ZUIKOの大口径レンズをこの手に
この G.ZUIKO 55mm F1.2 というレンズは、1973年にOLYMPUS(現OMデジタルソリューションズ株式会社)から発売された一眼レフカメラ「OM-1」用交換レンズのひとつとして発売されたもので、前期型と後期型、そして改良がくわえられ、50㎜f1.2のレンズとして生まれ変わります。
手にした際の”ずっしり感”は流石f1.2の大口径レンズ!って感じがしますが、重量は310gと他の大口径レンズと比して軽量なのに驚かされます。
※ ZUIKO 50mm f1.4のレビューは下記にて。
前期型 と 後期型 の違い
このレンズには、上記のように「OM-1」と共に発売された「前期型」と、その後改良が加えられた「後期型」、さらに「MC」化してフィルター径が55㎜となったMCがあるそうです。前期型はフィルター枠や絞り環に銀枠がついており、こちらの記事によると(以下引用)”第1群 (前玉) と第4群貼り合わせレンズの一部の光学硝子材に「酸化トリウム」を含有させた、俗に言う「アトムレンズ (放射線レンズ)」で、屈折率を最大20%台まで向上させる目的で使っていたと考えられます。”とのこと。
今回入手したレンズは、フィルター枠や絞り環に銀枠がなく、フィルター径が55㎜の為「後期型&MC」モデルということになります。※後期型はアトムレンズでは無いのでレンズの黄変はないです。
プロカメラマン上野さんからの推奨
先日、銀座松屋の「世界の中古カメラ市」で銀のニッコールをGETした翌日に、新宿で定期的に開催されている「オールドレンズアウトレットセール」に行ってみました。
こちらは、このブログでも紹介させていただいた、①岡田さんという「オールドレンズ」という言葉を作ったというオールドレンズ・コレクターの方のレンズを販売する催しとのことで(レアなレンズjもいっぱい)、②プロカメラマンの上野さんが会場におられて、③お話をお伺いしながら推奨していただけるレンズを試して、④気にいれば購入できるという、、、レンズを買ってしまう確率が一気にアップするヤバい催しです。
今回、上野さんから推奨頂いたレンズは、①PETRI 55mmf1.4のライカM改(これが意外とよく写る)、②ヘキサノン35㎜、③このZUIKO 55㎜f1.2、④TOPCOR 58mmf1.4(すでに所有)、⑤SUPER ROKKOR 50mm f1.8(ズミクロン対抗のキレッキのレンズ) でした。
それらのレンズを実際に試させていただき、今回はこのレンズを連れて帰ることに決定しました。
因みに、上野さんが”50㎜前後のf1,2のレンズだけを集めた本”を執筆される際に、ノクティルックスやノクトニッコールなど数多くのf1.2クラスのレンズを試したそうで、その中でも「G.ZUIKO 55mm F1.2」特に良かったレンズで、ご自身の一軍レンズでもあるとのことです。
因みに、このレンズの後に製造された50㎜ f1.2 の方は製造された本数が少なく価格が倍くらいするらしいです。
※実はこのレンズ(ズイコーの標準でf1.2)を一度探していたことがあったのですが、55㎜と50㎜があること、ましては前期後期、MCなんて対応があることも、今回、このレビューブログを書くまで知りませんでした。。。。
写りを見てみよう
f1.2のボケっぷりを堪能
f1.2の大口径レンズを入手したなら、まずは「解放」での撮影を堪能したいですよね。このクラスになると、肉眼で見ているのとは別世界の景色を見せてくれます。背景がトロトロになって飛んでいくf1.2の世界を楽しみまくりましょう。
夜が楽しい!
最近の一眼カメラや高級スマホでは、暗所の撮影でもISO感度が上がり難なく写真が撮れるようになってきました。とはいえ、画像が荒れたりAI補正による不自然さが目についてしまったりします。
その点、このf1.2という超明るいハイスピードレンズ(暗い場所でも早いシャッタースピードで撮影できる)なら、夜の街を魅力的に切り取ることができちゃいます。また、f1.2のボケっぷりも相まって幻想的な世界を見せてくれます。深夜徘徊を楽しみましょう!?
色が変わる!ゴーストフレアを愉しむ
このレンズ、先述のように後期型のMC(マルチコート)仕様ということで、他のオールドレンズと比して、虹ゴーストが出にくいようです。でも、太陽との角度を合わせれば・・出てきますね。
なんか、最近どんなレンズでも出せる気がしてきました。
更に、このレンズは「ブルー」「グリーン」「オレンジ」「イエロー」と、なんと「多色」が出ちゃいました!!お得な感じですね。
絞った絵が素敵すぎる!
私の経験上、大口径のハイスピードレンズは絞った写真がとても素敵になることが多い気がしています。f2や4.5くらいまで絞ると、レンズの性能として余裕があるのか、めちゃめちゃシャープな細くてきれいな線で写真を描いてくれるのです。
このレンズも例に違わず、絞りを絞っていくととてもシャープで繊細に描いてくれます。とっても良い感じです。
マウント変換
このOlympusのオールドレンズである ZUIKO 55mm f1.2 は、OMマウントという規格になっています。このOMマウントからカメラ本体に合致する変換アダプタを購入すれば、ミラーレス一眼で利用できるようになります。
このマウントのレンズを、私が利用しているソニーのα7で利用するには、ソニーのEマウントというものに変換しなければなりません。その方法は大きく2種類です。
① 直接変換できるマウント変換アダプター
「OMマウント⇒ソニーEマウント」の変換アダプターを入手する
レンズとカメラの間にこの変換マウントを連結していけば、α7でZUIKOレンズが利用できるようになります。※MF(マニュアルフォーカス)でオールドレンズを利用できます。
②AF化して使うためのマウント変換アダプター
私はこのレンズを下記のように、MF(マニュアルフォーカス)レンズをAF化(オートフォーカス)ができる電子マウントアダプターを利用しています。
「OMマウント⇒ライカMマウント」の変換アダプター
+
「電子マウントアダプタ ※ライカMマウント⇒ソニーマウント」
上記の2種を入手すると、OMマウントのZUIKOレンズをα7で利用できるようになります。
①「レンズ」+②「OMマウント⇒ライカM変換マウント」+③「電子マウントアダプタ」+④「カメラ」の順番でつなげると、OMマウントのレンズをまるでAFレンズかのように利用できます。
オールドレンズをAF(オートフォーカス)で利用したいときは、この方法になります。
電子マウントアダプターは、下記の2種から任意で選択を!
フォトディオックス 電子マウントアダプター LM-SNE-PRN II (ライカMマウントレンズ → ソニーEマウント変換…
TECHART LM-EA9(ライカMマウントレンズ → ソニーEマウント変換)マウントアダプター AF オートフォーカス
ZUIKO 55mm F1.2 レンズ情報
メーカー:オリンパス光学(現OM SYSTEM)
名称/ブランド名:ZUIKO (ズイコー)※瑞光
G.ZUIKO AUTO-S 55mm f1.2 (後期型 MC)
フォーカス:MF(マニュアルフォーカス)
焦点距離:55㎜(35mm判換算)
センサーサイズ:フルサイズ
レンズ:6群7枚(拡張ウルトロン型構成)
絞り:f1.2~16
絞り羽:8枚
フィルター径:55mm
重さ:310g
最短撮影距:0.45m
マウント:OMマウント(OLYMPUS)
製造国:日本
生産時期:1973年(前期型)
相場:(Used)30,000円程度
特技/特記:
備考:
参考情報
OMマニア:ZUIKO AUTO-S 55mm F1.2
収差LOVE:【超大口径】OLYMPUS OM G.ZUIKO 55mm F1.2 実写レビュー
収差LOVE:【超大口径】OLYMPUS OM G.ZUIKO 55mm F1.2 外観レビュー
出品者のひとりごと:◎ OLYMPUS (オリンパス) OM-SYSTEM G.ZUIKO AUTO-S 55mm/f1.2《前期型》(OM)
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