今回ご紹介するのは2024年10月31日に、中国のレンズメーカーから「SG-image」として発売されたばかりの最新AFレンズ『SG-image AF 55mm F1.8 STM (Eマウント)』です。実売で3万円ちょいのお値段で「ステッピングモーター」搭載、高屈折レンズ5枚を含む8群10枚のレンズ構成、9枚の絞り羽根、そしてF1,8 ですから、結構頑張っているレンズかなと思います。
この値段で ”最新のフルサイズ対応AFレンズ” を入手できるというのはとても魅力的かもしれません。では使い勝手や写りをみていきましょう。
※このレンズは、「SG-image」の輸入代理店である「2ndfocus」さんからレビュー用に貸し出していただいて書いています。貸与に当たっては、レビューに内容に関する指示などは一切なく「ぜひ楽しんでください」とのみメッセージを頂いています。ということで、いつものように、このレンズをガッツリ楽しみながらレビューを書かせていただきました。
「SG-image」って何?誰?
最近は、中国製のレンズメーカーが次から次へと誕生しているようです。もともとは某メーカーのレンズをOEMやODMとして生産していた会社が独自のレンズを開発して世に送り出すフェーズに入っているようです。かつては日本でもカメラやレンズメーカーが次から次へと設立されていたようですので、中国のレンズ会社もそのようなステージなのかもしれません。
さて「SG-IMAGE」に話を戻しましょう。このブランドは2023年設立という、ホントに出来立てのブランドのようです。他の多くのレンズメーカーと同じく「深圳(しんせん)」の会社で、もともと某メーカーのレンズのODMメーカーとして10年以上の実績があるそうです。ODMとは企画・設計から担当する形態ですので、もともと実力はある会社さんかもしれませんね!日本では、いつもレビュー用レンズを貸していただいている「2ndFocus」さんが販売代理店(輸入代理店)として取り扱いされています。
《SG-IMAFEとは》
SG-imageは、2023年に設立された革新的な技術を追求するブランドで、SGは中国語のピンインで深光という意味です。ブランド名「深光」は、「深圳の光学技術が世界をリードする」という願いを込めて名付けられました。ODMメーカーとしての10年以上に渡るレンズの研究開発と製造の経験が生み出した確固たる技術力と信頼によって誕生しました。
引用:2ndFocus社(販売代理店)の取り扱いメーカー紹介ページより引用
(補足)
ODMは、メーカーが製品の企画・設計・製造までを担当する形態で、委託者は出来上がった製品を自社ブランドで販売します。一方、OEMはメーカーが製造のみを担当する形態で、委託企業が企画・開発・設計した商品をメーカーに注文します。
※Google検索による要約より引用
《2ndFocus社(販売代理店)とは》
E&Iクリエイション株式会社は2023年3月に設立され、販売ブランド『2ndfocus』を通じ映像のクリエイティブな可能性を広げる為の、取り組みを行っています。映像業界の経験豊富な創業者が牽引する我々は、クリエイティビティと技術の融合を通じて、感動的な映像体験を創り出すことに情熱を傾けています。
引用:2ndFocusブランドHPより引用
最近ですと、星やハート、雪の結晶模様の絞り板を内蔵し、それらの模様でボケ模様を作れる「ファントムレンズ」というもので、ちょっと話題のブランドですね!この「ファントムレンズ」につていは、下記のレビューをご参照頂ければと思います。特にイルミネーションの季節や、キュートな効果を得たい撮影には必須!?のレンズかもしれませんね!!
このレンズ(SG-image AF 55mm F1.8 STM)について
お待たせいたしました。「SG-image AF 55mm F1.8 STM」についての話に移りましょう。
このレンズは実売32,800円(2ndfocus社のECサイト、2025年1月13日時点)、Amazonでは¥34,550(税込)と、50㎜近辺のフルサイズ対応AFレンズとしてはリーズナブルな価格帯のレンズです。
※上記のAmazonでは、¥34,550(税込)だけど1728ポイント (5%)還元で実質32,822円で、2ndfocus社のECサイトほぼ同じお値段になります。Amazonのセールなどでポイントが多くつくときはAmazonの方がお得かもしれませんね。
レンズの箱を開けてみると、レンズ本体と角型フードと前後レンズキャップがセットで入っています。なんと、この角型フードはフードの上から被せるレンズキャップ(カバー)付きですので、ちょっと嬉しいですね。
デザインはシンプルで飽きがこない感じでしょうか。あと、レンズ本体にUSBポートが付いているので直接ファームウェアのアップデートなどが出来るとのこと。
お値段だけでなく、大きさも重さも普段使いのAF標準レンズとしては程よい感じでしょうか。
性能面では、高屈折率レンズ5枚を含む8群10枚の構成ということで、この価格で頑張ってる感じでしょうか。像面位相差AFを搭載したカメラなら、動画AFと瞳AFが効くのも嬉しいです。
実際に利用してみて、AFは「すっげー」って感じではないストレスなく機能しており、飛ぶ鳥もちゃんととらえていました。また「瞳AF」もOKというのも嬉しいところです。
マイナスポイントは、最短撮影距が0.5mという点でしょうか。距離的にはそれほど悪くないと思うのですが、実際に撮影していて「思っていたより」も寄れないコトが多々ありました。最新のレンズでは最短撮影距離が短いモノが増えているので、次に期待ですね!
このレンズの詳細な説明は下記に販売代理店である「2ndFocus」さん公式の説明を引用しておきますので、併せて参照頂ければと思います。
《SG-image AF 55mm F1.8 STM》
優れたオートフォーカス性能とコストパフォーマンスを兼ね備えています。STMステッピングモーターを採用しており、静かでスムーズなオートフォーカスを実現します。このため、決定的な瞬間の捉えやすさが向上し、滑らかな動画撮影と瞳AFにも対応しています。
※動画AFと瞳AFは、高性能の像面位相差AFを搭載したカメラでのみ使用可能です。
高屈折率レンズ5枚を含む8群10枚の構成で、色収差を抑えた良好な画質を提供します。鏡筒とフードは高質な金属製で、ピントリングは快適な操作感です。F1.8の大口径と9枚の絞り羽根を採用しており、低光量の環境下での画質低下を抑えつつ、美しいボケ味のある写真を撮影することが可能です。さらに、電子接点が搭載されており、撮影データのExif情報にレンズ使用状況が反映されます。また、マウント部にUSB端子が備えられているため、PCと接続してファームウェアのアップグレードが行えます。
競合製品!?との比較
SONYの FE 50mm F1.8(SEL50F18F)
50㎜あたりでフルサイズ対応の単焦点AFレンズを探すなら、まず比較するのは、SONYの「FE 50mm F1.8(SEL50F18F)」でしょうか。こちらはSONY謹製のお手頃単焦点レンズです。Amazonでの実勢価格では、「SG-image AF 55mm F1.8 STM」とほぼ同じですね!
SONYのSonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
ちょっと拘り派は、SONYの「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」とも比較しますでしょうか。こちらは、あのツァイス「ゾナーT*」レンズを搭載したレンズで、もともとの希望小売価格はSonnarの方が圧倒的に高いですが、結構古いレンズですので中古価格で見ると結構こなれてきています。ちょっと古いのでAFなどは物足りませんが、良い写りしますよ!
中古価格は「並品」で6-7万円程度でしょうか。メルカリでもそのくらいの価格ですね。。
写りを見てみよう(実写レビュー)
前段が長くなってしまいましたが、いよいよ肝心の写りについてです。
かっちりした比較は他のサイトにおまかせして(下記に記載した「とるなら」さんがおススメです)、このBlogでは私のフィーリングで記載していますので、ご了承いただければと思います。
撮影は、カメラはSONY α7Ⅳ (クリエイティブルックのFLモードにて撮影)、レンズはSG-image AF 55mm F1.8 STM です。また、Blog掲載用に画素数を落としてますので、ちょっと眠い写真委なってます(元のデータはもっと、シャキッとしていますよ~)。
手軽に良い写り。サクサクAFで。
独特のボケ具合がステキかも!?
夜にも最適(玉ボケの形も良い)
モノクロでも良い感じ
フレアー・ゴーストもちょっと楽しめる
最新のレンズは、フレアーやゴーストは出にくいものが多く、このレンズも普通は出てこないのですが、上手く角度を合わせると、線上や円形の虹ゴースト等が出てきました。
収差ファンの方は、ぜひお試しを~。
まとめ
このレンズを、覗いた時や撮影した画像を見て、高級レンズを使った時のような「やっべー」「すっげー」っていう驚きはあまり感じないかもしれません。でも最新のAFで3万円ちょいのコスパの良いレンズと考えれば素敵な選択肢かなと思います。
普段はZoomレンズメインだけど、ステップアップや、予備として50㎜あたりの単焦点を1本持っておきたい方とか、手軽に散歩する際に単焦点付けていきたい方とかに良いかもしれませんね!
他に揃えたいもの
まずはレンズプロテクター(フィルター)が欲しいところです。プロテクター無し派の方も結構いらっしゃるようですが、小心者の私は「レンズ」に傷をつけない為に、入手したら、まずはフィルターをつけちゃう派です。今回のレンズはフィルター径がφ58mmですので、下記のあたりがおススメでしょうか。
あとは、スカっと抜けた青空や、川の水面や湖面、ガラスの反射を抑えてクリアーに撮影したい際にはPLフィルターを、SS(シャッタースピード)を遅めにして、背景を流したいとか、川や滝の流れるさまを表現したい場合などにはNDフィルターも揃えることがおススメです(今だと可変NDが便利)。
あと、他のレンズとこれらのフィルターを共用して利用したい場合にはステップアップ/ダウンリングを用いて、フィルター径を調整しながら利用するのもお勧めです。※レンズ毎にPLとか可変ND買ってるとお金が持ちません(NDやPLは大きなレンズのサイズのものを選んで、小さなフィルター径のレンズにステップアップリングを装着してフィルター径を大きくします)。
今回のレンズ情報
メーカー | SG-IMAGE |
名称/ブランド名 | SG-image AF 55mm F1.8 STM |
フォーカス | AF(オートフォーカス) |
焦点距離 | 55㎜(35mm判換算) |
センサーサイズ | フルサイズに対応 |
レンズ | 8群10枚(高屈折レンズ5枚含む) |
絞り | F1.8-F16 |
絞り羽 | 9枚 |
フィルター径 | φ58mm |
重さ | 365g |
最短撮影距 | 0.5m |
マウント | ソニーE、ニコンZ、富士フィルムX |
製造国 | 中国 |
生産時期 | 2024年 |
相場 | ¥32,850(2nd Focus社 Online販売) |
特技/特記 | マウント部にUSB端子が備えられているため、PCと接続してファームウェアのアップグレード可能 |
備考 | 付属品:レンズキャップ、リアキャップ、スクエアフード メーカー保証:2年間(自然故障が対象) |
参考になるページ
とるなら:SG-image AF 55mm F1.8 STM レンズレビュー
ol.1 外観・操作・AF編、Vol.2 解像チャート編、Vol.3 遠景解像編、Vol.4 ボケ編、Vol.5 諸収差編、Vol.6 周辺減光・逆光編
thisistanaka(note):(27)光学ガラスレンズを選ぶ ━━ 描写力を向上させる技術
※高屈折レンズとEDレンズの違いなどについてはこちらの記事を参照ください。
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