンズを使うと「楽しくなって」ワクワクしちゃいますので、その分を差し引いて!?ご覧くださいね!
まとめ
VILTROX AF 14mm F4.0は、その圧倒的な軽さとキレのある描写力が本当に魅力的な、”お値段と手軽さが際立つ” 超広角単焦点レンズです。
特にこの軽快さは、あなたの写真ライフをきっと豊かにしてくれます。「超広角を、もっと気軽に、もっと身近に楽しむ。」このレンズは、そんな撮影体験をあなたに提供してくれる、素晴らしい一本です。ぜひ、手に取ってこの軽さを体感してみてください!
VILTROX AF 14mm F4.0の主な仕様(スペック表)




項目 | スペック |
型式 | VILTROX AF 14mm F4.0 FE |
レンズマウント | ソニーEマウント(フルサイズ対応) |
レンズ構成 | 9群12枚 4枚 特殊低分散レンズ(ED)、2枚 非球面レンズ(ASPH)、2枚 高屈折レンズ(HR) |
画角 | 112° |
絞り | F4~F16 |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
最短撮影距離 | 0.13m |
最大撮影倍率 | 0.1倍 |
フィルター径 | Φ58mm |
最大径×長さ | Φ65mm x 56mm |
質量 | 約170g |
発売時期 | 2025年9月19日 |
市場実勢価格 | 33,030円 (※2025年9月AMAZONにて) |
競合レンズとの比較
このレンズを選ぶ上で気になるのが、ソニーEマウントには他にも魅力的な超広角レンズがたくさんあるという点ですよね。そこで、いくつか代表的なレンズとこのVILTROX AF 14mm F4.0を比較してみました。
製品名 | 開放F値 | 重量 | 長さ | 実勢価格(税込み) |
VILTROX AF 14mm F4.0 | F4.0 | 約170g | 56mm | ¥33,030 |
Samyang AF 14mm F2.8 FE | F2.8 | 約485g | 97.5mm | ¥86,800 |
SIGMA 14mm F1.4 DG DN | F1.4 | 約1,170g | 150mm | ¥192,217 |
SIGMA 17mm F4 DG DN | F4.0 | 約225g | 48.8mm | ¥83,803 |
SONY FE 14mm F1.8 GM | F1.8 | 約460g | 99.8mm | ¥190,980 |
SONY FE 20mm F1.8 G | F1.8 | 約373g | 73.5mm | ¥104,050 |
※価格はこの記事執筆時点のLink先のAmazonの販売価格です。
この比較表を見ると、VILTROX AF 14mm F4.0の突出した「軽さとコンパクトさ」「価格の安さ」がよく分かります。
- Samyang AF 14mm F2.8 FEは、同じ14mmの画角で、F2.8とVILTROXより1段明るいのが魅力です。その分、重量はVILTROXの約3倍とずっしりしています。F2.8の明るさが必要ならSamyang、携帯性ならVILTROX、という選び方ができそうですね。
- SIGMA 14mm F1.4 DG DNやSONY FE 14mm F1.8 GMは、圧倒的な開放F値と描写力を誇るレンズですが、その分、重量も価格もずっしり重くなります。
- SIGMA 17mm F4 DG DNは、同じF4.0で軽量コンパクトなレンズですが、VILTROXの方がさらに軽く、より広角な14mmという画角が魅力です。お値段もVILTROXの方が数段安いです。※但し、このレンズはカメラ本体の補正機能を使うことで歪曲を押さえて、パースの写真とかがシャープな直線で撮れるのが嬉しかったりします(下記レビューを参照くださいませ)。
このように比較してみると、このレンズはF1.4やF1.8といった明るいレンズとは全く違うコンセプトで作られているのが分かりますね。「最高の描写力」を追求するのか、「最高の携帯性」を追求するのか、あなたの撮影スタイルに合わせて選ぶのが良さそうです。あと価格も重要な要素ですね!
競合レンズの紹介Link
























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まだ発売直後のレンズなので、先行して紹介している記事が数点あるだけで、レビュー記事は無いようです。これからどんどん素敵なレビューが増えてくると良いですね!
とるなら:VILTROX AF 14mm F4.0 最新情報まとめ
cameradecision:Viltrox AF 14mm F4.0 Air Series Full-frame Lens for Sony E mount cameras
Sony Alpha Blog:Viltrox 14mm F4 Air
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