今回は、ライカ使いの皆さんの隠し技!?、ライカ製オールドレンズのフェイク「6bitコード」化について書いてみたいと思います。「6Bitコード」とは、デジタル時代のM型ライカで用いられている、本体がレンズを自動判別するために、レンズのマウント部に記載された6本の白黒の帯のことを言います。そして、「6bitコード偽装」とは、デジタル化前のライカレンズには、この6Bitコードが付いていない為、このコードをフェイクコードで偽装して、M型ライカ本体を騙して認識させてしまおう!という取り組みのことです。
「6bitコード」とは
M型ライカがM8の登場によりデジタル化した際に、M8本体がライカのレンズを自動で認識できるように、レンズに6Bitのコードを付け始めました(6本の帯を白黒でパターン化して、レンズを識別する)。M8以降のデジタルのM型ライカでは、この6bitのコードを本体のマウント部分に取り付けられたセンサーで識別して、カメラ本体側でレンズを自動判別して、レンズに合わせた補正や写真へのExif情報の付与を行っているわけです。


マメ知識
6ビットコードは、ライカがデジタルM型カメラのために開発したレンズ識別システムです。バヨネットマウント部分に白(□)と黒(■)の6つのマークを組み合わせて1〜64までの数値を表現し、カメラがレンズのコードを読み取ることで以下の機能が効いてくるとのこと。。
- レンズ情報の自動記録:EXIFデータにレンズ情報を保存
- 光学補正:ビネッティング(周辺光量落ち)の自動補正
- 色収差補正:レンズに応じた色収差の補正
- 歪曲収差補正:樽型・糸巻き型の歪曲を補正
「6bitコード」偽装(フェイクコード加工)!?とは
しかし、M型Leicaがデジタル化したM8以前に発売されたレンズには、この6Bitコードが付与されていないため、6bitコードが付いていないレンズを使う際には、カメラにレンズを識別させるために、レンズを交換する毎にカメラ本体の設定で「該当するレンズ」を選ばなければなりません(選ばないと、他のレンズの設定でExif情報が残っちゃいます。。。)。
《M10でレンズを手動で選ぶ方法》
ちなみに、LeicaM10で6bitコードが付いていないレンズを、手動で選択するする場合は下記の手順となります。
- メニューで「レンズ検出」を選択
- 「レンズ検出」で「マニュアルM」を選択※RはR型用レンズの場合選択。
- Leica本体に登録されているレンズの一覧が表示されるので、該当するレンズを選択して完了!



該当するレンズが登録されていない場合は、近しいのを選んで選択するようです。
※Exif情報は、選択したレンズの情報が書き込まれますので後で注意が必要です。
ほんのひと手間なのですが、この手間をなくす&設定忘れを無くすために編み出されたのが、オールドライカレンズに「6bitコード」をペイントして偽装(フェイクコード加工)!?する方法のようです。
※いくつかのレンズはライカ社により、有償で6bitコード化が出来るようです。
「6bitコード」偽装!?に必要(あった方が便利)なもの
次に、この作業を行う際に、必要となるものを書いていきたいと思います。
まず、コードを記入する際のガイドキットが必要になります。オークションやフリマサイトで入手が可能です。「ライカ 6bitコード記入キット」「Leica 6bit Coder Kit」「ライカ 6ビット コードガイド ツール」などと呼ばれているものです。下記の画像に「メルカリ」の該当商品ページへのリンクを貼ってありますので、興味のある方は下記の画像をクリックしてください。


6bitコード化は、上記の「ガイド」の切れ目に沿って色を塗っていくことになります。次に必要なのが、黒と白のペンです。先人達の教えによると下記のペンがおススメとのことでした。体験談をBlogで記載して頂いている諸先輩方の記録を見ると、マッキー等の油性の黒のペンでも出来ちゃうみたいなので、あまり気にしなくてよいのかもしれません。

「6bitコード」偽装やってみた
レンズを選ぶ
ということで、私のお気に入りレンズのひとつ、Leicaの「NOCTILUX(ノクティルックス)M f0.95/50mm ASPH.」を模したと噂の「TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH」というレンズを、本家「NOCTILUX M f0.95/50mm ASPH.」と認識させてみる事にしました。

「6bitコード」のパターンを探す
まず最初にすべきことは、6bitコード化するレンズの「6bitコード(パターン)」を探すことです。
今回6bitコード化する予定の「NOCTILUX M f0.95/50mm ASPH.」の6Bitコードを調べてみると『■■□□□■』とのことが分かりました。ということで、マウントの金具の部分に、このパターンに沿った6本の帯を書き込むわけです。
実は、この6bitコード化(偽装)については、多くの人がトライしているようで、ネット上に情報が幾つかありましたので、
※ 一覧表については、こちらを参照ください(当ページ下層部への遷移)。
塗ってみる
さて、では実際に6bitコードを書いていきましょう。
- 6bitコードを書きたいレンズを選び、下記の一覧表で該当するコードを選びましょう(なければ近しいもので妥協!)
- 「Leica 6bit Coder Kit」をレンズのマウント部分に装着して位置を合わせます(適切な箇所に固定できるように出来ている筈です)
- 切れ目(細い線)に、該当するコードに併せてペンで色を塗ってください。
※上記に参考例として掲載している写真は「MMILUX50mm f1.4 ASPH.」で■□□□□□となりますので、コードを見る時の”向き”を合わせる参考にしてください。 - 線が2本並んでいる場合はまとめて塗りつぶしてもOKのようです。



成功したら、こうなった
フェイクコードを付与したレンズを装着して、我がLeicaM10くんを起動してライブビュー(LV)してみると『0.95/50mm』と自動でレンズを判別してくれていることが確認できました。大成功です。めでたしめでたし。

因みに、このレンズで撮った写真を1枚アップしておきますね。このレンズ超素敵なんですよ~。

一覧表&説明
最近は便利な世の中になったもので、生成AIに頼めば「6bitコード」の一覧表を瞬時に作ってくれます。しかも解説付きで。ほんと優れものです。
ということで作ってもらってみました。
※一応ファクトチェックも実行して1度修正させた状態のものです。
↓
《以降の説明&一覧表は生成AIが作成》
ライカM型レンズの6ビットコードについて、詳細な一覧表を作成いたしました。この表は、デジタルライカMカメラがレンズを自動認識するために使用する6ビットコード(6-bit code)の一覧表です。
※ 内容の信憑性については検証が難しい為、各自自己責任にてご覧ください(生成AIによるファクトチェックは実施済み)。
参考文献:この表は下記のサイトを参考に生成AIが収集&作成してくれたものです。
焦点距離 | レンズ名 | 開放F値 | ブラック品番 | シルバー品番 | 6ビットコード | コード図 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
16-21mm | Tri-Elmar 16-18-21mm | f/4 | 11626 | – | 10000 | □■□□□□ | ズーム(16-18-21mm) |
18mm | Super-Elmar 18mm | f/3.8 | 11649 | – | 110100 | ■■□■□□ | ASPH. |
21mm | Elmarit 21mm | f/2.8 | 11134 | – | 1 | □□□□□■ | 第1世代 |
21mm | Elmarit 21mm | f/2.8 | 11135 | 11897 | 11000 | □■■□□□ | ASPH. |
21mm | Super-Elmar 21mm | f/3.4 | 11145 | – | 110011 | ■■□□■■ | ASPH. |
21mm | Summilux 21mm | f/1.4 | 11647 | – | 101111 | ■□■■■■ | ASPH. |
24mm | Elmar 24mm | f/3.8 | 11648 | – | 110010 | ■■□□■□ | ASPH. |
24mm | Elmarit 24mm | f/2.8 | 11878 | 11898 | 11001 | □■■□□■ | ASPH. |
24mm | Summilux 24mm | f/1.4 | 11601 | – | 110000 | ■■□□□□ | ASPH. |
28mm | Elmarit 28mm | f/2.8 | 11804 | – | 11 | □□□□■■ | 第3世代 |
28mm | Elmarit 28mm | f/2.8 | 11809 | – | 11011 | □■■□■■ | 第4世代 |
28mm | Elmarit 28mm | f/2.8 | 11606 | – | 11100 | □■■■□□ | ASPH. |
28mm | Summicron 28mm | f/2.0 | 11604 | – | 11010 | □■■□■□ | ASPH. |
28-50mm | Tri-Elmar 28-35-50mm | f/4 | 11890/11625 | 11894 | 101010 | ■□■□■□ | ズーム(28-35-50mm) |
35mm | Summarit 35mm | f/2.5 | 11643 | – | 101011 | ■□■□■■ | |
35mm | Summicron 35mm | f/2.0 | 11310 | 11311 | 110 | □□□■■□ | 第4世代 |
35mm | Summicron 35mm | f/2.0 | 11879 | 11882 | 11110 | □■■■■□ | ASPH. |
35mm | Summilux 35mm | f/1.4 | 11874 | 11883 | 11101 | □■■■□■ | ASPH. |
50mm | Elmar 50mm | f/2.8 | 11831/11824 | 11823 | 100010 | ■□□□■□ | |
50mm | Summarit 50mm | f/2.5 | 11644 | – | 101100 | ■□■■□□ | |
50mm | Summicron 50mm | f/2.0 | 11817 | – | 10111 | □■□■■■ | 第3世代 |
50mm | Summicron 50mm | f/2.0 | 11819/11826 | 11825/11816 | 100001 | ■□□□□■ | 第4/5世代 |
50mm | APO-Summicron 50mm | f/2.0 | 11141 | – | 101001 | ■□■□□■ | ASPH. |
50mm | Summilux 50mm | f/1.4 | 11868 | 11856 | 101 | □□□■□■ | 第3世代 |
50mm | Summilux 50mm | f/1.4 | 11891 | 11892 | 100000 | ■□□□□□ | ASPH. |
50mm | Noctilux 50mm | f/1.0 | 11821/11822 | – | 11111 | □■■■■■ | |
50mm | Noctilux 50mm | f/0.95 | 11602 | – | 110001 | ■■□□□■ | ASPH. |
50mm | Noctilux 50mm | f/1.2 | 11686 | – | 111000 | ■■■□□□ | ASPH. 復刻版(2021年) |
75mm | Summarit 75mm | f/2.5 | 11645 | – | 101101 | ■□■■□■ | |
75mm | APO-Summicron 75mm | f/2.0 | 11637 | – | 100100 | ■□□■□□ | ASPH. |
75mm | Summilux 75mm | f/1.4 | 11810/11814/11815 | – | 100011 | ■□□□■■ | |
90mm | Macro-Elmar 90mm | f/4 | 11633 | 11634 | 100111 | ■□□■■■ | マクロ |
90mm | Tele-Elmarit 90mm | f/2.8 | 11800 | – | 100 | □□□■□□ | 第2世代 |
90mm | Elmarit 90mm | f/2.8 | 11807 | 11808 | 100110 | ■□□■■□ | |
90mm | Summarit 90mm | f/2.5 | 11646 | – | 101110 | ■□■■■□ | |
90mm | Summicron 90mm | f/2.0 | 11136 | 11137 | 111 | □□□■■■ | 第3世代 |
90mm | APO-Summicron 90mm | f/2.0 | 11884 | 11885 | 100101 | ■□□■□■ | ASPH. |
135mm | Elmarit 135mm | f/2.8 | 11829 | – | 1001 | □□■□□■ | 第1/2世代 |
135mm | APO-Telyt 135mm | f/3.4 | 11889 | – | 110101 | ■■□■□■ | ASPH. |
アクセサリー | Macro-Adapter-M | – | 14409 | – | 101000 | ■□■□□□ | マクロアダプター |
参考情報(6bitコード化)
《6bitコード一覧を掲載しているページ集》
ライカのある生活:【保存版】 ライカMレンズの6bitコード一覧 (2022年対応)
アトリエライカ:ライカ6bitコード表
《やってみた系Blogの一覧》
絵で見るカメラ + plus:6ビットコード
nyankoseek.blog:Leicaの6bitコード(フェイクコード)に挑戦!
alfa75 blog:フェイク6bitコード化(テプラ式)手順覚え書き
M8, M9 & R-D1 for Something I love…323:自分のことは棚に上げて… M8フェイク・コード考
YM-PHOTO BLOG:ライカジャパンカスタマーケア体験記 その2 ※ライカ社による6Bitコード化体験記です。
ASCOII×デジタル:昔のLeicaレンズを最新モデルで自動認識! 「Coder Kit」を衝動買い
コメント