今回ご紹介するのは、Kodak の Retina IIIc (レチナ3c)※小窓 という、1954年製のカメラです。Kodak製なんですけど第一次大戦後のドイツ製造という歴史の狭間で生まれた名機で、めちゃくちゃよく写ると噂のカメラだったりもします。
レチナについて。
レチナには1型から3型まであります。大きな違いは1型は距離計&露出計が無い、Ⅱ型は露出系が無い、Ⅲ型は距離計&露出計が付いている ということらしいです。3型はレンズ交換によりファインダーのフレームが切り替わる「ⅢC(大窓)」と呼ばれるタイプと、ファインダー内のフレームが切り替わらない「Ⅲc(小窓)」と呼ばれるタイプがあります。
3型は露出の合わせ方が、他の一般的なカメラとは違い、①セレン製の露出計が内蔵されており、②露出計はLV(EV)方式値読み取り方式で、その値をレンズ部分で合わせれば、露出が設定できる「ライトバリュー」方式です。絞りとシャッターのリングが連動しているので、設定した露出をいかしたまま、絞りやシャッタースピードを変更できます。
出会いは、夢のお告げ。
実は、レチナに興味を持ったのはある日の「夢」に出てきたからでした。目覚めた直後のメモが残っていたので、下記に記載してみますね。
《レチナとの出会い(ある日の夢の話)》
その日私は、店を閉じる(店をたたむ)前の小さなカメラ店の店内にいる私。
ショーウィンドーに、ホコリまみれのレチナとプリモJp(4×4サイズの2眼レフカメラ)だけが残っている。
レチナはおそらく新品。新品のときに付いている紙とかがついている状態。裏蓋開けてフィルム室を見てみると中身はすごく綺麗。
プリモは何やら改造されまくっててボロボロ。後ろの扉が増設されてて、秘密の部屋の扉みたいになってる。
店主が戻ってきたので「コレ買えるの?」って聞いたら、
「(このお店も)あと少しなんだけど、良かったら毎日見にきてね。」と言って奥に。どうやら耳が遠いらしい。
もう一度「買いたいんだけど・・」って聞いたら、、、
誰かから電話がかかってきて、どこかへ行ってしまった。しばらく待ってだけど戻ってこなかった。
その間に、どんどん欲しくなるから不思議なものだ。いわゆる お預け、状態である。
ココで目ご覚めた。
仕方がないから、ヤフオクで探してみる。
20240731の夢より
ということで、その日から、ヤフオク、メルカリ、各中古カメラ店の巡回がスタートしました。
それにしても不思議なんです。その夢を見るまでは「レチナ」って、全く購入しようと思ったことは無かったカメラなんです。よって、全く調べたこともなかったし、どんなカメラなのかすら知らなかったのです(その時はKODAK製であることすら知りませんでした)。
まさに「お告げ」状態だったのです。「お告げ」ならば仕方がない。「お告げカメラ」をゲットするしかない訳です。
購入したのは「カメラのロッコー」さん。
レチナの中でも最終形と言われる「3C」が、とても機能的にもデザイン的にもカッコよく感じたので、3Cに狙いを定めて探しはじめました。
いつものように、某オクやメル◎◎等で物色しながら、新宿界隈の中古カメラSHOPの巡回です。
情報収集をして分かったことは、①3C(大窓といわれるタイプ)は、人気も値段も高い、②3C(大窓)はレンズ交換をする際にファインダーの表示が自動で切り替わる優れもの、でも③レンズを交換したら、レンズが収納できない(ちょい面倒か。。)ということでした。
ということで、見た目がもっとスッキリとしている「3c(小窓)」にターゲットを切り変えました。こちらは、店頭にも何台か並んでいましたので、ある中古カメラ店で、実物を見せて頂きました。
そのお店の店員さんは、レチナに詳しくないようで、レンズの収納や絞りの操作などが分からない・・とのことで、店頭で全く動作の確認ができませんでした。要は正しい使い方が分からないと、正常に動作するのかどうかの判別が出来ないということです。
ということで、基本方針が決まりました。「ちゃんと詳しい店員のいる&サポートをちゃんとしているお店で購入する」「動作保証がちゃんとしているお店で購入する」です。
ということで、前から気になっていた「カメラのロッコー」さんで購入する決心がつきました。ちょっとお値段は高めなのですが、店主による整備付き&1年保証というのが魅力的です。店主の方がすごく詳しそうで、購入後もずっとお世話になれる安心感が決め手でしょうか。
購入方法は、こちらの「J-カメラ」のWebサイトから注文を入れると、メールで購入確認と振込先情報が届きますので、金額+送料を入金します。ロッコーさんにて入金の確認でき次第発送となります。
さてさて、到着までが超ワクワクです。
レチナ3cの使い方(必ず説明を見てから触ろう)
このカメラ、今まで使ったフィルムカメラの中で、一番使い方の「お作法」が多いカメラです。
店頭で試してみる時は、詳しい店員の説明を聞きながら、ネット等で購入した場合は、必ず「使い方」の解説ページを読みながら、操作の手順を試してみることをお勧めします。
操作手順を間違えて、無理に動かそうとすると・・・ホントに壊れます。。きっと。
ということで「使い方」を記載していこうと思うのですが、ちょっと時間がかかりそうなので、まずは、とても詳しく解説頂いているページを紹介させていただきます。
「photowalk」というサイトに記載されている、下記の記事が超おススメです。
私も、こちらの記事を読みながら、操作手順を試していきました。写真をクリックすれば記事へ遷移します。
利用前に、ぜひご一読を!
レチナ3cを使う前に、必ず一読を!おススメです。
「お作法」必須の、超現役アンティークカメラ。
このカメラを正しく使うために必須の「お作法」がいくつもあります。これらの「お作法」に沿った使い方をしないと「動かなく」なり、無理に動かそうとすると「壊れます」。しかし、このお作法を守っていると、実く良くできたギミックであると感じられます。
ということで、基本操作に必要そうな「お作法」のご紹介です。
まずは、とても重要なポイントだけ記載しておきますね!
※時間があるときに、どんどん追加していくかも!?です。
- レンズを収納する(前面の蓋を閉める)際は、ピントを無限遠(レバーを一番下 ※下の最初の写真の赤丸)に合わせて、上下のボタン(同じ写真の緑丸)を押すとレンズ部分のロックが解除されて、レンズの収納が可能になる。※ピント調整レバー(ヘリコイド)が無限遠になっていないとボタンを押してもレンズの収納ができません。
- フィルムカウンターが「0」になっていると「ロック」がかかり、フィルムが巻けませんしシャッターも切れません。まったく動きません。無理に動かしてはダメです。このような症状の場合は、フィルムカウンターの数字を動かしてロックを解除しましょう(下の2枚目の写真の赤丸を押しながら、左丸の部分を床にスライドするとフィルムカウンターが動きます)。
写りを見てみよう
モノクロにて(FOMAPAN100 長巻から)
最初に、動作確認の意味合いも込めて、普段使いとして重宝しているフィルム「FOMAPAN100(長巻からの詰め替え)」にて、ザクザクっと撮影してきました。現像はいつものように自家現像です(現像液はミクロファイン)。
カラーにて(KODAK GOLD 200)
上記にて、問題なさそうというか、、、とても良い写りなので、期待満々でカラーフィルムで撮影です。フィルムはレチナと銘柄を揃えて「KODAK」の「GOLD200」です。現蔵はMARIXさんの現像キャンペーンにお願いしました。いやああ・・よく写りますね!
お買い物情報
資料(書籍)
レチナの本欲しいなぁ。でもちょっと金額が高めですね。。良い出物を待ちましょうか。
おススメフィルム
カラー
カラーのフィルムは、KODAKのGOLD200 のまとめ買いが結構お得なので、ちょくちょく利用しています。また、Amazonではたまに下記のフジカラー100もリーズナブルな価格(1400円台)で在庫があることがあるので、ちょくちょくチェックしています。
モノクロ
モノクロフィルムは、私は今は「長巻」を100FT(フィート)缶で購入して、フィルムローダーを利用して、フィルムを詰めて利用しています。とてもリーズナブルです。下記はMARIXのモノクロフィルムです。MARIXの長巻は中身はFOMAPANらしいので、黒がパキッと出て結構好みの写りです。
しかも自家現像しているので、最初に道具さえ揃えれば、ほとんどゼロ円で現像できちゃいます。詳しくは下記の記事をご覧ください。
便利なモノ
外付けの露出計
内蔵の露出計が動作しない場合や、精度に不安な場合は「外付け」の露出計を併用することをお勧めします。私は天気の良くない時などは、下記の露出計を利用しています。最新の露出計なので安心&便利です。
ミニ三脚
暗い場所で撮影するとき、フィルム撮影はちょっと困ることがあります。そうなんです。。。シャッタースピードが遅くなり過ぎて手振れしてしまうのです。
ということで、コンパクト三脚を鞄に忍ばせておくと便利ですよ。因みに下記のマンフロットのミニ三脚はとても使いやすくて重宝しています(私は白を利用)。
参考情報
PHOTOWALK:「Kodak RETINA Ⅲc」使い方
PHOTOWALK:Kodak RETINA Ⅲcレンズ清掃方法
〜 タバスコとシナモン 〜:コダック・レチナ IIIC (Kodak Retina IIIC)
Field Cameraman Note:コダック レチナIII C 散歩カメラの決定版
0時からが俺のターン:やっぱりⅢC
サンライズフォト:[旅×フィルムカメラ第9弾] Kodak Retina IIIC(コダック・レチナIIIC)が70年の時を超え、ローカル鉄道を撮る。
上沢写真機修理店:レチナⅢcのオーバーホールの様子
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